【米大統領選】:左派ウォーレン氏撤退 民主候補選び
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【米大統領選】:左派ウォーレン氏撤退 民主候補選び
【ワシントン=岩田仲弘】米大統領選の野党民主党候補者選びで、左派ウォーレン上院議員(70)は五日、地元の東部マサチューセッツ州で記者会見し、選挙戦からの撤退を表明した。
5日、米東部マサチューセッツ州の自宅前で記者団に話すウォーレン上院議員=AP・共同
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ウォーレン氏は富裕層への増税や公的国民皆保険の導入などを掲げ、昨秋には中道派バイデン前副大統領(77)に次ぎ全米平均支持率で二位に浮上。しかし最近は、同じ左派のサンダース上院議員(78)の陰に埋没し、三日に十四州の予備選が実施された「スーパーチューズデー」では、地元州を含め一勝もできなかった。
今後、サンダース氏とバイデン氏のどちらを支持するかについては「ゆっくり考える」と言及を避けた。
◆「ガラスの天井」なお 女性参政権100年
米大統領選の野党民主党候補者選びで、左派ウォーレン上院議員が撤退し、秋の大統領選は「七十代白人男性による戦い」の構図が固まった。一九二〇年の米憲法修正で女性参政権が認められて百年。ウォーレン氏の撤退は「ガラスの天井」(クリントン元国務長官)を打ち破ることが依然厳しいことを示した。
「最もつらいのは、支援してくれた少女たちがさらに四年、待たなければならないことだ」。ウォーレン氏は五日、時折声を詰まらせながらこう語った。
女性は当初、六人が候補に名を連ね、ウォーレン氏は最も有力視されていた。
候補者選びは「トランプ大統領(73)に勝てるかどうか」が最も重視される。ウォーレン氏は「私にはプランがある」と次々に政策を打ち出した。歴代大統領はオバマ氏を除いて全員白人の男性。「大統領は白人男性」という先入観がはびこる中、女性候補は「なぜ女性なのか、から始まり、候補としての資格や政策の説明を男性よりも一層求められる」(専門家)からだ。
だが、ハーバード大元教授という経歴も手伝い、インテリのイメージが先行。オクラホマ州の「中流層の底辺」出身で苦学した経験もあるが、「(好感度を上げるため)出自を強調すれば今度は『本物じゃない』と批判される、有能な女性を苦しめるやっかいな現実」(ニューヨーク・タイムズ紙)に悩んでいた。
ウォーレン氏は五日、性差別を経験したかと問われると「あったと言えば『泣き言ばかりか』、なかったと言えば『どこの世界の人間か』と言われる。後日、もっと話したい」と述べた。 (ワシントン・岩田仲弘)
元稿:東京新聞社 夕刊 主要ニュース 国際 【米国・米大統領選】 2020年03月06日 15:15:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。