Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

我が家のお宝「飛行船コロッセオ」

2022-11-19 17:33:01 | エトセト等
もうひとつの我が家のお宝「ちいさなさかな」と違って,作者不明.

鋳金で作ったものと思う.
額の外寸 180mm x 130mm.

木製の枠の裏側に
 9304 飛行船コロッセオII
 ¥60,000
と書いた紙が貼ってある.

表面には LLOSSE 1995 の文字がある.
日本橋高島屋の画廊で買ったのを覚えている...昔は金持ちだった.

玄関に飾ってある.
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古本市で...

2022-11-19 17:18:02 | 読書
古本市で3冊購入.収集癖はないので,読んで面白そうなのを選んでいる.
「遺された画集」は正解だった.

あとは これから.
麻雀小説家の純文学「狂人日記」の帯の惹句は恐ろしげだが,中身をぱらっと見たら会話が多く読みやすそうなので買った.
小沼丹は推理短編集「小さな手袋 / 珈琲挽き」以来マイブームが萌している.

どれも初版.少々高いと思ったが,発売時の広告や栞が挟んであって,タイムマシン気分.邪魔くさいと,新本の挟み込みを捨ててしまう習慣を少し反省.
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佐々木四郎と野見山暁治 「遺された画集」より

2022-11-19 10:02:38 | 読書
昨日の,戦死した美校時代の同級生などの遺族を訪ねた旅の記録
野見山暁治 「遺された画集」平凡社 (ライブラリー オフシリーズ 2004/6)
の続き.

やはり,著者野見山にとって,顔見知り程度だった人より,付き合いが深かった人を描いた文章が読ませる.

自画像の佐々木四郎は絵描きになると言って父親に勘当された.母親はこっそり金を送ってくれたが,その金は絵の具代には使わず,代わりに酒を飲み吉原に通っていた.

2-3 年年下の,人のいい野見山のところに転がり込んできた.起きているときは絵を描いた.林檎が腐っていっても追いかけた.夜は女の顔を描いて,似ているだろうと言って野見山を眠らせない.

朝は朝で,眠っている野見山を起こす.コップに小便をしてそれを鼻先に突きつけ「おい,透明だろ,淋菌はないだろう」...
「いい加減にしてもらいたかった」.

野見山の旅の目的は遺族を訪ねることであったが,目的を果たすことはできなかった.「あんなに絵を描いていたのに,キャンバスはおろか,スケッチブックの一冊もない」.
佐々木はフィリピンのどこかの島で,食糧がなくなり,現地人の部落に忍び込んで,暗い夜 殺されたというが,本当だろうか...
というのがこの項の終わりである.

小説を読んだ気分にさせられた.
この佐々木の自画像には訴えるものがあると感じるのは,野見山さんの文章を読んだからだろうか.


この本にはしばしば吉原が出てくる.
そういえば学生に,ヨシワラを知っているかと聞かれたことがある.売春禁止法が成立したのは 1956 年で,ぼくは中学生だったことになるが,周囲の大人が吉原を話題にしたことはなかった.
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遺された画集

2022-11-18 10:24:08 | お絵かき
野見山暁治 「遺された画集」平凡社 (ライブラリー オフシリーズ 2004/6).

著者は 1938 年に東京美術学校 (現 東京芸術大学) に入学,卒業後一兵卒として満州に渡るが肋膜に水が溜まって入院し終戦を迎えた.
1977 年?NHK 日曜美術館「祈りの画集」の放送時判明していた東京美術学校の戦没者は 45 名で,著者の同級生やその前後の人たちである.この番組のゲストであった著者が,このうちの 32 名を訪ね歩いた記録がこの本である.
冒頭に戦没者の図版があり,個々の取材記が続く構成.

病気に罹らなければ,著者もこの中のひとりになっていたかもしれない.「私は逃げまわって生きてきたわけではない.しかし生きていることは,この人々をある意味で裏切っていることは事実だ」.

訪問順で,最初は遠慮がちだが,後に行くほど記述が率直になる.
写真左端の本書カバーの解らない絵は,著者 野見山による「みくりが池」,でも掲載作品は全て解りやすい具象画である.
著者自身はすでに功なり名を遂げた画家であって,冒頭の図版の作品群に対する評価めいたものは敢えて避けているようだ.でも戦没者たちの個人史を読んで作品を眺めれば,いろいろと感じることができる.

カバーの右の力作は 中村萬平「霜子」.マンペイさん (著者たちはこう呼んでいた) は卒業制作にモデル・霜子を使って取り組み,突然彼女との結婚を宣言する.妊娠した彼女を伴って浜松の実家に帰る.裕福な実家は当惑し混乱するが,それを尻目にマンペイさんは入営し戦死.でもその前に霜子は産後が悪く死んでいる.

その右の小さい絵は田中角治郎「女」.家が裕福で,田中は鹿子木孟郎・小出楢重・藤島武二に師事した.著者は「これほどの画家に教わると,それ以外の表現は思いもつかないことだろうし,またそうした優しい生い立ちと性格でもあったのだ」というが,ぼくはこの絵が好きだ.
この本では戦死者の出身の貧富の差が目につく.富の方の例では.伊勢正三の場合家が大きすぎて家族も滅多に顔を合わせず,道でひょっこり出あって近況を語り合ったりしたという.しかし貧富に関係なく,平等に・容赦無く 徴兵が行われたらしい.

右上は伊沢 (井沢?) 洋「家族」.著者・野見山の文章によれば,伊沢は貧しい農家の出である.この着飾った家族の絵にぼくは違和感を感じた.出征前日,彼は家族の絵を塗りつぶそうとして.家人に見つかり筆を取り上げられたそうだ.

右下は久保克彦「対象」.1942 昭和 17 年の卒業制作だが,祖国が勝ち誇っている勇ましい姿ではなく,まるで人類最後の日のような不吉感が漂う.著者は「あの時代にこれは記念すべき見事な反戦画だ」と (本書では珍しく) 高く評価している.

古書市で購入.

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ライオネル・ハンプトンのスターダスト

2022-11-17 08:37:11 | ジャズ
左は和田誠さん描くライオネル・ハンプトン.和田誠,村上春樹「ポートレイト・イン・ジャズ」新潮文庫 (2001/1) による.

ライオネル・ハンプトン・オールスターズのスターダストを初めて聴いたのは高校生のときだった.ジャズ通と称する友達のところだったが,延々と続く演奏にうとうとしていたら,ライオネル・ハンプトンの登場でびっくりして目を覚まし,笑われた.

ウィリー・スミス (as), チャーリー・シェイヴァース(tp), コーキー・コーコラン (ts), スラム・スチュアート (b), トミー・トッド (p), バーニー・ケッセル (g) と,締まらない ? ソロが続き,10 分くらい経ったところでやおら御大が登場する.それと同時に場がきりりと引き締まるのだから,役者が違う.10 インチ LP だった気がするが違うかもしれない,4曲のうちハンプトンが登場するのは1曲だけだった.

スラム・スチュアートの弾きながらオクターブで歌うスタイルに接したのもこれが初めてのはずだが,寝ていて認識できなかったらしい.今聴くと,ソロの作文が上手い.続くバーニー・ケッセルはモダンだ.ヴァイブはいやにビブラートが細かく,フレーズがメカニカル.今どき誰もこんな弾き方は誰もできないだろう.

クリスマスが近づくとスターダストが話題になる.ハンプトン以来この曲ならビブラフォン...となったかどうかは知らないが,この鈴木章治とリズムエースの演奏でもたっぷり松崎龍生のピプラフォンが視聴できる.ミルト・ジャクソンの影響はなく,ラストに至る盛り上げ方はハンプトン流だが,ずっと洗練されている.

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そば切り一徹

2022-11-16 08:44:30 | 食べる
腹が減っていたので,通りかかった広島市中区富士見町でふらりと入店.中は思ったより広く,薄暗いが民芸調の行き届いた内装.
写真の「そば切り一徹」の暖簾はトイレの前にかかっていた.

十割と二八があるほか,「そばがゆ」というメニューもある.塩こぶのそばがゆ,玉子のそばがゆ,梅のそばがゆ,鮭のそばがゆ,鴨のそばがゆ.
(十割の) 神水そばって ???

とにかく こちらは鴨汁そば (温汁),J 子はにしんそばを注文.ふつうに美味しかった.鴨汁の温汁は辛かったので蕎麦湯で薄めたら腹が張った.

でも J 子が蕎麦は後で腹が減るというので,そばしるこ (写真左) と,そばぜんざい (写真右) をひとつずつ.

この店で玉子焼きなんかで昼酒をぐずぐずと飲みたいもの...
でも週4日だけ開店ということで,なかなか coincidence しそうもない.気になるメニューがたくさんあるんだけど.

おばちゃんの客あしらいがうまい.
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胃が合うふたり

2022-11-14 15:00:28 | 読書
千早茜,新井見枝香「胃が合うふたり」新潮社 (2021/10).

出版者の HP より*****
ストリップ鑑賞の厳選おやつ、銀座絶品パフェめぐり、コロナ禍に交わすご馳走便、人生を変えた日の中国茶、新居を温める具沢山スープ - 胃が合う友と囲む食卓は、こんなにも豊かで甘やかだ。人気作家とカリスマ書店員が共にした 11 の食事から、それぞれの見た景色や人生の味わいまでも鮮やかに描き出す、風味絶佳のWエッセイ集!

千早茜 (ちやはん)
1979 - 小説家.小説すばる新人賞,泉鏡花文学賞,島清恋愛文学賞,渡辺淳一文学賞を受賞.既婚.

新井見枝香 (新井どん)
1980- 三省堂書店,HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE に勤務していたカリスマ書店員.エッセイスト.ストリッパー.文学賞 : 「新井賞」を主催.独身.
*****
写真も HP からトリムして転載させていただきました.

大食アラフォーふたりが交互に書くエッセイ.yom yom 2019/8-2021/2  4ヶ月おきの連載.新井の書店員,ストリッパー (本書では「踊り子」と表記) などの職業遍歴は連載と同時にリアルタイムで進行する.
ストリップ劇場がまだ存在しているとは思わなかった.

各テーマについて,新井がまず書き,はるな檸檬のイラストページを挟んで,それを千早が受けるという構成.表紙イラストも はるなによるが,対象を可愛く描きすぎ.でもトップ画像の一枚は好きだ.

最初に記録魔で几帳面なちやはんに対し,新井どんは豪傑というイメージを植え付けられるが,そのイメージは次第に修正される.食べることを書くだけでは連載が持たないらしく,それぞれに けっこう本音らしきものも垣間見える.新井どんの唯一の弱点は歯が悪いことで,食べてる途中で差し歯が飛んだりする.
ふたりの距離感が微妙で,胃は合うが肚の中はわからないというところ.

図書館で借用.
おもしろかった !!
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ギャラリーコンサート「世界の歌を...」 / 百万本のバラ

2022-11-13 19:33:40 | 新音律
東広島市立美術館企画展に関連したイベントのひとつ.
パワーポイントで難波平人画伯の作品が会場に投影され,学芸員さん・難波平人画伯・難波英子さん (画伯...ではなく,この日はギタリスト) がお話になり,やおら 30 名ほどの参加者が3人のギターに合わせて歌うという構成.歌の部分は時間的に2割程度だったと思うが,面白かった.
イラスト入りの立派な歌詞集が配布された.

曲は,里の秋,ウスクダラ,アビニョンの橋で,愛のロマンス,おじいさんの古時計,黒いオルフェ,百万本のバラ,ふるさと.一見脈絡のない選曲だが,平人画伯が取材した国々に因んでいるのだ.

「百万本のバラ」の歌詞は,グルジア (現ジョージア) の画家ニコ・ピロスマニがマルガリータという名の女優に恋してバラを贈ったという逸話に基づいているとのこと.トップ画像はピロスマニが描いたマルガリータ.平人画伯も貧乏画家時代に,いまの奥様にになけなしの財布をはたいて,たぶん百本くらいのバラを贈ったというエピソードが披露された.

加藤登紀子訳詩のこの歌詞を歌うはおろか,見るのも初めてだった.





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小暮夕紀子「残暑のゆくえ」

2022-11-12 22:09:00 | 読書
単行本「タイガー理髪店心中」に収められた,表題作ではないほうの一編.99 歳の夫を持つ 75 歳の妻・日出代の目線で語られる.日出代の母の秘密と,日出代の夫の秘密が次第に明らかになるというとミステリーみたいだが,著者としてはそんなつもりはないだろう.

ネタばらしをしてしまうと,北満からの引き揚げの際,足手まといとなる小さい子を処分することが行われた.日出代の母は,日出代の妹を処分した (らしい).また (おそらくは) ペつな部隊で,夫は軍人として,小さい子どもたちを処分した.

日出代の回想場面で,母が彼女に山に行って首をくくれと (幼い子は首をくくればどうなるかわからない) 命じる場面がある.
陰惨な小説だが,場末の食堂を切り回している日出代の性格づけもあり,あっけらかんとした読後感.

「タイガー理髪店心中」所収の2編の初出は「小説トリッパー」で,これは (株) 朝日新聞出版が発行する季刊小説誌で,週刊朝日別冊という位置づけだそうだ.それぞれ 2018年,2019年に発表されたが,後発のこの「残暑の...」のほうが奥行きがあると思う.朝日文庫に入ったら買おうかな...
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「タイガー理髪店心中」

2022-11-12 09:09:19 | 読書
小暮夕紀子「タイガー理髪店心中」 朝日新聞出版 (2020/1).

青春に対して老境を「玄冬」と言うのだそうで,本書の2編も玄冬小説.
図書館で借用.Amazon で見たら右のような帯があった.もちろん図書館本には帯がない.この惹句を読んだら,借りたか? 借りなかったか? 微妙.

でも帯に引用されたセリフで判断するよりも,ストーリーは日常的,ある意味で牧歌的で,それだけ怖いかもしれない.老夫婦を夫,寅雄という八十過ぎの老人 (タイガー店主) の立場から描いているのだが,長年連れ添ってくれば,妻が次第に壊れていっても.それもぼんやりと認めて諦めるしかない,ということ.

第4回林芙美子文学賞受賞作.角田光代氏の選評「寅雄という八十過ぎの老人 (タイガー店主) ののどかな悪意,善意にも見える無関心,肯定という鈍感」という言い方はそのまま 16 トンにも当てはまりそうだ.このごろ独り言を言って J 子に聞き返されたりすることも多い.

実際に心中が起こるわけではないのに,応募時の「暮れる」を改題したそうだが,このほうが本が売れると思ったから ?

もう一編の「残暑のゆくえ」のほうが小説的.これについてはまた...

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