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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳・08.23】:立民岡田人事「何もしない」の意味?

2022-08-28 07:50:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳・08.23】:立民岡田人事「何もしない」の意味?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・08.23】:立民岡田人事「何もしない」の意味? 

 ★人事をなめてはいけない。首相・岸田文雄は脱統一教会を掲げることが急務としたのだろう。改造前日の9日には「自ら(関係を)点検し、厳正に見直すことが新閣僚、党役員においても前提となる」と関係払しょくが最低条件かのような発言をして党人事と内閣改造を断行したものの、外したはずの旧統一教会と関係ある閣僚に代わって、副大臣、政務官まで広げると岸田改造内閣は30人近くが関係する内閣となった。これでは脱統一教会とは言えず、人事は失敗、内閣支持率は急落し納得いく説明を求める国民の声は高まるばかりだ。

 ★まして、経済安保相・高市早苗のように事前に教会との接点を官邸に報告しているにもかかわらず入閣が決まるなど、9日の強気な岸田発言とは裏腹な状況は、旧統一教会との関係がない議員を探す方が大変ということに他ならない。それでも「断ち切る」と首相も関係議員も言えないのなら、表にできないことがまだ隠されているのではないかと勘繰りたくなる。

 ★それを横目で見ながら手ぐすね引くのが立憲民主党だ。参院選挙の総括は言い訳ばかりの代物だったが党は了承。与党追及の体制づくりを行うというが、こちらもどうも様子がおかしい。10日、外相や副総理を歴任した岡田克也が過去に世界日報の取材を3回受けていたと報じられた。あのバレンタインのチョコすらすべて返送する「ミスター割り勘」が世界日報と旧統一教会の関係を知らなかったという。これが自民党議員だったらどれほど大騒ぎになるかと思うが、もっと驚くのは同党代表・泉健太は岡田を次期幹事長に据えようとしているという。泉は口では自民党に厳しいことを言うが、結局岡田起用は本気で旧統一教会問題を攻め込まないという意味ではないか。この時期の人事でわざわざ岡田を指名するのは「何もしない」という提案型野党の強いメッセージが込められているのではないか。しかし岡田も断れよ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年08月24日  07:26:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・08.20】:立民代表・泉健太は自民党に向けた疑問を連合にも向けるべきでは

2022-08-28 07:50:00 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【政界地獄耳・08.20】:立民代表・泉健太は自民党に向けた疑問を連合にも向けるべきでは

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・08.20】:立民代表・泉健太は自民党に向けた疑問を連合にも向けるべきでは 

 ★19日、立憲民主党代表・泉健太は「(旧統一教会との)関係を断ち切れないのが今の与党」と指摘している。本当にそうだろうか。旧統一教会が反共保守を掲げ自民党に近づいたのは周知の事実だが、反共思想は旧民社党など一部野党を橋頭堡(ほ)に労働界、宗教界、学術界、野党政界にも深く浸透している。

 ★ここで松下正寿なる人物に触れておこう。松下はキリスト教家系に生まれ1922年に立教大学を卒業。コロンビア大学でPh.Dを取得。カールトン大、ミネソタ大、ジョンズ・ホプキンズ大でも学ぶ。29年、28歳で母校・立教大教授に。戦後の東京裁判では日本側の弁護人に立ち、55年、立教大学総長に就任。67年には自民、民社党推薦で都知事選に出馬。翌68年に民社党から参院東京選挙区で当選。1期務めている。議員時代の73年、統一教会の文鮮明に面会し心酔。74年に統一教会が主導する世界平和教授アカデミー初代会長に就任。世界日報論説委員なども歴任した。アカデミズムと反共保守野党化していく民社党、それを支える同盟系民間労組。松下の役割は大きい。

 ★思えば昨年の就任直後からの連合会長・芳野友子は「連合と共産党の考えが違う。立憲民主党と共産党の共闘はありえない」と言い続け、さらに「考え方の違う共産党が入るのはちょっと考えなければいけない」と反共路線を押し出していた。松下は民社・同盟系の富士社会教育センターの2代目理事長も務めた。現在の理事長は元連合事務局長・逢見直人。芳野が反共思想を習得した富士政治大学は同センターの教育部門だ。今も旧同盟系労組幹部や国民民主党議員らはここで研修を受けている。芳野はこの時の思い出をさまざまなところで自慢げに披露するという。泉は自民党に向けた疑問を連合にも向けるべきではないか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年08月20日  08:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【新型コロナ】:第7波死者7000人超は過去最悪ペース…「コロナ死」ピークが9.27安倍元首相国葬を直撃か

2022-08-28 06:30:50 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【新型コロナ】:第7波死者7000人超は過去最悪ペース…「コロナ死」ピークが9.27安倍元首相国葬を直撃か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新型コロナ】:第7波死者7000人超は過去最悪ペース…「コロナ死」ピークが9.27安倍元首相国葬を直撃か

 安倍元首相の国葬(9月27日実施)をめぐり、岸田政権は26日の閣議で今年度予算の予備費から約2.5億円を支出することを決めた。鈴木財務相は参列者について「最大6000人程度」と説明。弔問外交をもくろむ官邸は各国要人の訪日を期待するが、新型コロナウイルスの新規感染者数はいまだ世界最悪。第7波の勢いはちっとも衰えない。国葬とコロナ死の多発が重なる可能性がある。

<picture>増上寺で行われた通夜には約2500人が参列(C)日刊ゲンダイ</picture>

 増上寺で行われた通夜には約2500人が参列(C)日刊ゲンダイ

 ◇  ◇  ◇

 26日の死者数は324人。11日連続で200人超えだ。7月に立ち上がった第7波の累計死者数は、2カ月足らずで7000人を突破してしまった。1万2000人あまりが命を落とした第6波(1~6月)の当初の2カ月(1、2月)の死者数は5277人。第7波の死者は過去最悪のペースで増えている。

 感染者数のピークアウトから3週間ほど遅れて死者数もピークに達するのがこれまでのパターンだ。第6波では2月中旬に感染者数が減り始め、3月上旬ごろに死者数が減少傾向に転じた。

 ■医療逼迫は改善せず

 足元の第7波はいずれも高止まりが続く。官邸は盆明けに下降局面に入ると見込んでいたが、当てが外れた。近く、感染はピークアウトしたとしても、国葬が行われる9月末ごろは依然として多くの死者を出している公算大だ。

 「感染拡大の初期は病床数に余裕があり、医療体制もうまく回っています。しかし、感染の大波が2カ月、3カ月と続けば、医療は逼迫する。適切な治療を受けられず、亡くなる方が増えてしまう。第7波はそういう厳しい時期を迎えつつあります」(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏=感染症学)

 警察庁の調べによると、自宅や高齢者施設など医療機関以外で死亡した人のうち、感染が確認されたのは1月が155人だったが、2月には564人に膨れ上がった。

 「社会経済活動を優先し、行動制限をしない考え方は分かります。海外にはそうした方針の国は少なくありません。しかし、同時に医療体制を充実させ、感染しても安心して医療を受けられる体制を築く必要があります。行動制限をしなければ感染はどんどん拡大し、死者が増える。岸田首相は国民の命を守るためのコロナ対策は何もやっていない。医療従事者の4回目接種は遅れ、病床も十分に拡充できていません」(中原英臣氏)

 評価が割れる故人の国葬を強行するよりも、命ある国民の暮らしに目を向ける。それが政治の役割じゃないのか。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・医療・新型コロナウイルスの感染状況】  2022年08月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【「表と裏」の法律知識】:「国葬を実施したら次は岸田だ」とツイートし逮捕…SNSでの権力批判も行き過ぎは禁物

2022-08-28 06:25:30 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【「表と裏」の法律知識】:「国葬を実施したら次は岸田だ」とツイートし逮捕…SNSでの権力批判も行き過ぎは禁物

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【「表と裏」の法律知識】:「国葬を実施したら次は岸田だ」とツイートし逮捕…SNSでの権力批判も行き過ぎは禁物

 安倍元首相の事件後、旧統一教会の問題がフォーカスされていますが、もう一つ、是非が大きな議論となっているのが安倍元首相の国葬。マスメディアだけでなく、SNSでも意見発信や議論がなされています。

<picture>「他の人もやってるじゃないか」は通用しない</picture>

  「他の人もやってるじゃないか」は通用しない

 しかし、ネット上の発言の注目度を上げる目的でなされた単なるツイートであっても、その発言の内容が行き過ぎると、当然刑事事件にもなってしまいます。

 今月24日、千葉県の男性が行った政権批判ともとれるツイートが偽計業務妨害罪にあたるとして書類送検されたという報道がなされました。被疑者の男性は「もし国葬を実施したら次は岸田だ。手作り銃をそろそろ作り始めてください。練習するときは国会議員でいい。安倍晋三の国葬に反対します」などとツイートしたとのことです。

 このツイートは、国葬反対の体裁でなされたものではありますが、その内容は安倍元首相を死亡させたのと同様の手作り銃を作り、岸田首相を狙撃するようあおる内容ですし、さらにその練習台として他の国会議員への狙撃をもあおる内容となっています。現に被疑者も「手製拳銃を作れる人に対するあおりの意味で投稿した」旨を認めています。

 偽計業務妨害罪にいう「偽計」とは、簡単にいうと、業務の妨害を隠密に陰湿な方法で行った場合をいいます。本件では、岸田首相やその他の国会議員の警備体制強化や情報収集などの対応を余儀なくさせ、不要な警察業務を増やしたということで、偽計業務妨害罪に問われることとなったものだと思われます。

 表現の自由があるとはいえ、国民を不安にさせ、または国家権力や民間企業に不要な業務や負担を課すことは許されません。確かに、この被疑者男性と同じような内容やもっと過激なツイートをしている人も目にしたことがあります。今回の立件は、それらに対する牽制という趣旨もあるのでしょうけれども、いざ逮捕される段階で「他の人もやってるじゃないか」という理屈は通じません。

 飲酒をしている際や、夜中など、勢いづいている状況でツイートしてしまうと、思わぬ勇み足をしてしまっているかもしれませんので、気をつけてください。

髙橋裕樹
著者のコラム一覧
 ■髙橋裕樹 弁護士

 「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・話題・連載「表と裏」の法律知識】  2022年08月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:安倍氏の国葬 理解なき強行分断招く

2022-08-28 05:16:20 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【社説①】:安倍氏の国葬 理解なき強行分断招く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:安倍氏の国葬 理解なき強行分断招く 

 政府はきのうの閣議で、来月27日に実施する安倍晋三元首相の国葬の費用として、2022年度予算の一般予備費から約2億5千万円を支出すると決めた。

 国葬当日に各府省や関係機関に弔意表明を求める閣議了解は行わない。国葬が弔意の強制につながりかねないとの批判を踏まえたのだろう。

 岸田文雄首相は、安倍氏の首相在任期間が憲政史上最長にわたり、外国から高く評価されているなどを理由に、敬意と弔意を国全体で表す国葬が適当と説明する。

 国の公式行事として、国民の税金が原資である公費で開催費用の全額を賄うのなら、国民に弔意を強いていると受け止められても仕方あるまい。

 賛否が割れる儀式を強行すれば、政府が一方に肩入れするに等しく、国民の分断を招きかねない。首相は国会などで納得のいく説明を尽くさなければならない。

 今回支出を決めた費用は、会場となる日本武道館(東京)の設営費と借り上げ料だ。会場周辺の警備費などは含まれていない。国葬全体に支出される国費は、さらに膨らむとみられる。

 政府は新型コロナウイルス対策に充てるとして、予備費を積み増してきた。国葬の設営費にコロナ対策が含まれるとはいえ、法的根拠もない儀式に巨額の予備費を投じることに疑問を禁じ得ない。

 予備費は事前に使途が決まっておらず、執行には国会審議を経るべきだ。政府は閉会中審査で対応する構えだが、短時間の質疑では実のある議論になりにくい。

 共同通信の今月の調査では、国葬が適当との首相の説明に「納得できない」とする回答が半数を超えていた。

 野党が求める臨時国会を早期に召集し、予算委員会で費用だけでなく、国葬とする基準などについても徹底的に議論するのが筋だ。

 戦後の首相経験者で唯一の先例である1967年の吉田茂氏の国葬では、政府が官庁に弔旗掲揚や黙とうなどを求めることを閣議了解した。

 2020年の中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬などでも、同様の対応を取っており、閣議了解を見送るのは異例という。

 ただ、各府省で個別に黙とうなどを実施することは否定しておらず、小手先のごまかしというほかない。

 国葬という形式そのものが疑問視されていることを政府は認識する必要がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年08月27日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:ドンが去った政界

2022-08-28 05:16:10 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【卓上四季】:ドンが去った政界

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:ドンが去った政界

 1992年夏。7月の参院選で自民党が勝利して政局は安定し、宮沢喜一首相は計約20日間の夏休みを取った。弛緩(しかん)ムードの永田町を震撼(しんかん)させたのが東京佐川急便から金丸信氏への5億円ヤミ献金発覚だった。8月27日、最大派閥の竹下派会長で「政界のドン」と呼ばれていた金丸氏は党副総裁を辞任した

 ▼派内で金丸氏の後ろ盾を得ていた小沢一郎氏への反発も噴出し、翌年の自民分裂から非自民政権へと政治は激動と混迷の時代に突入する

 ▼政治記者経験もある筑紫哲也さんは自民党長期政権の政界をこう評した。「テーマ変われど主(ぬし)変わらず(略)。切っても切っても同じ顔が出てくる金太郎飴のような世界」(「メディアの海を漂流して」朝日文庫)。同じ顔が去って歴史は動いた▼

 この10年間、政治のど真ん中にいた顔は安倍晋三氏だ。非業の死で最大派閥・安倍派の行方や党の権力構造の変化が注目される

 ▼岸田文雄首相は参院選に勝利し、来週コロナ感染の自宅療養を終える予定だが「好事魔多し」は派閥の大先輩の宮沢氏から学ぶべき教訓だろう

 ▼旧統一教会と自民党の不透明な関係や過去最多の死者数を記録したコロナ第7波、安倍氏「国葬」への世論の反対などの深刻な課題を抱え、支持率は急落した。野党が求める臨時国会の早期召集には応じる気配も見せず緊張感を欠いたままだ。間もなく9月、永田町の夏休みは長すぎる。2022・8・27

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2022年08月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:安倍氏国葬に 内外の悼む声を踏まえた判断

2022-08-28 05:15:20 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【社説①】:安倍氏国葬に 内外の悼む声を踏まえた判断

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:安倍氏国葬に 内外の悼む声を踏まえた判断

 元首相が演説中に銃撃された衝撃の大きさや、内外の多くの人々が死を悼んでいることを踏まえた判断なのだろう。静かに見送りたい。 

 政府は、安倍元首相の葬儀について、今年秋に「国葬」の形で行うと決めた。岸田首相は記者会見で、国葬とすることで「民主主義を断固として守り抜く決意を示していく」と述べた。

 首相経験者を国葬の形で弔うのは、1967年の吉田茂氏以来で、戦後では2例目だ。葬儀費用は、国が全額を負担する。

 首相経験者の葬儀の形式に、法律上の規定はない。

 佐藤栄作氏の場合、内閣と自民党、国民の有志が費用を分担し、「国民葬」が行われた。近年は、2020年の中曽根康弘氏の葬儀のように、内閣と党による「合同葬」が増えた。中曽根氏の際には約2億円を国と党が折半した。

 外務省によると、安倍氏に対しては、260か国・地域・機関から、1700件以上の弔意が寄せられているという。半旗を掲げた国や組織は数え切れない。

 安倍氏が数年前まで、首相として外交の最前線に立っていたことも影響しているのだろう。

 国葬には、海外の多くの首脳や要人が出席する見通しだ。外交上も重要な場となる。国家的行事として、責任を持って執り行おうという政府の姿勢は理解できる。

 安倍氏が銃撃された奈良市の現場では、今も花を手向ける人が後を絶たない。東京都内で行われた通夜と葬儀には、多くの一般の人たちが詰めかけた。

 国葬という最高の形式に、異論がある人もいよう。だが、不慮の死を遂げた元首相の追悼方法を巡って日本国内が論争となれば、国際社会にどう映るか。そんな事態を、遺族も望んではいまい。

 政府は、不必要な混乱を招かないよう、国葬の規模や運営方法などについて、丁寧に説明を尽くしてもらいたい。支出の透明性を確保することも大切だ。

 文部科学省はこれまで、首相経験者の葬儀にあたっては、国立大学などに対し、弔意の表明を求める通知を出してきた。教育関係者などからは「強制すべきではない」と反対する声が出ていた。

 通知に強制の意図はないのだろうが、無用な反発を招くような措置をとることもなかろう。

 今回の銃撃事件が、戦後史に残る警察の不手際であることは、隠しようがない。国葬でのミスは許されない。政府は万全の警備・警護体制を確立すべきだ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年07月16日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【晴川雨読】:安倍元首相の国葬についての社説での意見

2022-08-28 05:15:10 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【晴川雨読】:安倍元首相の国葬についての社説での意見

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【晴川雨読】:安倍元首相の国葬についての社説での意見

 安倍元首相の国葬を行うことになったが、それに関する社説をまとめました。

安倍元首相の国葬についての社説での意見
 朝日新聞は国葬に関して社説を出していないが、以下の川柳を選んだことから、どのような意見かはわかりますね。
朝日川柳 西木空人選

 しんぶん赤旗も「主張」で記事出していないが、志位委員長が反対しているので、赤旗も反対ですね。

 国葬が法律に書かれていないから国庫支出はおかしいと反対しているところがありますが、そんなもの幾らでもあります。
例えば外国人への生活保護。
法律・閣議決定・政令・省令のいずれにも書かれておらず、単なる通知があるだけです。

 ※2022/7/20 中国新聞/朝日新聞/東京新聞/しんぶん赤旗/神戸新聞 を追加。
 案の定、朝日新聞・しんぶん赤旗は国葬に反対でした。
 ※2022/7/22 高知新聞・社会新報・河北新報・南日本新聞を追加
 社会新報(社民党)はさすがぶっ飛んでますね

 ◆社説一覧

新聞 社説
要約
京都新聞 安倍氏の国葬 法の根拠がなく疑問だ
国民の賛否は分かれるのではないか。岸田文雄首相は、参院選の街頭演説中に銃撃されて死去した安倍晋三元首相の「国葬」を今秋に行う方針を発表した。
中曽根氏の合同葬の際には、文部科学省が全国の国立大などに弔意を表明するよう求める通知を出し、問題となった。今回も弔意を国民に押しつけるようなことはあってはならない。
信濃毎日新聞 安倍氏国葬に 特例扱いは納得がいかぬ
安倍晋三元首相の国葬が、この秋に営まれることになった。岸田文雄首相が会見で明らかにした。
なぜ、慣例を破って国葬にしなくてはならないのか。岸田首相の説明では納得がいかない。
北海道新聞 安倍氏「国葬」 幅広い理解得られるか
岸田文雄首相は、参院選の遊説中に銃撃されて死亡した自民党の安倍晋三元首相の「国葬」を秋に行うと表明した。戦後の首相経験者の国葬は、1967年の吉田茂氏に続き2人目となり、極めて異例だ。
政治家の評価は称賛一辺倒ではあり得ない。国会で国葬を行う基準の明確化や経費負担のあり方を議論するとともに、安倍政権の功罪を検証し、今後の政策に生かしていくことが大事である。
新潟日報 安倍元首相「国葬」 納得のいく説明が必要だ
異例の対応に国民から賛否の声が出ている。政府には納得のいく説明が求められる。
安倍氏の負の側面に向き合わず、ふたをしてしまうことにつながらないか。言論の自由と民主主義を守る意義をもう一度確認したい。
毎日新聞 安倍元首相の「国葬」 国民の思い尊重する形に
街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の葬儀が「国葬」として今秋に実施される。岸田文雄首相が記者会見で発表した。
大切なのは遺族の意向にも配慮し、静かに見送れる環境を整えることだ。さまざまな国民の思いを尊重し、世論の分断を招かぬよう丁寧に進めなければならない。
琉球新報 安倍元首相「国葬」 内心の自由に抵触する
岸田文雄首相が、街頭演説中に銃撃を受けて死去した安倍晋三元首相の「国葬」を9月に実施すると発表した。史上最長の在任期間、国際社会からの高い評価、国内外から追悼の意が寄せられていることを理由として挙げたが、全く納得できない。
銃撃は民主主義への挑戦であり、今求められることは民主主義の精神を守ることだ。「国葬令」が失効した歴史をかみしめるべきである。
西日本新聞 安倍氏の国葬 首相は国民に説明尽くせ
参院選の街頭演説中に銃撃を受けて亡くなった安倍晋三元首相の「国葬」を秋に行うと岸田文雄首相が発表した。戦後、首相経験者の国葬は吉田茂氏しか例がない。
一昨年の中曽根康弘氏のときは、国と党で折半した約1億9千万円の経費が議論になった。国費を使う以上は適正規模や形式についても熟慮してもらいたい。
読売新聞 安倍氏国葬に 内外の悼む声を踏まえた判断
元首相が演説中に銃撃された衝撃の大きさや、内外の多くの人々が死を悼んでいることを踏まえた判断なのだろう。静かに見送りたい。
国葬でのミスは許されない。政府は万全の警備・警護体制を確立すべきだ。
世界日報 安倍氏国葬 吉田茂元首相に劣らぬ功績
岸田文雄首相は、参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相を追悼する「国葬」を今秋行うと発表した。戦後では、1967年の吉田茂元首相以来2例目となる。
今回の事件で警護の不備が明らかとなったが、その点が最も心配されるところだ。問題点を早急に洗い出し、要人警護、セキュリティーに万全を期して臨みたい。
沖縄タイムス [安倍氏の国葬]異例の扱い 疑問が残る
岸田文雄首相が、安倍晋三元首相の「国葬」を営むと発表した。遊説中だった安倍氏が凶弾に倒れた事件は、国内外に衝撃を与えた。
喪に服すも、服さないも個人の自由である。政府はそのことを重んじるべきだ。
中国新聞 安倍元首相の「国葬」 決定の理由、説明足りぬ
参院選の街頭演説中に銃撃されて死去した安倍晋三元首相の「国葬」を秋に行うと岸田文雄首相が発表した。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂氏以来となる。
にもかかわらず再び閣議決定だけで済ませるのは国会軽視と言わざるを得ない。国権の最高機関である国会の意見もしっかり聞くべきである。
しんぶん赤旗 安倍元首相の国葬/国を挙げての礼賛許されない
参院選中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を秋に実施するとした岸田文雄首相の方針に、疑問と批判が上がっています。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂氏以来です。
秋にはさらなる物価高騰で国民生活が苦しくなることが予想される中で、巨額な支出への疑問は尽きません。いま必要なのは、安倍元首相の8年8カ月の政治を事実に基づいて多面的に検証し、冷静な評価を行うことです。
朝日新聞 安倍氏を悼む 「国葬」に疑問と懸念
在任期間は憲政史上最長となったが、安倍元首相の業績には賛否両論がある。極めて異例の「国葬」という形式が、かえって社会の溝を広げ、政治指導者に対する冷静な評価を妨げはしないか。
国葬が政権の評価を定めるものでもない。自由な論評を許さぬ風潮が生まれれば、それこそ民主主義の危機である。
東京新聞 安倍氏「国葬」 国民の分断を懸念する
政府は、参院選の応援演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の国葬を今秋に行う方針だ。だが、反対論もある中で、なぜ国葬なのか、岸田文雄首相が説明を尽くしたとは言い難い。
故人への弔意の表し方は個人の信条に基づいて自由であるべきだが、他人に強いるべきではない。ましてや国葬となった場合、政府が国民に弔意を強制するようなことがあってはならない。
神戸新聞 安倍氏の国葬/国民への説明が不十分だ
岸田文雄首相は先週、参院選の街頭演説中に銃撃され亡くなった安倍晋三元首相の「国葬」を秋に実施すると発表した。極めて異例の扱いである。
何より弔意は国が求めたり、強要したりするものではない。政府は国葬にこだわらず、政治的な立場の違いを超えて元首相への哀悼を静かに表明できる場を再考すべきだ。
南日本新聞 [安倍元首相国葬] 根拠を明確にすべきだ
参院選の街頭演説中に銃撃され、死去した安倍晋三元首相の国葬実施を巡り賛否が分かれている。与党からは「功績、国際的な活躍を考えると国葬に値する」と賛同する声が上がる。
野党は閉会中審査の開催を求めている。国会で議論し、さまざまな疑念を解消してもらいたい。
高知新聞 【安倍氏の国葬】国民の納得へ説明足りぬ
参院選の街頭演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相について、岸田文雄首相が実施を表明した国葬の是非を巡る議論が噴出している。政府は9月27日に東京・日本武道館で行う方向で調整を進め、今週中にも閣議決定するようだ。
野党は国会での閉会中審査の開催を求めている。岸田首相には国葬の意義や基準を丁寧に説明し、国民の納得を得る責任がある。
日本経済新聞 広く国民の理解を得る国葬に
政府が安倍晋三元首相の国葬を9月27日に都内の日本武道館で行うと閣議決定した。内政や外交の実績を総合的に評価した判断は理解できるが、国内には国葬への慎重論もある。
岸田首相は葬儀委員長として国葬の意義を丁寧に説明し、透明性の高い運営方法を主導してほしい。それが時代に合った国葬のあり方を考える基準にもなる。
河北新報 安倍元首相「国葬」 性急な決断、「聞く力」どこへ
政府は参院選の遊説中に銃撃され、死亡した安倍晋三元首相の葬儀を「国葬」として9月27日に実施することをきょうにも閣議決定する。根拠となる法令がない中、慣例にもよらない異例の扱いだ。
民主主義を守り、実践する決意を示すのであれば、追悼の在り方を巡っても自由な議論が交わされなくてはなるまい。参院選で大勝した直後だからこそ、岸田首相にはより「聞く力」の真価が問われる局面だったはずだ。
社会新報 「国葬」に反対する ~憲法が保障する「内心の自由」に抵触する~
岸田文雄首相は7月14日、街頭演説中に銃撃で死去した安倍晋三元首相の国葬を9月に実施すると発表した。しかし、なぜ国葬なのか、全く理解できない。
さらに談話は、狙撃事件の背景にある、自民党と旧統一教会の関係の解明こそが求められると指摘している。まさにカルトと政界の癒着構造を徹底検証することが喫緊の課題だ。
信濃毎日新聞 安倍氏国葬決定 割れる民意は見ぬふりか
安倍晋三元首相の国葬は9月27日、都内の日本武道館で行う。岸田文雄政権がきのう、閣議決定した。
急拡大する新型コロナ感染が収束しているかどうかも気がかりだ。何より、十分な説明もないまま異論を封じれば、国民との間にしこりが残るに違いない。
北海道新聞 「国葬」閣議決定 弔意の強制にならぬか
政府はきのうの閣議で、参院選の遊説中に銃撃されて死亡した安倍晋三元首相の「国葬」を、9月27日に東京都千代田区の日本武道館で行うことを決めた。当日は休日にしない方針で、松野博一官房長官は「国民一人一人に喪に服することを求めるものではない」と強調した。
岸田文雄首相は「聞く耳」を掲げるが、国葬を求める保守派の声だけを聞いているのではないか。党内基盤の弱い首相が安倍氏の非業の死を政治利用していると見られても仕方あるまい。
山形新聞 安倍氏の「国葬」 分断回避へ説明尽くせ
政府は閣議で、参院選の応援演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を9月27日に行うと決めた。安倍氏は2度の首相在任期間中、強いリーダーシップでリーマン・ショックや東日本大震災などからの経済回復を先導、外交面でも日本の存在感を高めた。
安倍氏も同様で、国葬への反対や慎重論も、不祥事などの「影」の部分から派生している。こうした点を検証・改善し、多くの人が静かに追悼できる環境を整えるのが岸田首相の務めだろう。
東奥日報 分断回避へ説明尽くせ/安倍氏の国葬
政府は閣議で、参院選の応援演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を9月27日に行うと決めた。首相退任後も自民党の最大派閥の長として国政に影響力を発揮してきた安倍氏の無念さは察するにあまりあり、海外を含め元首相を悼む気持ちは共通している。
安倍氏も同様で、国葬への疑念も不祥事などの「影」の部分から派生している。国葬を営むにしても、岸田首相は安倍政治を検証し改善することで、民主主義への信頼度が強まると自覚すべきだ。
毎日新聞 安倍氏「国葬」を決定 なぜ国会説明しないのか
銃撃事件で死亡した安倍晋三元首相の「国葬」を9月27日に行うと、政府が閣議決定した。岸田文雄首相が先週、方針を発表して以来、賛否両論が噴出している。
日本の民主主義の基盤は、国民の代表で構成する国会である。国民の疑問に答えるには、政府が国会で説明し、議論することが欠かせない。
福井新聞 安倍氏の「国葬」 多くの賛同へ説明尽くせ
政府は、参院選の街頭演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を、9月27日に日本武道館で実施することを閣議決定した。国葬の費用は全額国費で賄われ、戦後の首相経験者では1967年の吉田茂元首相以来2例目となる。
自民党側は応じない構えだが、より多くの国民の賛同が欠かせないはずであり、国会で理解を得る努力が必要だろう。首相は「民主主義を断固として守り抜く」と訴えた以上、国葬賛成派と反対派の間で新たな分断、対立を生まぬよう説明を尽くすべきだ。
しんぶん赤旗 安倍氏国葬の決定/疑問や批判にこたえぬままか
街頭演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を9月27日に東京・日本武道館で行うことを岸田文雄政権が決定しました。安倍氏国葬の是非をめぐり世論は割れています。
安倍政治を国家として礼賛一色にする国葬を実施することは国民に新たな分断をもたらすことにしかなりません。国葬の中止を強く求めます。
静岡新聞 安倍元首相の国葬 国民の分断深めぬよう
政府は、参院選の応援演説中に凶弾に倒れた安倍晋三元首相の国葬を、9月27日に東京・日本武道館で開くと閣議決定した。理由を、①憲政史上最長の8年8カ月にわたり首相の重責を担った②外国首脳を含む国際社会から高い評価を受けている③突然の蛮行で亡くなり、国内外から幅広い追悼の意が寄せられている―などとした。
国葬によって政治的評価を事実上強制することになるという懸念も野党から出ている。国葬を理由に安倍氏の負の遺産といえる数々の問題にふたをすることがあってはならない。
茨城新聞 安倍氏の国葬 分断回避へ説明尽くせ
政府は閣議で、参院選の応援演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を9月27日に行うと決めた。首相退任後も自民党の最大派閥の長として国政に影響力を発揮してきた安倍氏の無念さは察するにあまりあり、海外を含め元首相を悼む気持ちは共通している。
安倍氏も同様で、国葬への疑念も不祥事などの「影」の部分から派生している。国葬を営むにしても、岸田首相は安倍政治を検証し改善することで、民主主義への信頼度が強まると自覚すべきだ。
山陰中央新報 安倍氏の国葬 分断回避へ説明尽くせ
政府は閣議で、参院選の応援演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を9月27日に行うと決めた。首相退任後も自民党の最大派閥の長として国政に影響力を発揮してきた安倍氏の無念さは察するにあまりあり、海外を含め元首相を悼む気持ちは共通している。
安倍氏も同様で、国葬への疑念も不祥事などの「影」の部分から派生している。国葬を営むにしても、岸田首相は安倍政治を検証し改善することで、民主主義への信頼度が強まると自覚すべきだ。
産経新聞 安倍元首相の国葬 野党の反対は理解できぬ
政府は、安倍晋三元首相の「国葬」(国葬儀)を9月27日に実施することを閣議決定した。首相経験者の国葬は、吉田茂元首相以来、55年ぶりで戦後2例目である。
国家に功績のあった人物を国葬で送るのは、諸外国では当たり前である。日本もそうあるべきだ。
宮崎日日新聞 安倍氏の国葬
政府は閣議で、参院選の応援演説中に銃撃され死去した安倍晋三元首相の国葬を9月27日に行うと決めた。首相退任後も自民党の最大派閥の長として国政に影響力を発揮した実績の一方で、国内には首相時代の政権運営に批判的な声がある。
安倍氏も同様で、国葬への疑念も不祥事などの「影」の部分から派生している。国葬を営むにしても、岸田首相は安倍政治を検証し改善することで、民主主義への信頼度が強まると自覚すべきだ。
朝日新聞 臨時国会 首相は「国葬」の説明を
政府が閣議決定した安倍元首相の「国葬」について、世論の賛否は割れたままである。社説は、極めて異例の追悼の形式が、社会の溝を広げ、政治家の業績に対する自由な論評を妨げる恐れを指摘した。
国民に危機意識を共有してもらうためにも、国会質疑を通じた発信は重要である。岸田政権は野党各党が求める十分な会期を確保して、一連の課題に真摯(しんし)に向き合うべきだ。
新潟日報 安倍氏国葬決定 国会で説明尽くすべきだ
幅広い国民の理解を得ようとする姿勢もなく強行することには疑念が募る。国会でしっかり説明し、議論を尽くすべきだ。
政府・与党は幅広い意見を取り入れた協調への道を進むべきだ。内向きの姿勢で国葬や追悼演説を実施すれば、国民の疑問はさらに深まりかねない。
西日本新聞 国葬の当否 臨時国会を議論の機会に
参院選後初の臨時国会が8月3日に召集される。街頭演説中に銃撃されて亡くなった安倍晋三元首相の国葬について国民に説明する機会であるはずなのに、政府、与党の及び腰な姿勢は理解に苦しむ。
参院選を受けた臨時国会は参院の正副議長選出などが中心で、会期は通常数日間だ。与党側は今回も3日間とする方針だが、そ...。
信濃毎日新聞 安倍氏の国葬 服喪の強要にならないか
国民一人一人に喪に服すことを求めるものではない―。安倍晋三元首相の国葬について松野博一官房長官は繰り返し述べている。
かつて国葬は、ナショナリズムを高揚させ、国民を動員して戦時体制を強化する装置となったことを中央大の宮間純一教授は指摘している。その歴史にも目を据え、服喪の強要になりかねない国葬を問い直す必要がある。

 元稿:ブログ「晴川雨読」 主要ニュース 社説・解説・コラム【政局・安倍元首相の国葬についての社説での意見】  2022年07月18日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:説明なき「国葬」 これでは納得ができない

2022-08-28 05:14:50 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

《社説①》:説明なき「国葬」 これでは納得ができない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:説明なき「国葬」 これでは納得ができない

 このまま突き進んでは、国民の納得は到底得られない。

 政府が安倍晋三元首相の「国葬」の費用を全額国費で負担し、今年度の予備費から約2・5億円を支出することを決めた。

 自民党の首相経験者については内閣と党の合同葬が長年の慣例となっており、国葬は1967年の吉田茂元首相以来である。 

 しかし、疑問は募るばかりだ。

 毎日新聞の世論調査によると、「反対」が53%で、「賛成」は30%にとどまる。銃撃事件後、安倍氏と宗教団体・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との深い関係が明らかになったことが影響しているとみられる。

 そもそも国葬には、明確な法的根拠がない。

 政府は、内閣府設置法が定める「国の儀式」として行う方針だが、同法は皇室行事に適用されてきた。政治家の葬儀を対象にしたことはない。基準や内容の規定もなく、時の政権によって恣意(しい)的に運用されかねない。

 岸田文雄首相は国葬とする理由の一つに、安倍政権が憲政史上最長だったことを挙げた。だが、退陣間もない安倍氏への歴史的評価は定まっていない。

 評価や弔意の押しつけがあってはならない。弔意表明について、政府が、各自治体や教育委員会などに協力を求めない方針を決めたのは当然である。 

 首相は、各国首脳らとの「弔問外交」を展開したい考えだが、国葬でなくてもそれは可能だ。

 2000年に急逝した小渕恵三元首相の合同葬には、当時のクリントン米大統領や韓国の金大中(キムデジュン)大統領ら多くの首脳が参列し、個別の首脳会談も行われた。

  首相は国民の疑問に真摯(しんし)に答える姿勢を欠いている。

 「さまざまな機会を通じて丁寧に説明する」と言いながら、野党が求める臨時国会の早期召集に応じず、国葬に関する閉会中審査もまだ開かれていない。

 こうした状況下で国葬の準備をなし崩しに進めても、世論の分断を深めるだけだ。葬儀のあり方を含め、ふさわしい環境を整える責任は首相にある。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年08月27日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:安倍氏銃撃の検証結果 警護の失態反省し教訓に

2022-08-28 05:14:40 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

《社説①》:安倍氏銃撃の検証結果 警護の失態反省し教訓に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:安倍氏銃撃の検証結果 警護の失態反省し教訓に 

 安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件について、警護計画に明らかな不備があったとの検証結果を警察庁がまとめた。

 警察の失態は明白である。真摯(しんし)に反省し、今後の教訓にしなければならない。

 警護に当たった奈良県警の鬼塚友章本部長は減給の懲戒処分を受け、近く辞職する。警察トップの中村格(いたる)・警察庁長官も辞職を表明した。 

 報告書は「安倍氏後方の警戒に空白が生じていたため、事件を防げなかった」と結論づけた。

 安倍氏は当時、道路に囲まれた場所で演説していた。容疑者は背後から近づいたが、発砲まで気づかれなかった。

 近くでは、4人の警察官が警護していた。1人は後方の警戒に当たっていたが、現場の上司の指示で、聴衆のいる前や横にも注意を払っていた。 

 報告書は、そもそも計画に問題があったと認定した。背後を多くの車や歩行者が通り、警護上の危険があったにもかかわらず、見落とされたと指摘した。

 現場では約2週間前にも自民党の茂木敏充幹事長が演説したが、トラブルはなかったため、安易に警護態勢を踏襲したと批判した。 

 要人警護は原則として都道府県警が担ってきた。だが、地域によって頻度が異なるため、現場対応で差が生じる懸念がある。

 再発防止に向け、警察庁の関与を強める方針が示された。対象者の行動や場所などに応じた基準を設けた上で、事前に都道府県警から警護計画の報告を受け、チェックする仕組みを導入する。 

 体制も強化する。警察庁の担当部局を拡充するとともに、警視庁のSP(セキュリティーポリス)を増員し、各地に派遣する。

 一方で、行き過ぎた対応にならない配慮も大切だ。

 選挙では、政治家が有権者と触れ合う場面が多い。それが制約されれば、民主政治の活動に影響を与えかねない。

 政治家に批判的な人を排除することも起こり得る。警察による言論制限になってはならない。

 要人の安全確保は不断に見直していく必要がある。同時に、市民活動の自由とのバランスに目配りすることが不可欠だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年08月26日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:安倍氏国葬と学校 弔意を強要すべきでない

2022-08-28 05:14:30 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

《社説①》:安倍氏国葬と学校 弔意を強要すべきでない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:安倍氏国葬と学校 弔意を強要すべきでない

 学校は子どもの学びと人格形成の場である。政治的な価値観を押し付けるようなことがあってはならない。

 7月に行われた安倍晋三元首相の葬儀に合わせ、東京都や川崎市、福岡市など、各地の教育委員会が弔意を表す半旗の掲揚を学校に求めていた。実際に掲げたところもある。

 管理・指導する立場の教委は「強制はしていない」と説明するが、「指示」と受け止めた学校は少なくないだろう。 

 懸念されるのは、9月に予定される国葬に向けて、こうした動きが一層強まることだ。

 教育基本法は、学校における政治的中立性を確保するため「特定政党の支持や政治的活動」を禁じている。

 学校として特定の政治家への弔意を示すことは、これに抵触する可能性がある。

 弔意は本来、個人が自分の意思で示すものであり、憲法で保障されている子どもや教職員らの内心の自由が侵される恐れもある。

 1967年の吉田茂元首相の国葬では、自治体、企業、学校が黙とうや弔旗掲揚を行い、午後を休みとした。政府の要請に応えたものだった。 

 2年前には、中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬に合わせ、文部科学省が全国の国立大学に弔意表明を求める通知を出した。実際に弔旗を掲げた大学は少なくなかった。

 安倍氏の国葬について、学校や企業などに同様の要請をするかどうかをただした野党議員に対し、政府はこれまで「検討中」とだけ答えている。 

 今回の国葬実施を巡っては、世論が二分されている。

 毎日新聞の世論調査では、反対する人が53%と、賛成の30%を大きく上回った。

 安倍氏への銃撃事件後、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党の根深い関係が明らかになったことが影響しているとみられる。閣僚や党役員との接点が相次いで判明し、国民は不信感を募らせている。

 そうした中で、政府や自治体が弔意の表明を強要することになれば、社会の分断に学校を巻き込むことにもなりかねない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年08月24日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:臨時国会と「国葬」 会期延長し審議すべきだ

2022-08-28 05:14:20 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《社説①》:臨時国会と「国葬」 会期延長し審議すべきだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:臨時国会と「国葬」 会期延長し審議すべきだ

 いまだ国民の疑問に答える説明が政府からなされていない。銃撃事件で死亡した安倍晋三元首相の「国葬」を巡る問題である。

 参院選後初めての臨時国会がきょう召集される。参院の正副議長などを決めるだけで、質疑が行われないまま3日間で閉会する。

 本来なら国葬について、十分な時間を確保して審議を尽くすのが筋である。

 世論は割れている。共同通信の調査では、国葬に「反対」「どちらかといえば反対」が計53%に上り、「賛成」「どちらかといえば賛成」は計45%だった。

 そうした中、政府は実務者による「実行幹事会」を発足させ、早くも準備に着手している。

 自民党は国葬に関する閉会中審査には応じるという。ただ、時期について「骨格が見えてきた段階」と条件を付けている。

 これでは政府方針を追認するだけに終わりかねない。臨時国会の会期を延長し、速やかに審議を始めるべきだ。

 まず問われるのは、法律や基準がないまま閣議決定した手続きの妥当性である。「例外」として1967年に行われた吉田茂元首相の国葬の際にも、事前に国会に諮るべきだったとの批判が出た。 

 元首相が銃撃されるという重大事にもかかわらず、事件の経緯を政府は国会に説明していない。

 背景にあると指摘される宗教団体・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民の関係も、国会審議を通じて明らかにされなければならない。

 こうした疑問に答えないまま、自民は臨時国会で安倍氏の追悼演説を実施しようとした。野党が「国葬についての説明が先だ」と反発したことなどから先送りされたが、国葬ありきの姿勢が浮き彫りになった。 

 他にも国会で取り上げるべき課題は山積している。急拡大する新型コロナウイルスの感染「第7波」に、どう対処するのか。国民の暮らしを直撃する物価高への政府の対策は適切なのか。与野党で議論を深めるべきだ。

 国民の多様な声を吸い上げて政治に反映させるのが、国権の最高機関である国会の役割だ。政府が自らの都合で軽んじるようなことがあってはならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年08月03日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:安倍氏「国葬」を決定 なぜ国会説明しないのか

2022-08-28 05:14:10 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

《社説①》:安倍氏「国葬」を決定 なぜ国会説明しないのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:安倍氏「国葬」を決定 なぜ国会説明しないのか 

 銃撃事件で死亡した安倍晋三元首相の「国葬」を9月27日に行うと、政府が閣議決定した。

 岸田文雄首相が先週、方針を発表して以来、賛否両論が噴出している。だが、なぜ国葬なのか、説明が尽くされていない。

 共産党は「安倍氏の政治姿勢を国家として全面的に公認することになる」と反対し、立憲民主党や日本維新の会は国会で経緯と予算などを説明するよう求めている。

 NHKの世論調査では、国葬実施について「評価する」が49%だった一方、「評価しない」も38%に上った。

 自民党の茂木敏充幹事長は「国民から『国葬はいかがなものか』との指摘があるとは、私は認識していない」と述べた。異論に耳を傾けようとする姿勢が見えない。 

 今回の決定を巡ってはさまざまな疑問がある。

 まず、首相経験者の国葬に法的根拠がないにもかかわらず、国会に諮ることなく政府の独断で決めたことだ。

 1967年に行われた吉田茂元首相の国葬では、手続きが問題視された。当時の政権の判断に委ねる閣議決定だったことから、国会で法整備するのが筋だとの声が上がった。 

 75年の佐藤栄作元首相の葬儀では、法的根拠がないことを理由に国葬が見送られた。今回は内閣府設置法に記された「国の儀式」として行うというが、政治家の葬儀に適用されたことはない。

 弔意の示し方は個人の内心の問題だ。押し付けにつながらないかとの懸念もくすぶっている。

 吉田氏の国葬では、政府が官公庁などに黙とうを指示し、民間にもイベントなどの自粛を求めた。

 今回、松野博一官房長官は「国民一般に喪に服することを求めるものではない」と語った。学校や自治体、企業などに対する同調圧力が生まれないよう、配慮しなければならない。 

 首相は国葬とすることによって「暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示す」と強調している。

 日本の民主主義の基盤は、国民の代表で構成する国会である。国民の疑問に答えるには、政府が国会で説明し、議論することが欠かせない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年07月23日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:NPT会議決裂 露の専横が核軍縮遠のかせた

2022-08-28 05:03:55 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説①】:NPT会議決裂 露の専横が核軍縮遠のかせた

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:NPT会議決裂 露の専横が核軍縮遠のかせた

 核軍縮を進めるための国際規範に背を向けて、原子力発電所の軍事利用を正当化するのは、人類全体への敵対行為ではないか。ロシアの専横に強い怒りを禁じ得ない。 

 国連で1日から開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、全会一致で合意文書を採択することができず、決裂した。

 全ての責任は、議長が各国と調整して作った最終文書案に唯一、反対を表明したロシアにある。

 文書案は、ロシアが占拠しているウクライナ南部のザポリージャ原発について、ウクライナ当局が管理を確保する重要性を強調していた。原案はロシアに管理の回復を求めていたが、合意を得るために名指しの表現を削除した。

 こうした配慮にもかかわらず、ロシアは文書案の「政治的要素」を理由に反対を押し通した。現地情勢に関する国際社会の危機感を無視する独善は許しがたい。

 25日には、砲撃によるとみられる火災で、原子炉の稼働に必要な送電線が一時遮断されたという。露軍の戦術は、原発を「核の盾」として使い、原子力災害の恐怖をかきたてて占拠の既成事実化を図るものだ。卑劣きわまりない。

 国際原子力機関(IAEA)が現地に入り、原発の安全を管理する体制を作れるよう、国際社会はロシアに強く迫る必要がある。

 NPT会議は、核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用という条約の3本柱の推進を議論する場だ。前回2015年の会議に続く2回連続の決裂は初めてだ。

 ロシアの暴挙によって、冷戦終結後、核兵器が使われる可能性が最も高いと言われている状況下で、NPT体制の信頼性が傷つく結果となったのは遺憾である。

 ただ、ロシア一国の反対で決裂したからといって、NPT体制の存在価値や約4週間にわたる会議の意義が失われたわけではない。最終文書案には、核兵器の不使用の継続や、核兵器数を減少させる重要性が盛り込まれていた。

 核保有国と非核保有国が一堂に会し、共通の認識を形成する枠組みはNPTしかない。今回の会議に自ら出席した岸田首相は、「NPTを維持、強化していくことが核軍縮に向けた唯一の現実的取り組みだ」と強調した。

 ロシアに加え、中国も中距離弾道ミサイルなどの核戦力を増強するなど、情勢は厳しさを増している。日本は抑止力を整備しつつ、核兵器の非人道性を訴え続け、核軍縮を議論できる環境作りを粘り強く進めていかねばならない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年08月28日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:馬場維新代表 全国政党に脱皮できるのか

2022-08-28 05:03:50 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【社説②】:馬場維新代表 全国政党に脱皮できるのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:馬場維新代表 全国政党に脱皮できるのか

 野党の中で、日本維新の会の存在感は増しているが、党の足腰は心もとない。全国政党に脱皮できるのか、新代表の手腕が問われる。 

 維新の代表選で、馬場伸幸氏が新代表に選ばれた。長年、幹事長や共同代表として党を束ねてきた実績が評価されたのだろう。馬場氏は「次の国政選で野党第1党を目指す」と語った。

 代表選は、6年半以上にわたり代表を務めた松井一郎・大阪市長の辞任に伴い、2012年の結党以来初めて行われた。

 維新は大阪を拠点に、初代代表の橋下徹氏や松井氏といった個性の強いリーダーが率いてきた。今後、馬場氏が投票で選ばれた強みを生かし、どのように党を運営していくのか注目される。

 維新に対する国民の期待値は高まっている。読売新聞社と早稲田大学が共同実施した全国世論調査で、維新は「今後、自民党に対抗できる可能性があると思う野党」のトップに選ばれた。

 7月の参院選では、改選前から倍増となる12議席を獲得した。比例選の獲得議席は、野党第1党の立憲民主党を上回った。

 議員の定数削減や報酬カットなど「身を切る改革」のアピールに成功している面があろう。

 一方、維新の政策には、消費減税や教育の完全無償化といった大衆迎合色の濃いものも目立つ。

 政権を担う政党を目指すのであれば、経済政策全般に関する運営方針や、持続可能な社会保障制度のあり方など、より現実的で説得力のある提案が必要だ。

 維新にとって最大の課題は、全国に支持者を広げていくことだ。代表選の投票資格がある一般党員約1万9000人のうち、大阪府民が約6割を占めている。東京都民は1000人に満たない。

 全国各地に支持組織を作り、地道に政策を訴えていくといった努力を続けねばなるまい。

 国会議員と一般党員の投票を同じ1票として扱っている代表選の仕組みも、このままで良いのか。選挙で選ばれた国会議員と、一般党員を同一視するのは、国会議員によって国政を運営するという議院内閣制の原則になじまない。

 立民も人事を行い、泉代表の下、幹事長に岡田克也・元外相、政調会長に長妻昭・元厚生労働相をそれぞれ起用した。

 党勢の低迷から抜け出せず、民主党政権時代に要職を務めたベテランに頼らざるを得なくなったようだ。「先祖返り」のような体制で展望は開けるのか。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年08月28日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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