【東証】:コロナショック1200円安、2万円割れ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東証】:コロナショック1200円安、2万円割れ
週明け九日の東京株式市場は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を懸念する売り注文が殺到し、日経平均株価(225種)は急落した。一時一二〇〇円超下げ、約一年二カ月ぶりに節目の二万円を割り込んだ。円相場は一時一ドル=一〇一円台の円高水準に急騰、原油先物相場は暴落し、市場に「コロナショック」が走った。
麻生太郎財務相は九日、国会内で記者会見し、急速な円高ドル安の進行について「しばらくよく見ておかないといけない。慎重に見極めたい」と語った。為替介入の可能性については「コメントしない」とした。
午後一時現在の平均株価は前週末終値比一一六六円五三銭安の一万九五八三円二二銭。主力銘柄が軒並み売られる総崩れの展開で、東証株価指数(TOPIX)は八一・四四ポイント安の一三九〇・〇二。
平均株価は取引時間中では今年三回目の一〇〇〇円超安で、九日の下げ幅は約二年一カ月ぶりの大きさ。九日は上海、香港のアジア株も売り優勢で推移した。
世界経済に深刻な打撃が及ぶと警戒し、前週末六日の米ダウ工業株三十種平均が続落した。その後も米ニューヨーク州が非常事態を宣言し、イタリア北部では大規模な移動制限が始まり、フランスでは感染確認が千人を突破した。
米国での感染拡大を背景にドル売りが進み、九日の東京外国為替市場の円相場は約三年四カ月ぶりの円高水準に達する場面があった。日本企業の海外収益が円換算で目減りするとの観測が広がり、輸出関連銘柄が大幅に下落した。
日本の国債市場では新発十年債利回りのマイナス幅が拡大した。米長期金利は一時0・5%を割り、過去最低を更新した。収益が圧迫されるとの見方から金融株は売り一色となった。
主要産油国の減産協議決裂を受け、東京商品取引所の中東産原油先物は一時前週末比約三割安となり、エネルギー業界の株価の下げが目立った。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「世界経済の『最後のとりで』だった米国で感染者が急速に増えている。年初に言われていた景気回復シナリオは頓挫してしまった」と話した。(東京新聞)
元稿:東京新聞社 主要ニュース 経済 【金融・財政・株式】 2020年03月09日 13:54:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。