路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【HUNTER・10.08】:兵庫県・出直し知事選で問われる西村元経産相と維新の責任

2024-10-16 07:05:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER・10.08】:兵庫県・出直し知事選で問われる西村元経産相と維新の責任

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.08】:兵庫県・出直し知事選で問われる西村元経産相と維新の責任 

 兵庫県議会から全会一致で不信任決議を可決され、失職を余儀なくされた斎藤元彦前知事が、失職表明と同時に「出直し選挙」に出馬すると語った。10月27日に総選挙の投開票が予定される中、兵庫県知事選は10月31日告示され、11月17日に投開票となる。斎藤氏を知事の座に据えたのは自民党と日本維新の会だが、両党に反省するそぶりはない。

 ■「お友達」擁立の西村元経産に厳しい批判

 2021年の知事選で斎藤氏を推薦したのは自民党と日本維新の会だ。自民党側で、斎藤氏を引っ張り出したのは安倍派の元事務総長で裏金議員の西村康稔衆議院議員。党員資格停止1年の処分を受けており、総選挙では兵庫9区から無所属での出馬となる。自民党からの「刺客」はない模様だが、維新に加え立憲民主党も立候補者をたてる予定だという。

 斎藤前知事が失職を表明する前日の夜だった。旧安倍派のある衆議院議員がハンターの記者にこんなSNSのメッセージを見せてくれた。「西村は裏金でも責任を十分にとっていない。1年たって復党なんてありえない。それに、斎藤を自民党に連れてきた張本人だ」、「解散総選挙と知事選は同時期。自民党から知事選に候補を出さないわけにはいかない。裏金でボロボロになった自民党から出たいという人もいない。西村が出馬して、兵庫9区は不戦敗にすればいい。西村は責任を果たせ」――という内容だった。

 西村氏が斎藤知事を熱心に応援していたのは既報の通り。下の写真がすべてを物語る。西村氏の政党支部が斎藤氏に選挙資金として500万円を提供していたこともわかっている(既報)。このSNSは複数の議員にまわされ、斎藤氏の会見当日は、多くのメディアも知るところとなっていた。

 それを知ったのか、「西村さんは、言い訳ができるように代理の候補を用意していたそうです」と自民党の兵庫県議。それが元経産相の官僚で、兵庫県の産業労働部長を経験している中村稔氏だという。

 「中村氏は2021年の知事選でも『出たい』と西村さんに相談している。この2人は灘高校3年1組の同級生。大学も東大で同じなら、官僚としても経産省という同じ道を進んでいます。前回も知事選に出たいと中村は頼んでいたが、西村さんに人望がなく結局は維新が連れてきた斎藤となった。西村さんは責任問題が浮上すると急に中村の名前を出し、水面下でアピールするようになった。要は西村さんの責任逃れ。だから人望がないのです」(前出の兵庫県議)

 ちなみに中村氏は、人材派遣会社「パソナ」の顧問だったこともある。パソナは、本社機能の一部を兵庫県の淡路島に移転させ、多くの社員を異動させている。ハンターは、中村氏が「パソナ自慢」を語っている音声を入手。その中で同氏は、「淡路市に2,000人を勤務させているパソナは素晴らしい会社。私は顧問でした」と語っている。

 淡路島には三つの市があるが、パソナの関連施設があるのは、ほとんどが淡路市(既報2)。「淡路市にパソナが来てが、恩恵があるのは不動産や建築、リフォーム業者くらい」、「淡路市以外の2市は、パソナに来てほしくない。悪の島のように思われる」――そんな市民の声が度々寄せられる。淡路島のある市議は、次のように話して中村氏に拒否反応を示す。

 「中村が万が一知事になったら、淡路島が本格的に乗っ取られ、パソナ市になりかねません。普段は東京にいる中村氏が知事になりたいがため急に兵庫県に来ても無理でしょう。それに裏金議員の西村と同級生で、同じ経産省というのはあまりにイメージが悪く、どちらの選挙にとってもマイナスにしかならない。お友達二人で兵庫を牛耳るのは問題でしょう。そもそも、自民や維新に知事選の候補を擁立する資格があるのでしょうか」

 自民党兵庫県連はいったん、知事選には独自候補を出さないと決め公表した。しかし、解散総選挙が近いことで翻意を求められ再度、検討するというドタバタ劇だ。

 ■粗製乱造の果て

 一方、自民党ともに斎藤氏を推した維新は即効で見切りをつけ、清水貴之参議院議員を知事選に擁立することを決めた。清水氏は地元民放局のアナウンサーから参院議員に転身して現在2期目。解散総選挙では衆院にくら替えして兵庫8区から出馬予定だった。「不祥事の維新」と言われるほど、問題議員が多い維新の内情は何度もハンターで追及してきた通り。実績、知名度で有力視される清水氏だが、「政治とカネ」など問題を抱えており、地元での評判は芳しくない。

 2022年4月、神戸学院大学の上脇博之教授は清水氏と政治団体の会計責任者を神戸地検に刑事告発した。2017年に200万円、2020年に100万円を受け取りながら、政治資金収支報告書に記載しなかったという政治資金規正法違反の容疑だ。清水氏は政治資金収支報告書を訂正したこともあって、不起訴となっている模様だ。

 ハンターが入手した告発状によれば、「清水貴之後援会」は「日本の維新の会国会議員団」から2017年6月20日に100万円、同年9月29日に100万円の計200万円の寄附金を受領したにもかかわらず、兵庫県選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書に記載せず、同様に2020年12月10日に受領した100万円の寄附金も不記載にするなど虚偽の報告をしていたと断定。《2017年の計200万円は、裏金として支出された可能性が極めて高い。もし200万円が金融機関の口座を通じて受領していれば、会計責任者がそれを見逃すはずはないし、現金で受領していれば事務所の金庫で保管しているはずであるから会計責任者がそれを何年も見逃すはずはないからである》と厳しい言葉で指弾していた。

 維新の県議によると、斎藤氏の内部告発問題で想定される知事選で候補に挙がっていたのは、清水氏と掘井健智衆議院議員だったという。掘井氏についてはハンターでも既報の通り、斎藤氏を公益通報している元県民局長の個人情報を一般市民に漏らしたとして維新から「厳重注意」を受けている。「裏金」の清水氏、「情報漏えい」の掘井氏が知事選候補として有力だったというから維新の人材難は深刻だ。

 「斎藤のおかげで支持が激落ちしており、次の総選挙はやばそうというのがもっぱらです。大阪以外では、ほとんど衆議院議員がいなくなるという話さえ出ている」と話すのは兵庫県選出の維新国会議員。「粗製乱造」のツケが、大きくのしかかる現状だ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治・兵庫県・兵庫県議会から全会一致で不信任決議を可決され、失職を余儀なくされた斎藤元彦前知事が、失職表明と同時に「出直し選挙」に出馬すると語った】  2024年10月08日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・10.07】:石破新政権と大樹総研

2024-10-16 07:05:10 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【HUNTER・10.07】:石破新政権と大樹総研

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.07】:石破新政権と大樹総研 

 10月1日、石破茂氏が第102代内閣道理大臣に就任した。国会での首班指名前日、石破氏はまだ首相の座についていないにもかかわらず、「組閣に着手し、ただちに解散総選挙」と明言。その後、10月27日投開票が決まった。

 総裁選中は、「予算委員会など、国会論戦を経て解散総選挙」と話していた石破氏だったが、真逆の対応に「言うことと、やることが違いすぎる」、「首班指名も受けていない段階で、権限がないにもかかわらず解散総選挙を言い出す総理なんてはじめてだ」と自民党内からも批判があがる始末。橋下徹元大阪市長は、「嘘つき内閣」と突き放した。

 政治家の嘘は今に始まったことではないが、新政権の顔ぶれを見ると、疑惑の火種を抱えての船出であることが分かる。

 ■大樹総研の影

 ご祝儀相場での解散総選挙を狙ったのだろうが、総裁選を争った高市早苗氏は総務会長の打診を拒否。同氏を応援した旧安倍派の議員からは「高市さんとその側近らが総選挙で圧勝して国会に戻ってくれば、新党結成だといって党を割りかねない」と物騒な話が出る状況だ。波乱の船出である。

 新たに決まった閣僚や党幹部の顔ぶれを見た旧二階派のある議員は、「えらいメンバーが並んでいる。高笑いしているのはあの政商だろう」と話す。「政商」とは、令和のフィクサーとして名高い大樹総研の矢島義也氏のことを指す。

 確かに、矢島氏が2016年に東京都内のホテルで自身の「結婚を祝う会」を催した時の席次表をみれば一目瞭然。石破内閣の閣僚や党役員が「矢島人脈」と重なり合う。

 会の主賓としてメインテーブルに座ったのが、自民党副総裁についたキングメーカー菅義偉元首相。その隣が、総裁選に立候補した加藤勝信財務大臣で、同じテーブルには牧原秀樹法務大臣も。さらには、坂井学国家公安委員長、三原じゅん子子ども担当大臣、伊藤忠彦復興相の名前が確認できる。また、幹事長代行の福田達夫氏、安全保障担当として首相補佐官に起用された長島昭久氏の名前もある。

「菅さんはキングメーカーの定位置である副総裁に就任。自民党全体を牛耳ることができる立場になった。そして、加藤さんが内閣の中枢である財務大臣。捜査機関を管理・監督する法務省や国家公安委員長の名前もあり、霞が関官僚もずらりと並ぶ。矢島さんは、予算も、司法も、霞が関も抑えられる立場にあるということ。矢島さんが石破政権とがっちり手を握る基礎を築いていた格好だ」(大樹総研関係者)

 これまで報じてきたように、矢島氏はこれまで少なくとも2度、東京地検特捜部の強制捜査を受けている。検察にきわめて大きな影響力を行使できる法相に、結婚を祝う会に出ていた牧原氏の起用だ。また、安全保障担当の長島氏は、国の最重要機密を担当することになる。

 「牧原さんの起用は、検察を押さえたい矢島氏にとっては願ったりかなったりではないか。長島さんが矢島氏に頼まれ、安全保障関係の一端でも漏らせば一大事だ。そうした点について危惧する議員がけっこういます」(前の旧二階派議員)

 自民党より一足先に新代表を決めたのは、野党第一党の立憲民主党。選ばれたのは安定感のある野田佳彦氏だ。しかし、矢島氏の結婚を祝う会の席次表には、野田氏の名前もある。席次表には、当局に逮捕された複数の人物も含まれており、「いかにも矢島氏らしい怪しげなメンバー」と話す永田町関係者もいる。

 政官界に広がるフィクサー矢島氏の「人脈」。石破新政権にどのような影響を及ぼすのだろうか。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・政治とカネ・政局・自民党・石破新政権】  2024年10月07日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・10.03】:総裁選後の麻生太郎元総理、次の一手は・・・

2024-10-16 07:05:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【HUNTER・10.03】:総裁選後の麻生太郎元総理、次の一手は・・・

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.03】:総裁選後の麻生太郎元総理、次の一手は・・・ 

 「“石破は嫌い”で突っ走ったのが間違い。これで当面は反主流。冷や飯だ」と苦笑するのは麻生派の衆議院議員。自民党総裁選で、麻生派は麻生太郎氏の意向で1回目から多くの所属議員が高市早苗経済安保相に投票。決選投票では高市氏と同じ右寄り路線の小林鷹之前経済安保相の陣営も巻き込んで反石破に動いた。「麻生派から旧安倍派、旧茂木派にも高市でやってくれと頼んだ」いうその議員は、裏金事件で解消されたはずの派閥がうごめいたと証言する。注目されるのは、自民党唯一の派閥である麻生派の領袖、麻生元首相の動向である。

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衆院本会議に臨む自民党の麻生最高顧問(左)と菅副総裁(1日)

                ◆   ◆   ◆

 総裁選の最終盤、裏金事件で自民党からの離党勧告を受けた世耕弘成元参院幹事長や東京五輪疑惑で東京地検特捜部から事情聴取された森喜朗元首相まで高市氏支持で動いた。しかし、結果は決選投票で石破茂氏が勝利。反石破派は一敗地にまみれた。

 石破氏の推薦人だったある議員は、「旧派閥が動き出し、それに嫌気をさした議員がうちに入れてくれたことも勝因。石破総理の215票に対して、高市さんが194票。21票差というわずかな差を見てもよくわかる」と話す。

 総裁の座に最も近いとされていた小泉進次郎元環境相が予想外の3位に転落。前回、2021年の総裁選で2位だった河野太郎デジタル相も決選投票に残るにはほど遠い30票しかとれなかった。だが、小泉氏と河野氏、そして石破氏は「小石河連合」と呼ばれるほど良好な関係。決選投票でその関係が生きた。そこへ、菅義偉元首相が率いる「ガネーシャの会」や旧二階派の一部が加わり、石破票が積み上がった。

 旧茂木派からは、茂木敏充幹事長と加藤勝信元官房長官2人が出馬。しかし、同派の参議院の票の多くは石破氏に流れたという。「決選投票では、麻生さんを頼る茂木さんの票の一部が高市に流れたが、石破さんが旧茂木派だった青木一彦参議院議員を選対本部長代理につけたことで、うちの参議院議員の票は石破さんに流れた」(旧茂木派の参院議員)

 旧岸田派からは林芳正官房長官と上川陽子外相の2人が総裁選に出馬。「岸田首相は、自分が再選されれば石破さんを幹事長として取り込もうとしていた。それほど二人の関係は深い。旧岸田派は最後、ほぼ全員が石破氏に乗った。当然、岸田首相の号令があったからだ」(旧岸田派の衆議院議員)

 その結果、麻生氏の目論見は潰え、返り咲いた菅氏とともに新たなキングメーカーとして岸田文雄首相が名乗りをあげたという構図だ。

 石破内閣のメンツを見ると、麻生派の浅尾慶一郎参議院議員が入閣。また石破氏に総裁選で敗れた高市氏が総務会長を固辞したことで、麻生氏の義弟である鈴木俊一財務相にそのポストがあてられた。麻生派を離れ、石破氏の選対本部長となっていた岩屋毅氏が外務大臣に起用されている。

 「浅尾が入って、鈴木さんも財務相から幹事長に次ぐ総務会長。悪くない。うちと同じように非主流派になった旧安倍派だけが、裏金事件もあって閣僚ゼロ。うちは冷遇されかねないと思っていたから、旧安倍派よりマシだと思うよ」と前出の麻生派議員は言う。

 最高顧問に祭り上げられた麻生氏は総裁選直後、周囲に「どうなっているんだ」「なんで石破が勝つんだ」と漏らし、不機嫌さを隠さなかったという。麻生氏は84歳という年齢。10月27日に投開票される解散総選挙には出馬しないのではないかという見方もあるが、このまま引き下がるとは思えない。敗れたとはいえ、最後に麻生氏が支持した高市氏と石破氏の票差はわずか。党員票では石破氏を上回ったのも事実だ。裏を返せば、自民党の半分近くを握っている形なのだ。次の一手を打ってくる可能性は十分にある。

 岸田氏は裏金事件で自ら派閥を解消し、総裁選にも「責任をとる」として出馬しなかった。だが、麻生氏は派閥を維持し、総裁選でもその力を背景に高市氏に乗った。自民党の古参議員は次のように話している。

 「麻生さんは、『茂木は高市に乗ったのに』と石破支持にまわった岸田さんにはカンカンだそうです。ですが、岸田さんから見れば勝ち馬に乗ることが一番。麻生さんや麻生派がどうなろうが関係ない。最後の最後、岸田さんは麻生さんを切って、引導を渡した。キングメーカーではなくななったことで麻生さんの影響力が落ちたのは確かでしょう。ただし、麻生さんがいなくなれば、総裁選でぼろ負けしたこともあり河野が派閥を継承するのは無理。このままなら麻生派も自然消滅でしょう。麻生さんが黙って引っ込むとは思えないが……」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース・政局・自民党・石破新政権】  2024年10月03日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・10.15】:【怒れ!田川市民】:永原譲二大任町長、またしても「ごみ処理」盾に田川市攻撃|郡内の首長らまで同調

2024-10-16 05:20:50 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER・10.15】:【怒れ!田川市民】:永原譲二大任町長、またしても「ごみ処理」盾に田川市攻撃|郡内の首長らまで同調

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.15】:【怒れ!田川市民】:永原譲二大任町長、またしても「ごみ処理」盾に田川市攻撃|郡内の首長らまで同調 

 正気の沙汰とは思えない。田川市・郡の8市町村で構成する「田川郡東部環境衛生施設組合」が進めるごみ処理施設の整備事業を巡り、同組合が「家庭ごみの処理ができなくなりました」とする根拠不明の文書を田川市内の行政区長らに発出。11日には田川市長を除く大任町、川崎町、糸田町、添田町、赤村、福智町、香春町の7人の首長がそろって会見し、組合規約の改正内容などに問題があるとして関連議案を否決した田川市議会の議員10名を一方的に攻撃した。

 市民生活に直結する「ごみ処理」を盾に強要や恫喝を繰り返す永原氏が主導した暴挙だとみられるが、行政を預かる者として当然やるべき対応を怠り、驕る独裁者の政治闘争に同調する町村長らの姿勢にも呆れるしかない。

 ■まるで「怪文書」

 行政機関が作成した公文書で、これほど不見識かつ非常識なものは見たことも聞いたこともない。行政文書ではなく政治的な意味合いの強い「怪文書」と言うべきだろう。この文書の内容が認められない主な理由は三つだ。

【理由その1】示されぬ「根拠」

 田川市郡8市町村が整備を進めているのは、汚泥再生処理センター(し尿処理施設)、ごみ処理施設、最終処分場の3施設。各施設の建設工事などに関する事案は一部事務組合「田川郡東部環境衛生施設組合」が、し尿処理施設「田川地区クリーンセンター」の管理・運営は一部事務組合「田川地区広域環境衛生施設組合」が所管している。

 今回、田川郡東部環境衛生施設組合が“政争の具”に利用したのは、来年春に予定されるごみ処理施設の稼動に伴って必要となる「規約」の改正に待ったをかけた田川市議会の対応だ。簡単に述べれば、組合側が提案した規約の改正案を田川市議会が否決したため、来年4月からの予定だった田川市・郡のごみ処理ができなくなったという主張である。

 否決に回った10人の市議の氏名まで明示し、この10人と組合側の意向を受けた形で議案を提案した村上卓哉市長まで批判するというデタラメな内容。しかし、この文書にはもちろん、7名の郡内首長らが記者会見した場でも、規約の改正案を否決したことによって来年4月からごみ処理ができなくなるという「根拠」は一切示されていない。

 一体なぜごみ処理ができなくなるのか?会見の模様を報じたテレビのニュースや新聞報道をながめてみたが、いずれの記事にも「根拠」は示されておらず、議案否決でごみ処理開始の時期が不透明になったという論調ばかり。記者たちの能力に問題があるのかもしれないが、読者や視聴者が一番知りたいはずの「ごみ処理不能になる根拠」はいまだに示されていない。田川市議会の議員たちでさえ、事前に「ごみ処理不能」という事態が起こり得ることを知らされておらず、議案否決後、唐突に永原氏らが騒ぎ出したというのが実情だ。

 そもそも、9月議会で規約の改正案が否決された場合、ごみ処理施設の稼動に間に合わなくなるという極端なスケジュールで事を進めてきたのは組合側。十分な議論の時間をとらせようとしなかった責任は、組合長である永原氏にある。

【理由その2】行政の不作為

 地方公共団体である一部事務組合は「行政機関」。つまり、田川地区広域環境衛生施設組合も行政機関なのだ。ここで行政の在るべき姿や義務について考えてみれば、上掲の「怪文書」を発出し、会見まで開いて口汚く田川市議らをののしった永原氏以下の首長らの行為は、「行政の不作為」を証明する暴挙に過ぎない。

 行政はこの国最大のサービス業だが、運営原資は国民の税金だ。住民の暮らしに悪影響が出なるようなトラブルが発生した場合、その解決に全力を尽くすのが行政機関の役割であることは言うまでもない。住民の不利益を回避させるのは、それぞれの自治体、さらにはそれらで構成する一部事務組合の義務なのだ。しかし、永原氏以下の首長らは、当然果たすべき義務を放棄し、議案否決と同時に政治的な行動に走った。不作為の罪を負うべきは、永原氏ら7人の首長と組合であると断言しておく。

 組合議会は永原氏に追従する地方議員ばかりであることから、今後、組合挙げて田川市を攻撃してくることが予想される。しかし、行政が提起した議案に疑義がある以上、待ったをかけるのは議会の使命。田川市議会は、何も間違ってはいない。

 会見で見解を述べた首長らの発言をテレビのニュース番組で確認した。前述した「根拠」については言及した首長は一人もおらず、議案を否決した市議らの行為を非難しただけだ。「田川は一つという思いで協議を進めてきた。それをこの期に及んで否定するなんてやってることがまったく逆」(森下博輝糸田町長)、「これまで関わってきた関係者、特に苦汁の選択をした町民に対して愚弄する行為」(鶴我繁和香春町長)、「ごみが焼却できなくなるといかに地域の人たちが不安になる。このこと自体が大きな問題」(原口正弘川崎町長)――日本語の使い方がおかしいことは置いておくとして、“そう言うあなたたちは、ごみ処理施設建設を巡る疑惑の解明や、議案の早期可決に向けて、なにか努力したのか”と問うておきたい。

 重ねて述べる。規約改正案の否決を受けて、行政機関である組合側がまずやるべきことは、事業の停滞によって住民の暮らしに悪影響が出ないよう田川市や市議らに働き掛けることだ。それを飛ばしていきなり理不尽な批判を展開するのは、首謀者に別の意図があるからに他なるまい。

【理由その3】愚弄された田川市民と市議会

 日本は、議会制民主主義という政治形態によって成り立っている。田川市議会の議員たちは、田川市民が選挙によって選んだ代表者だ。議会=田川市民と言っても過言ではない。その田川の市議会の本会議において、賛成多数で議決された内容に、よその自治体の首長がケチをつけ、怪文書まがいの「お知らせ」や会見で田川市議を攻撃することが許されるとは思えない。

 永原氏ら7人の首長は、「ごみ処理」という暮らしに直結する行政課題を道具に田川市民を扇動したわけだが、明らかな越権行為であり、「自治」の否定だ。香春町長は議案否決を「愚弄する行為」と言ったが、田川市議会と市民を愚弄しているのは7人の首長なのである。筋違いの主張であることが理解できないのであれば、永原氏以外の首長にも政治家としての資格はない。地方自治について勉強し直すことをお勧めする。「二元代表制」という言葉ぐらいは知っていると思うが……。

 ■恫喝の道具になった「ごみ処理」

 永原氏は、田川郡東部環境衛生施設組合の組合長という立場を利用して、昨年の田川市長選挙で義弟の二場公人氏を破った村上卓哉市長を目の敵にしてきた。昨年6月、ごみ処理施設関連文書の情報公開の件で田川市役所を訪れた永原町長は、自身が発出した文書を「非開示」にするよう村上市長に要求。首を縦に振らない村上市長に対し、「(田川郡東部環境衛生施設組合の)議会から出ていけばいい。いやなら自分たちで(ごみ処理施設を)建てりゃいい」、「あんた方には協力せん」、「こんなことしとったら、あんた、4年間もたんよ」などと脅した。関係者に対する発言という形で、「お前たち、覚悟しとけよ。田川市との連携すべて破棄するぞ」というヤクザ顔負けの脅し文句を述べていたことも分かっている。

 さらに今年3月、田川郡東部環境衛生施設組合の会議の席上、組合長を務める永原譲二大任町長が些細なことに難癖をつけ、田川市の村上卓哉市長と同市の課長に土下座を強要。永原氏に同調する組合議員らも荒い言葉で土下座を求めたため、課長を庇った村上市長が土下座する事態となっていた。

 そして今回、またしても「ごみ処理」の問題を利用し、議員として当たり前の動きをした市議らを悪者に仕立てるという悪辣さだ。自分の言うことをきく首長をズラリと並べて騒ぎ立てる様は、まるで総会屋。企業舎弟からのし上がった永原氏らしいパフォーマンスだった。

 ちなみに、田川市議会が組合の規約改正を否決したのは、極めてまっとうな理由によるものだ。田川市民も他の自治体の住民も、肯かざるを得ないだろう。その点については、次週の配信記事で詳細を報じる。

 最後に重ねて述べる。地域住民の不利益を回避するのは行政の役目。ごみ処理施設整備事業に問題が生じたとして、それを解決に導くのが、行政機関である田川郡東部環境衛生施設組合のトップ、永原譲二大任町長の役目なのである。永原さん、あなたは責任を果たしていない!

 <中願寺純則>

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治・福岡県田川市・郡の8市町村で構成する「田川郡東部環境衛生施設組合」が進めるごみ処理施設の整備事業】  2024年10月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・10.04】:【疑惑拡大!】:田川市・ごみ収集業者選定プロポーザルに新事実|審査委員の元総務部長も早雲商事ゴルフコンペ参加

2024-10-16 05:20:40 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER・10.04】:【疑惑拡大!】:田川市・ごみ収集業者選定プロポーザルに新事実|審査委員の元総務部長も早雲商事ゴルフコンペ参加

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.04】:【疑惑拡大!】:田川市・ごみ収集業者選定プロポーザルに新事実|審査委員の元総務部長も早雲商事ゴルフコンペ参加

 次々に不正を疑わせる事実が明らかとなり2度目の百条委員会設置となった福岡県田川市の「一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託」業者選定プロポーザルを巡り、複数の関係者の証言から、審査委員を務めた市の元総務部長が昨年4月、受注企業である「早雲商事」(田川市)の「第2回早雲商事ゴルフコンぺ」に参加していたことが分かった。

 同社が2022年に開いたゴルフコンペには、事業を所管する環境対策課(現在は環境政策課)の課長でプロポーザルの審査委員を務めた池口芳幸氏(9月から大任町職員)も参加していたことが判明しており、5人いた審査委員の内2人が落札業者と深い関係だったことになる。

 審査の結果、A、B、Cの3工区のうち、AとBを早雲商事が落札(その後、早雲商事がA工区の受注を辞退し、選定2位のクリーン北部九州が繰り上げ受注)。ハンターの調べで、強く不正が疑われる審査過程だったことも明らかになっており、「入札妨害」を視野に入れるべき事態と言えそうだ。

 ■選定委員の課長と部長、選定業者と親密関係

 田川郡内のゴルフ場において問題のイベント「早雲商事第2回ゴルフコンぺ」が開かれたのは昨年の4月30日。参加が確認されたのは、2021年6月に実施された「一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託」業者選定プロポーザルで審査委員を務めていた盛坪達人教育部長。プロポーザルが行われた当時は市総務部長の要職にあった。

 盛坪氏の組のスタート時間は「8時26分」。同33分スタートの組には池口氏の名前が記載されているが、当日は不参加だったという。

 盛坪氏は、早雲商事の代表者と地元高校の同窓生。盛坪氏自身が、早雲商事代表ら同窓生と開いた飲み会の模様を何度もフェイスブックに投稿していた。(*下が投稿された画像の一つ。日付と赤い書き込みはハンター編集部)

 “プロポーザルの採点で、親しい早雲商事の点数に下駄をはかせたのではないか”――2022年6月に「飲み会」を通じた関係についてのハンターの取材に答えた盛坪氏は、早雲商事の代表者と同窓であることや上掲の画像が同窓生らの集まりであることは認めたが、「(不正は)やっていない。最近は(早雲商事の代表者と)会っていない」として疑惑を否定。プロポーザルの審査委員を務めていたかどうかについては、当時の二場公人市長のもとで審査委員名簿の開示が拒否されていたため「審査委員の名簿を非開示にしているため、私が委員だったかどうかも含めてお答えできない」と回答していた。

 ところが、昨年4月の市長選で3期目を目指した二場公人前市長が、情報公開の徹底を掲げた村上卓哉氏に敗れたことで情勢が一変。プロポーザル審査の際の審査委員の採点文書=「個票」や、審査委員が特定できる文書などが一斉に開示されたことで、不正が疑われる採点実態や、審査委員に総務部長だった盛坪氏と担当課長だった池口氏が加わっていたことなどが明らかとなっていた。

 池口元課長が早雲商事のゴルフコンペ会場を予約し、コンペそのものに参加していたことも判明しており、5人いるプロポーザル審査委員のうち2人までが早雲商事と親密な関係にあったことになる。

 プロポーザル審査が終わった後のゴルフコンぺ参加であっても、利害関係にある市の委託業者と担当課長、部長級職員の筆頭者がゴルフに興じるのは極めて不適切。市民や他の業者がその現場を見れば、「癒着の証拠」としか思わないだろう。もちろん、採点の公平・公正が失われたのは確か。入札妨害を強く疑わざるを得ない事態だ。市が疑惑解明のため課長級で臨時雇用した元警察官の調査は、甘かったと言わざるを得ない。

 田川市議会は、問題のプロポーザルを巡る一連の疑惑を解明するため二度目となる百条委員会を設置。前回の百条委員会で非開示になっていた資料の提出を求めている状況だ。審査委員となった5人の幹部職員のうち2人までが、業者選定後も早雲商事と不適切な交際を続けていたという驚きの事実――。百条委の審議に影響を与えるのは必至で、二場市政時代の膿をどこまで出せるかに注目が集まりそうだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治・福岡県田川市・郡の8市町村で構成する「田川郡東部環境衛生施設組合」が進めるごみ処理施設の整備事業】  2024年10月04日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・10.09】:返ってきた「告訴・告発事件処理簿一覧表」|問われる鹿児島県警によるデータ削除の正当性

2024-10-16 05:15:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・10.09】:返ってきた「告訴・告発事件処理簿一覧表」|問われる鹿児島県警によるデータ削除の正当

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.09】:返ってきた「告訴・告発事件処理簿一覧表」|問われる鹿児島県警によるデータ削除の正当 

 ハンターへの内部告発を「情報漏洩」だと指弾し、告発によってもたらされた文書=「告訴・告発事件処理簿一覧表」(以下、「処理簿一覧表」のデータを削除した鹿児島県警。一方、同じ方向性で事件捜査にあたったはずの鹿児島地検は、プリントアウトされた10数枚の処理簿一覧表をそのまま返却してきた。任意であることを告知しなかった県警によるデータ削除の正当性が問われている。

                ◆   ◆   ◆

 今年4月8日、地方公務委員法違反事件の関係先としてハンターの事務所に家宅捜索(ガサ入れ)を行った鹿児島県警は、いったん押収したパソコンを返却する際、問題となった処理簿一覧表のデータを削除した。

 データ削除の理由は「流出すると大変なことになりますから」。削除に応じるか否かが「任意」であるとの説明はなく、有無を言わさずの対応だった。この時、県警は、自分たちにとって不都合な文書――特に再審請求や国賠訴訟で、警察組織にとってプラスにならない文書――の廃棄などを促した「刑事企画課だより」の画像も削除している。

 ガサ入れ当時に押収された12点の物品の中にあったのが、たまたま残していた10数枚の処理簿一覧表の写し。原因となった事件の裁判が終わっても未返却のままだったのが、この処理簿一覧表の写しを綴じた「鹿児島県警流出文書」とタイトルを付けたファイルとハンターの記者の名刺の2点だった。

 県警が「流出すると大変なことになる」と言ってパソコン内のデータをすべて消した以上、同じ捜査を行った検察も当然ファイルの中身を廃棄するものと思っていた。ところが8月22日、鹿児島地検の事務官から電話。事件が終わったので、2点の押収品を返却するという。

 県警の強引なデータ削除を考えると、検察も「処理簿一覧表は処分します」と宣言するのかと思いきや、「検察官としましては、事件に関係したものですので、中願寺さんの方が、もういいですよとおっしゃっていただければ、こちらのほうで処分させていただきたいと考えているんですけども……」。さすがに警察とは違う対応だったが、記者が「処分」を断ったのは言うまでもない。取材過程で得た裏付け資料を、「捨てて下さい」と言うバカな記者はいないだろう。後日、戻ってこないだろうと諦めていた処理簿一覧表のファイルが郵送されてきた。それが下の写真である。

 

 処理簿一覧表の処理について、検察は一応こちらの意向を確かめた。しかし何度も報じてきた通り、鹿児島県警は「よろしいですね」と、あたかも公式に認められているかのような言い方で記者の同意を取り付け、ほとんど強制的にパソコンのデータを削除した。この際県警は、同意しなかった刑事企画課だよりも強引に削除した。データ削除の一連の過程で、応じるか否かが任意であることを告知していなかったのは確かで、行為の正当性を疑わざるを得ない状況だ。県警は削除、検察は返却――どう説明するのか? <中願寺純則>

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・隠ぺい疑惑に揺れる鹿児島県警・ハンターへの内部告発を「情報漏洩」だと指弾し、告発によってもたらされた文書=「告訴・告発事件処理簿一覧表」(以下、「処理簿一覧表」のデータを削除した事案】  2024年10月09日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・10.01】:警察の追認機関と化した「鹿児島県公安委員会」に問われる公平・公正

2024-10-16 05:15:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・10.01】:警察の追認機関と化した「鹿児島県公安委員会」に問われる公平・公正

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.01】:警察の追認機関と化した「鹿児島県公安委員会」に問われる公平・公正 

 疑惑まみれとなって県民の信頼を失った鹿児島県警の野川明輝本部長が、事件の隠ぺい指示を否定する度に持ち出すのが警察庁と県公安委員会の見解だ。都道府県警察を指揮・監督する警察庁は特別監察実施前に「隠ぺい指示はなかった」と断定、住民を代表して警察の管理を行うはずの県公安委員会は、6月21日に「本部長が隠蔽を指示したと判断する事実は認められない」とする文書を発表している。野川氏の強気は、その二つの追認機関が出した結論に依拠するものだ。しかし、警察庁や県公安員会の主張には、“公平・公正”が一切担保されていない。特に、警察の言い分を鵜呑みにする公安委員会の在り方には問題がある。

 ■「結論ありき」の警察庁特別監察

 警察庁が鹿児島県警に対する「特別監察」を実施するとして首席監察官らを送り込んだのが6月24日。実は、これから監察を実施しようとするその時点で、「客観的に見て、本部長による隠蔽の指示はなかったことが明らか」という結論を出し、野川本部長を「長官訓戒」に付したしたことを公表していた。下が警察庁発出のコメントである。

令和6年6月24日
警   察   庁

鹿児島県警察に対する監察の実施に関する警察庁コメント

 鹿児島県警察の前生活安全部長が勾留理由開示の手続きの中で述べた、本部長が犯罪を隠蔽しようとしたとの主張については、鹿児島県警察による調査に加え、警察庁においても本部長から事実関係を聴取するなど必要な調査を行った結果、客観的に見て、本部長による隠蔽の指示はなかったことが明らかである一方で、迅速適確に行われなければならないという捜査の基本に欠けるところがあったことが判明したことから、先般、本部長を警察庁長官訓戒とするなど、必要な処分を行いました。

 その上で、鹿児島県警察では、これまでに発生した一連の非違事案の原因を分析し、それを踏まえた、より抜本的かつ網羅的な再発防止対策を実施することとしているところでありますが、警察庁としても、これらの取組が確実に実施されることが、警察に対する信頼回復のために極めて重要であると考えております。

 そこで、本日から、警察庁による業務監察を実施し、鹿児島県警察におけるこれらの取組をきめ細かく指導することとしております。鹿児島県警察におけるこれらの取組がスピード感を持ってしっかりと行われるよう、明日以降も、警察庁の担当者を常駐させ、引き続き、厳正な業務監察を実施してまいります。

 警察庁は特別監察を実施する前に同氏を“シロ”と断定。隠ぺい指示はなく、一連の疑惑を北海道のジャーナリスト・小笠原淳氏に公益通報した本田尚志元生活安全部長の行為を、情報漏洩による国家公務員法違反と決めつけた。一体いつ、どのような調査を行ったのかについての説明はなく、一方的にキャリア仲間である野川氏の潔白を宣言したに過ぎない。こんなものを信用する国民は、ごく少数だろう。

 ■信用できない公安委員会

 一方、県警を管理する県公安委員会は今年6月21日、警察庁の動きに呼応するように「本部長が隠蔽を指示したと判断する事実は認められない」とのコメントを発表(*下、参照)。 今月19日の県議会では、石窪公安委員長が、県警の本部長や警務部長から合わせて11回、報告を受けたと答弁した。警官不祥事による被害者側への聴取は未実施。つまり県公安委員会は、県警の報告だけを基に結論を出したということになる。疑惑を持たれた組織が、真実を語るわけがない。こんな調査結果を誰が信じるのか?

 そもそも、県警の不祥事を調べるにあたって、公安委員会が厳しい姿勢で臨めるとは思えない。鹿児島県の公安委員は弁護士、医師、消費生活アドバイザーの3人だが、弁護士会や医師会などの団体に委員の推薦を要請するのは県警なのだ。管理する側が、管理される側の要請に従って委員を送り出した時点で、すでに公平・公正ではなくなっている。

 その県公安委員会のサイトには、委員会の役割についてこう謳っている。

安委員会は、警察の民主的管理と政治的中立性の確保を図るために設けられたもので、県民の良識を代表して、警察の仕事に県民の考えを反映させるという役割をもっています。

 残念ながら、鹿児島県公安委員会は《県民の良識を代表して、警察の仕事に県民の考えを反映させる》という働きをしていない。現在、野川明輝本部長の隠ぺい疑惑を受けて、県民の大多数は県議会に百条委員会を設置することを求めている状況だ。これは、「隠ぺい指示はなかった」とする警察庁や公安委員会の見解を信用していない証左といえるだろう。

 警察庁はキャリア仲間の擁護と組織防衛を最優先させ、疑惑に蓋をしただけのこと。県警の身内ともいえる立場の公安委員会には、初めから警察組織の闇を暴くつもりなどないし、あったとしても追及できるだけの手足を持ち合わせていない。公安委員会に警察の不当行為を指弾する能力がないことは、県警が証拠隠滅まで犯して事実上のもみ消しを行った事件に関する発出文書を見れば分かることだ。

 度々報じてきた通り、クリーニング店に勤務していた20代の女性に対する霧島署巡査部長によるストーカー事件では、同署が被害相談初日の「苦情・相談等事案処理票」のデータを削除し、動かぬ証拠となるはずの防犯カメラ映像まで消去していたことが判明している。いずれも、本田尚志前生活安全部長の内部通報が発端となって表面化したものだが、県公安委員会は昨年6月、県警の動きに不信を抱いた被害女性の苦情申し立てに対し、次の「苦情処理結果通知書」をもって事件性を否定する見解を示していた。

 被害女性が、霧島署巡査部長によるストーカー行為を霧島署に訴えたのは昨年2月20日。前日の19日に巡査部長が女性に名刺を受け取るよう強要し、個人情報を聞き出すなどしていた。それ以前に付きまといに気付いていた女性にとって、恐怖以外の何ものでもなく、たまたま客として訪れた別の現職警部補に相談。アドバイスを受けて被害相談に及んだという経緯だった。

 別の署の現職警部補は23日に当該巡査部長がクリーニング店のある商業施設の敷地に入ってくる場面を現認したため、その旨を同署に報告していたが、県警は後日「防犯カメラ映像には映っていなかった」と回答し、目撃証言を否定していた。県公安委員会による上掲の文書は、具体的な捜査状況――<ストーカー対策を担当する同署生活安全課において防犯カメラ映像などの関係資料を精査しましたが、2月20日から少なくとも3月3日までの間、当該署員が、勤務先及びその直近の接近した客観的な証拠は認められませんでした>――にまで踏み込んで、犯罪行為がなかったと結論付けている。県警の主張を頭から信用したことによって、もみ消しに協力したようなものだ。

 県公安委員会の文書にある「2月20日から少なくとも3月3日までの間」という記述には、明らかに作為がある。7月19日の県議会総務警察委員会で県警本部人身安全・少年課の課長は、「映像を入手し、被疑者である警察官の車両が写り込んだ箇所は静止画で保存した。それ以外の部分は不要だから消してしまった」と答弁。さらに、西日本新聞の取材などから、“静止画で保存した”という“被疑者である警察官の車両が写り込んだ箇所”というのが、『2月18、19両日』の画像であることが明らかとなっている。「当初の目撃情報が25日だったので23日の分を消した」などとふざけた言い逃れに終始しているが、そんな子供だましを信じるのは、今議会での百条委員会の設置に反対している自民党と公明党の県会議員ぐらいだろう。

・公安委員会は、なぜ「2月20日から少なくとも3月3日までの間」と記載したのか。

・2月18、19日の両日に巡査部長の車両が写り込んでいたことを、なぜ記載しなかったのか?

 この2点について、県公安委員会は被害女性に説明する責任があるはずだ。公安委員会が「警察の民主的管理と政治的中立性の確保を図るために設けられたもので、県民の良識を代表して、警察の仕事に県民の考えを反映させるという役割」を有しているというのなら、当然だろう。どっちを向いて活動しているのか――ということだ。

 警察庁も公安委員会も信用できない。だからこその「百条委員会」ではないのだろうか。

 <中願寺純則>

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・隠ぺい疑惑に揺れる鹿児島県警】  2024年10月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・09.20】:鹿児島県警、「組織的な判断」で取材拒否(下)|「電話番号わからなかった」と大ウソ

2024-10-16 05:15:20 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・09.20】:鹿児島県警、「組織的な判断」で取材拒否(下)|「電話番号わからなかった」と大ウソ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・09.20】:鹿児島県警、「組織的な判断」で取材拒否(下)|「電話番号わからなかった」と大ウソ 

 隠ぺい疑惑に揺れる鹿児島県警が、2021年に起きた県医師会の男性職員による強制性交事件に関するハンターの質問取材に回答を拒否した。同様の質問を行った他のメディアには回答し、県警の腐敗を厳しく追及してきた本サイトだけに答えないという不当な対応。回答拒否に加え、その連絡さえしない理由を尋ねたハンターの記者に対し、県警の広報はとんでもない「ウソ」をついた。

                 ◆   ◆   ◆

 この質問書を送った際、ハンターの記者は文書取材の方法などについて確認するため県警の広報と複数回にわたって話している。県警広報もFAXの着信を確認。担当の県警職員は、受け取った質問書の内容について「8月30日と記載があったんですけど、なるべく急ぐんですけど、8月30日というのは必ずというのはお約束ができなません。なるべく急いで対応しますからご理解下さい」と回答期限の延長を示唆していた。

 先週13日、回答がいつになるのか県警広報に確認したところ、質問書送付の時点から担当していた「ムラカミ」と名乗る職員が、言いにくそうに「お答えを致しかねます」と告げる。取材拒否であり、それが「組織的な判断」だという。開いた口が塞がらない。以下、記者とムラカミ氏とのやり取りの概要である。

県警広報:もしもし、お電話代わりました。あの、県警本部の総務課のムラカミと言います。

――ニュースサイトハンターの中願寺と申します。お世話になります。
県警広報:お世話になります。すいません、電話いただいたみたいでちょっと申し訳ありませんでした。折り返しがお時間遅くなりました。

――先月の27日にお送りした質問書の回答について。
県警広報:はい。27日にいただいてた質問書の件ですね。

――そんな長くはかからないとおっしゃっていたが?
県警広報:はい、その件でですね、ちょっと、あの、ご回答なんですけど、そのお問い合わせのあの件につきましては、お答えをいたしかねますということですね。

――おかしいじゃないか。他の報道機関には答えている。
県警広報:そういうことでちょっと、あの。

――いやいや、ちょっと待ってくれ。
県警広報:判断されましたので。

――他の報道機関には答えている。
県警広報:はい。

――なんでうちにだけ答えないのか?
県警広報:はい、あの、もう、お問い合わせのことにつきましてはお答えいたしかねます

――理由を言ってくれ。
県警広報:はい、あの、そういうふうに判断されましたので。

――他の報道機関には答えてるじゃないか。
県警広報:はい。

――なんでうちだけなのか。
県警広報:それ以上のことは、それ以上のことは、ちょっとお答えできないというふうになってますので。

――それはおかしくないか?
県警広報:はい、はい。申し訳ございませんが……はい。

――では、なぜこちらから電話するまで連絡してこないのか?
県警広報:あの連絡先がわからなかったからですファックスとメールしかなかったもんですから。

――ファックスかメールで「回答拒否」だとやればいいじゃないか。質問書にはそうするように書いている。
県警広報:いえいえ、あの、お電話を、あの、するというちょっと方法がなかったので。

――それは理由にはならない。
県警広報:はい、その点も含めてですね……。

――回答しないなら回答しないで、ファックスかメールで送ればいい。子供でもわかる話だ。
県警広報:はい。まあそれにつきましても……。

――県警はふざけてるんじゃないか?
県警広報:……。

――身勝手が過ぎる。よその報道機関には答えて、うちには答えないのというのはどういうわけか。合理的な説明を!。
県警広報:よその報道機関っていうのは、具体的にどちらのことを言ってるんですか?

――自分たちで考えればわかるだろう。答えてるのだから。
県警広報:はい。それは……。

――おたくらの回答が、記事になってるじゃないないか。
県警広報:よその報道機関って言ってる、あの意味がちょっとわからないんですけど。

――他の報道機関がうちと同じ質問の内容について回答を求めて、回答結果を記事にしているということ。
県警本部:なぜ他の、他のところがお宅と同じ取材をしているというのはわかるんですか?

――記事になってるからだ。
県警本部:はい、それはわからないですね。そんなのは……(笑)。

――人の話聞いてるか?現実に記事になってるから、尋ねてる。
県警本部:はい。まあ、いずれにしても……。

――人を馬鹿にしたようなこと言っちゃダメだ。記事になってるから聞いてる。他の報道機関に答えて、うちに答えない理由を述べなさいと言ってる。子供じゃないんだから。
県警広報:記事になっていても……、お問い合わせの件につきましては……。

――ふざけてるね、あなた方。
県警広報:お答えいたしかねます、ということで組織的な判断が出ておりますので。

――うちには答えないということでいいか?
県警広報:ご理解よろしくお願いします。

――理解しない。よろしくない。誰が理解するのか。バカじゃないか。理解できないから抗議してる。
県警広報:もうそういうふうに、あの、組織的な判断が出てますので、私一人の個人的な判断ではございませんので。

――それならそれで連絡をして下さいと言っている。電話番号がわからなかったなんて、子供みたいなウソ言ったら駄目だ。
県警広報:ですから、電話番号がわからなかったので。

――繰り返すが、FAXかメールで回答して下さいと書いたじゃないか。
県警広報:口頭で回答するっていうふうな組織的な判断が出たものですから。

――いやいや、そんなことは知らない。そちらの組織内の話だろう。だったら電話すればいい。
県警広報:はい。

――事件は隠蔽するわ、証拠は隠滅するわ、でたらめな組織だ。組織で決めたというのなら、責任者の本部長を出せばいい。責任者は野川だろ。
県警広報:声を荒げないでください。

――あなたが組織が決めたというから、責任者をだ出せと言っている。別に荒げていない。
県警広報:声を荒げないようにお願いいたします。

――こんだけ馬鹿にされたら、あなたも同じ立場だったら、声が大きくなるのではないか。野川さんと代わって下さい。
県警本部:代わることはできませんので。

――どうして?
県警本部:この件につきましては、組織的な判断で、お問い合わせの件はお答えいたしかねますということで、判断が出ていますので。

――あなたは電話番号がわからなかったから連絡できなかったなどと、子供みたいなことを言う。もう結構。あんたたちは腐りきっている。

 要するに、同じ内容の質問をした他のメディアには答えるが、ハンターにだけは答えないということ。それを「組織的な判断」で決めたというのだから呆れるしかない。同様の内容で行われた他のメディアの取材に対して、県警が回答したのは紛れもない事実。回答があったからこそ週刊金曜日が記事にしているのだ。「なぜ他のところが同じ取材をしているとわかるのか」と何度も聞いてきたが、そんなことはぞれぞれのメディアの取材に応じている県警の広報が一番よく知っているはず。言いがかりにしてはお粗末すぎる。

 取材拒否の理由を何度尋ねても「お答えいたしかねます」を繰り返すばかり。「組織的な判断」についての合理的な説明は返ってこなかった。しかし、強制性交事件に関する質問にだけ答えないという姿勢は自分たちの非を認めたようなものだ。今月5日、ハンターは、県警が定例会見を開く際、事前に報道各社に質問を提出させ、“シナリオ”に沿ったやり取りを行っていることについて県警の広報に確認した。この時は、“会見向けの質問提出はかなり以前からの慣行で、いつから始まったのか分からない”と回答している。しかも答えた担当職員は、今度の取材に対し回答拒否を告げてきた「ムラカミ」という人物だ。もみ消しの疑いが濃くなった強制性交事件に関する取材に限って答えないというのであれば、その理由は“組織にとって都合が悪いから”ということに他なるまい。

 お粗末なのは、取材拒否の連絡さえしなかったことを「電話番号がわからなかった」という言い訳だ。県警の広報が理由として挙げたのは「お電話を、あの、するというちょっと方法がなかった」、「電話番号がわからなかった」――。子供でも、もう少しましな言い訳を考えるだろう。

 県警への質問書には、回答を「FAXかメールで」としており、ハンターのFAX番号とメールアドレスを明記しておいた。その点を糾すと、「口頭で回答するっていうふうな組織的な判断が出た」と言う。『口頭で回答するっていうふうな組織的な判断』とは、いなかるものなのか?バカバカしくて、その点について議論する気にもならなかった。

 ◆   ◆   ◆

 そもそも、「ムラカミ」という広報職員がハンター側に連絡をしなかった理由だとする「電話番号がわからなかった」は、真っ赤なウソだ。「ムラカミ」氏はハンターが質問書を送付した8月27日に、複数回記者とやり取りを行っており、うち4回はムラカミ氏側から架けてきたものだ。記者の携帯には、その記録が残っている。(*下が携帯の画面

 質問書送付の方法について、郵送すべきなのか、あるいはFAXやメールでいいのか確かめるため、最初に県警に電話を入れたのが27日午後4時41分。2回電話している。広報担当者が不在で話ができなかったが、その後、県警側から入電。今度は記者が電話に出られず、4時57分に折り返した。電話に出たのが、総務課広報係の「ムラカミ」氏だった。

 「総務課の広報担当のムラカミと申します」で始まったやり取りの中で、取材のため質問書を送る場合、送り先はどこかと尋ねた記者に同氏はこう言っている――「こちら(広報)宛に、FAXかメールでいただけると対応いたします」。回答の方法についてムラカミ氏は、「FAXか、またはメールか電話か。(FAXを)確認したあと、電話させていただいてよろしいですか」――。この会話からしても、県警側がハンターの記者の電話番号を把握していたのは確かだ。

 質問書をFAX送信した後、県警から電話をもらったが打ち合わせ中で対応できず、5時46分にかかってきた電話でムラカミ氏と話している。その際の同氏の発言は「(質問書の回答期限に)8月30日と記載があったんですけど、なるべく急ぐんですけど、8月30日というのは必ずというのはお約束ができません。なるべく急ぎ対応しますからご理解下さい」だった。ここまでに県警側は計4回、ハンターの記者に電話を架けてきていた。「番号が分からなかった」などと平気で言える神経は理解できない。

 2021年秋に起きた鹿児島県医師会の男性職員による強制性交事件をもみ消そうとした県警は、霧島署員による2件のストーカー事件や枕崎署員の盗撮事件でも隠ぺいや証拠隠滅といった行為を重ねていた疑いがある。ウソやでっち上げ、捏造が得意ということだ。事実、二人の元警察官による内部通報から始まった県警に関する一連の疑惑を巡っては、県議会や記者会見の場で、次から次に組織の闇を示す新事実が明かされ、警察組織の威信が大きく揺らぐ事態となっている。

 信頼回復のためには徹底した情報公開が必要なはず。しかし、気に入らない相手だからなのか、触れてほしくない事件だからなのか、きっかけを作ったハンターの取材を拒否するという子供じみた対応をするようでは、救いようがない。結局、県警が言っている改革だの再発だという言葉は、弥縫策の一環。野川本部長による事件の隠ぺい指示を早々に「なかった」と結論付けた組織に、なにかを期待するのが無理なのである。

 ちなみに、今年6月の記者会見でハンターへの家宅捜索について聞かれた野川本部長は「報道の自由や取材の自由は理解している」と述べた。これも「ウソ」だと言っておきたい。理解していれば、特定のメディアに対する取材拒否を、「組織として判断」するわけがない。<中願寺純則>

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・隠ぺい疑惑に揺れる鹿児島県警】  2024年09月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・09.19】:鹿児島県警、質問取材に回答拒否(上)|強制性交事件絡みでハンターだけに不当対応

2024-10-16 05:15:10 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・09.19】:鹿児島県警、質問取材に回答拒否(上)|強制性交事件絡みでハンターだけに不当対応

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・09.19】:鹿児島県警、質問取材に回答拒否(上)|強制性交事件絡みでハンターだけに不当対応 

 隠ぺいや証拠隠滅が得意な腐敗組織らしい対応だ。鹿児島県警が、2021年に起きた鹿児島県医師会の男性職員による強制性交事件に関するハンターの質問取材に回答を拒否した。同様の質問を行った他のメディアには一部を回答しており、県警の腐敗を厳しく追及してきた本サイトだけを不当な扱いで排除した形だ。

               ◆   ◆   ◆

 県警に取材した目的は、問題の強制性交事件を巡り鹿児島県医師会が会見を開いて明かした内容など、根拠が示されたものについて確認するためだった。先月27日、ハンターは鹿児島県警に対し、FAXで以下の内容を記した質問書を送付した。(*原文では伏字は実名)

鹿児島県警察本部
総務課広報係 御中

質問書

 前略 福岡市の本社を置き、インターネットのニュースサイト「ハンター」を運営しております株式会社ハンターの代表で中願寺純則と申します。ご多忙のところ申し訳ありませんが、取材のため以下の点について質問致します。

1 令和4年1月7日、――――の看護師である〇〇〇〇氏が、鹿児島県が設置した新型コロナウィルスの療養施設となっていたホテルなどで、当時鹿児島県医師会の職員だった●●●●氏より強制性交の被害をうけたとして告訴状を提出しようとした際、応対した鹿児島中央署の「マエゾノ」と名乗る女性警察官が、数時間話を聞いた末に、様々な理由を付けて告訴状の受理を断念するよう申し向け、事実上の門前払いにしたという情報があります。意図的な不作為が疑われますが、これは事実ですか?

2 令和3年12月から令和4年1月までの間に、前記●●●●氏と鹿児島県警の元警部補だった父親の●●▲▲氏が鹿児島中央警察署を訪れ、上記新型コロナウィルス療養施設で起きたわいせつ事案について相談したのは事実ですか?事実だとして、相談は何回でしたか?

3 この相談の際、●●▲▲氏は同席していましたか?

4 令和5年1月7日以降、●●●●と●●▲▲氏が同席の上、当該強制性交事件か●●●●氏が□□□□氏を名誉棄損で刑事告訴した事案のいずれかの件で、事情聴取または取調べを受けたことはありますか?あるとすれば同席は聴取の際ですか、取調べの際ですか?

5 令和3年2月10日、鹿児島県医師会の池田琢哉前会長が、当該強制性交事件について県のくらし保健福祉部で説明して「強姦」を否定する発言をし、大西浩之副会長(前・常任理事)が同年2月22日に県医師会郡市医師会長連絡協議会で、●●氏側が鹿児島県警の警察官より「刑事事件には該当しない」、「暴行と恐喝で負けることはない」などと申し向けられた旨を明言されています。県警側がこうした発言を行った事実はありますか?

以上
*勝手ながら、ご回答はFAXもしくはメールで、本年8月30日までにお願いします。

 福岡市南区―――――――――――――
株式会社ハンター       代表:中願寺純則
FAX:092-512-♦♦♦♦
メール:chuganji@―――――――

 

 質問取材の目的は、これまでハンターが報じてきた2021年に起きた県医師会の男性職員による強制性交事件を巡り、捜査を担当した鹿児島中央署が、告訴状提出に出向いた被害女性を門前払いにしたことや、男性職員と元警察官の父親が事件発覚前に同署に相談していたか否かの確認だ。もう一点、県医師会の池田琢哉前会長や大西浩之副会長(前・常任理事)が男性職員から聞いたとしていた県警の見立て――「刑事事件には該当しない」、「暴行と恐喝で負けることはない」――が実際に警察側から発せられたものかどうかを確かめる必要があった。

 周知の通り、質問内容は、何らかの形で事実であることが明らかになったものばかり。県警は県議会総務警察委員会での質疑の中で「門前払い」を「受け渋り」という言葉で認めている。また、男性職員と元警察官の父親が、2021年の12月に中央署に行って事前の相談に行っていたことも、8月6日の県議会質疑で県警側が認めている。

 事前相談とその時の「事件性なし」という結果については、県医師会が6月27日に開いた記者会見の席上、同会の顧問弁護士である新倉哲朗弁護士が「男性職員からそう報告を受け、(池田)会長に伝えた」などと明言しており、県警が、門前払いや事前相談の実態を隠さなければならない理由は見当たらない。

 そもそも、ハンターが質問書を送付した先月27日、週刊金曜日のウェブ版が「鹿児島県警、強制性交事件もみ消し疑い 元警察官の父親が相談後、警察署が女性の告訴状受理拒否」という見出しで、強制性交事件に関する記事をウェブ上で記事を配信。その記事は、2021年12月に男性職員が相談のため中央署に出向いた際、同席者が元警察官の父親と弁護士だったことを県警が初めて認めたと報じていた。元警察官の父親が同席したという事実が、開示された情報だったことは明らかだ。

 唯一県警が答えに窮するとすれば、「刑事事件には該当しない」、「暴行と恐喝で負けることはない」などという見解を本当に示していたかどうか、という点だろう。

 医師会側は事件発覚当初、男性職員が、相談した警察から「刑事事件には該当しない」と言われたとして強制性交を否定する一つの材料に挙げていた。池田前会長は県の担当部局で、大西副会長は医師会内部の会議で同様の発言を行い、警察のお墨付きがあることを匂わせていた。事実なら、被害者側の話を確認する前に、県警が「事件性」を否定していたことになる。その結果が「門前払い」だ。すると、調べを遅らせ1年半以上かけて渋々検察に送った捜査資料や調書の信憑性は崩れる。

 一方、県警が「刑事事件には該当しない」、「暴行と恐喝で負けることはない」などという発言を一切していなかった場合、県医師会は虚偽の事実を公表したことになる。池田前会長や大西副会長に、一定の責任が生じるのは言うまでもない。もちろん、一番重い責任を負うのは、「事件性なし」の報告をあげた男性職員だ。どちらの言い分が正しいのか、徹底追及する必要がある。質問書送付は、そのためだった。

 ところが、県警が出した答えは回答拒否。他のメディアには答えて、その内容が報じられているにも関わらず、ハンターにだけは答えないという不当な扱いだ。猛然と抗議し、回答拒否の理由を追及したハンターの記者に対し、県警の広報はとんでもない「ウソ」をつく。(つづく)<中願寺純則>

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・隠ぺい疑惑に揺れる鹿児島県警】  2024年09月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・09.28】:警察本部長らまたも「無答弁」|“ヤジ訴訟”判決後の議会追及に相継ぎ明答回避

2024-10-16 05:13:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・09.28】:警察本部長らまたも「無答弁」|“ヤジ訴訟”判決後の議会追及に相継ぎ明答回避

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・09.28】:警察本部長らまたも「無答弁」|“ヤジ訴訟”判決後の議会追及に相継ぎ明答回避 

 訴えを起こした市民らの「半分勝訴」が確定した首相演説ヤジ排除事件をめぐる裁判の最高裁決定後、地元議会では改めて知事や警察本部、公安委員会の責任を問う声が上がり、複数の会派が質問に立った。問いを受けた知事らはしかし、判決前の対応と同様ほとんどの質問へ明答を返さず、被害者への謝罪や関係者の処分、再発防止策の策定などについて具体的な検討が一切なされていない実態が浮き彫りとなった。

               ◆   ◆   ◆

 ヤジ判決についてのやり取りがあったのは、9月25日午後招集の北海道議会本会議。この日、一般質問に臨んだ議員8人のうち3人が北海道警察の問題を採り上げ、うち2人がヤジ国賠の確定判決を俎上に載せることになった。

 これまでも何度か質問を試み、そのたびに「係争中なのでお答えを控える」としか答えを得られなかったと指摘したのは、同議会の高橋亨議員(民主、函館市)。今回の最高裁決定が「半分勝訴・半分敗訴という奇妙な判決」となったことを確認した上で、鈴木直道知事と伊藤泰充・道警本部長、及び吉本淳一・道公安委員会委員長に改めてそれぞれの見解などを尋ねた。加えて公安委員長には公安委の独立性について質し、また道警本部長には関係者の処分の有無を明かすよう求めた。

 これを受けた3者の回答のうち、最も噛み合わないものとなったのが鈴木知事の答弁。同知事は記者会見などで連発した言い回しをここでも繰り返し「本件は一貫して(自分ではなく)道警察が方針を決定してきた」と強調、主体的なコメントを徹底して回避した。さらに「街頭演説を聴くことのできる環境づくりと表現の自由との両立」なる持論を添え、ヤジ訴訟の確定判決の趣旨とはおよそ関連性のない主張を展開した。

 公安委員長の答弁もまた、「道警察に適切な職務執行を指導した」との決まり文句を軸に当たり障りのない文言を並べたものとなる。公安委の独立性についても、次のように教科書的な発言を残した。

 「公安委員会では定例会議等において、道警察から諸般の活動について報告や説明を受け、不明な点について質問するとともに、随時必要な指導を行なっているところであります」

 最後に演台に着いた伊藤本部長の発言も、抽象的という意味ではほとんど変わり映えしない「このたびの司法判断を真摯に受け止め、法令に基づく適切な職務執行に努める」なるフレーズでまとめられた。関係者の処分については「個別の事案なので差し控える」とし、懲戒などの有無を明かさなかった。

 国賠判決で一部逆転敗訴した一審原告・大杉雅栄さんの事件について、二審の札幌高裁はJR札幌駅前での排除行為は適法だったと認定している。与党関係者が大杉さんの腕を押す暴力行為に及んだため、現場の警察官はトラブル回避のため警察官職務執行法に基づき大杉さんを「避難」させた、という理屈だ。もう1人の一審原告・桃井希生さんはこれに「つまり『気に入らない奴がいたら暴行しろ、そしたら警察が“暴行されたほう”を排除してくれる』と言ってるようなもの」と指摘していたところだが、今回の議会でも高橋議員が同じ指摘を口にし、再質問として道警本部長に見解を問うている。再び答弁に立った伊藤本部長の発言を、以下に引く。

 「現場警察官の今後の現場対応についてでありますが、道警察と致しましては、このたびの司法判断を真摯に受け止め、法令に基づく適正な職務執行に努めて参ります。以上でございます」

 ひたすら具体性を欠く言葉の連なりを残した本部長だが、与党会派からの質問を受けては一転、極めて具体的な説明を朗々と弁ずることになる。今春から相継ぐ道警職員の不祥事(大麻事案や不適切交際事案など)について、浅野貴博議員(自民、留萌管内)が再発防止や信頼回復について尋ねると、伊藤本部長はどう答えたか。壇上で「道民の皆様に深くお詫び申し上げます」と深々と頭を下げ、以下のように極めて迅速な再発防止策を明かしたのだ。

 「道警察では再発防止に向け、警察本部長名で、私生活における適切な部外交際及び飲酒のあり方を決めた警察職員としての規律の振粛について各所属長に通達したほか、各所属の副署長等を対象とした緊急のブロック別会議を開催して問題点の共有をはかり、人事管理のあり方等を協議するなど、取り組みの強化を進めているところであります。道警察と致しましては、引き続き、とり得る施策をきめ細やかに実施し、道民の信頼回復に努めて参ります」

 野党会派の追及には、これほど丁寧な説明が返ってくることがない。先の高橋議員に続いてヤジ国賠を採り上げた丸山晴美議員(共産、小樽市)は、一審原告らへの謝罪や事実の検証、再発防止策などの必要性について迫り、また一審被告・北海道のトップとしての責任を知事に、道警を監督する機関としての責任を公安委員長に追及したが、いずれに対してもおよそ具体的な答えが返されることはなかった。やや長くなるが、以下に3者の答弁の全文を採録しておく。

鈴木知事「このたびの道警察に係る訴訟についてでありますが、本件については国家賠償法上、訴訟の当事者が北海道となることから、必要な手続きを進めてきたところであり、警察官の職務執行を管理し事実関係を把握している道警察において一貫して方針を判断し、対応してきたものであります。私からも、道警察において適切な職務執行に努めていただくようお伝えしており、今後とも適切な対応に努めていただきたいと考えております」

吉本公安委員長「初めに、国家賠償請求訴訟の判決確定を受けての謝罪についてでありますが、道公安委員会と致しましては、道警察において確定した判決に従い、適切に対応するものと承知をしております。次に、判決確定をふまえた道警察への対応についてでありますが、道警察からは、警察官の行為を一部違法とした第二審の札幌高裁の判決を受けて行なわれた上告等が最高裁により退けられ、同判決が確定した旨の報告を受けたところであります。道公安委員会と致しましては、警察官の行為が一部違法とされたことについて真摯に受け止めているところであり、道警察に対し、各種法令に基づき適切に職務執行をするよう指導したところであります。最後に、公安委員会のあり方と道警察への指導についてでありますが、道公安委員会では定例会議等において、道警察から諸般の活動について報告や説明を受け、不明な点について質問するとともに、随時必要な指導を行なっているところであります。道公安委員会と致しましては、警察官の行為が一部違法とされたことについて真摯に受け止めているところであり、道警察に対し、各種法令に基づき適切に職務執行をするよう指導したところであります。道公安委員会と致しましては、引き続き道警察に対し、道民の安心と安全を守り期待と信頼に応えるべく職務にあたるよう指導して参ります。以上でございます」

伊藤本部長「国家賠償請求訴訟判決確定を受けての謝罪についてでありますが、原告及び弁護団から警察本部長宛てに謝罪を求める要請を受けたことは、ご指摘の通りでございます。道警察と致しましては、確定した判決に従い適切に対応して参ります。次に、再発防止についてでありますが、道警察と致しましては、このたびの判決内容をふまえ、現場活動にあたる警察官が根拠法令に基づき与えられた権限を適切に行使できるよう、必要な指導・教養に努めて参ります。以上でございます」

 謝罪や検証、再発防止策についての問いには、イエス・ノーの二択でしか答えようがない。それを3人とも明言せず、ただただ抽象的な題目を繰り出し続ける。鈴木知事に到っては、誰に何を訊かれても、またその場が記者会見だろうと議会だろうと、毎度の如く同じような文言をコピー&ペーストした答えしか口にしていない。質問者の丸山議員は憤りもあらわに再質問、再々質問を重ねたが、回答者の姿勢が変わることはついになかった。再々質問で「適正な職務執行」について問われた鈴木知事はおよそ5分間にわたって無言を貫き、周囲で慌ただしく答弁をまとめる部長・局長らとは対照的に微動だにせず瞑目。答えられないなら休憩を入れたほうがよいか、との議長の問いかけにさえ答えなかった。最終的にまとまった答弁の内容は、もはや言うまでもなく先述した発言のコピペに過ぎず、それすらも手元の紙に眼を落とさずには発言できないありさまだった。

 丸山議員は質問後も議長の許可で特別発言を認められ、知事や本部長らを次のように厳しく批判することになる。

 「ヤジを飛ばした女性に対する道警察による排除行為が最高裁で違法・違憲と断罪されたことの重大性が、知事、公安委員長、及び警察本部長の答弁からはまったく伝わりませんでした。それは、実力執行機関である警察が市民を強制力により不当に排除したとして、国家賠償訴訟において敗訴したにもかかわらず、当事者に対する謝罪すら行なわない姿勢に端的に現われています。表現の自由は、憲法で保障された基本的人権の基本原理です。その重大な権利侵害を道警察が行なったことを真摯に受け止めるなら、被害者への謝罪と、違法な職務執行が行なわれたことの検証は避けられない、ということを強く申し上げます」

 この議会に先立つ9月12日には、判決確定後に当事者の桃井希生さんが各機関へ申し入れた要請文について( https://news-hunter.org/?p=24214 )、道公安委が代理人の齋藤耕弁護士へ「連絡書」なる書類を送っていたことがわかっている。以下がその全文だ。

 《令和6年9月9日に受理した文書により、齋藤様から北海道公安委員会宛に申出のありました件については、北海道警察に調査を指示いたしました。回答には時間を要する場合がありますので、御承知おきください》

 桃井さんらが公安委に求めたのは、警察への適切な指導と、公安委自らによるこれまでの対応の検証など。その要請に対する答えが、なぜ「警察に調査を指示」との内容になるのか――。あたかも道の各機関の間には「決して明答しないこと」との強い取り決めが存在しているかのようだ。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・北海道・訴えを起こした市民らの「半分勝訴」が確定した首相演説ヤジ排除事件】  2024年09月28日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【衆院選】:1票の格差は最大2・06倍 「10増10減」実施後初 公示前日有権者数で試算

2024-10-16 00:10:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【衆院選】:1票の格差は最大2・06倍 「10増10減」実施後初 公示前日有権者数で試算

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【衆院選】:1票の格差は最大2・06倍 「10増10減」実施後初 公示前日有権者数で試算 

 総務省は15日、衆院選公示に合わせて14日現在の選挙人名簿登録者数(有権者数)を発表した。共同通信社の試算では、全国289小選挙区の「1票の格差」は最大2・06倍だった。今回の衆院選から、格差是正のための小選挙区定数「10増10減」などを受けた新区割りが適用されるものの、格差は依然2倍以上のままだった。2021年前回衆院選の2・09倍からは縮小した。

第50回衆院選第50回衆院選

 有権者数は1億417万9274人で、前回選から144万3491人減った。有権者数が最多の小選挙区は北海道3区(札幌市の一部)の46万1457人、最少は鳥取1区(鳥取市など)の22万4060人だった。

 前回選と比べて有権者が減少したのは44道府県で、最も減ったのは北海道(11万1815人減)。増加は東京都と神奈川、沖縄両県のみで、最も増えたのは東京都(4万2780人増)だった。

 有権者のうち、海外に住む在外選挙人名簿登録者数は9万5711人。

 衆院選挙区画定審議会(区割り審)は、20年国勢調査に基づき、格差が2倍以上とならないよう、人口比を正確に反映しやすい新たな議席配分方法「アダムズ方式」を採用し、小選挙区の区割り改定案を作成。22年に岸田文雄首相(当時)に勧告し、改正公選法が成立した。

 小選挙区の「10増10減」を含め、区割り変更は25都道府県の140選挙区に上った。

 前回選の1票の格差は公示前日の試算では2・09倍だったが、投票日時点では2・08倍となった。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・2024衆院選】  2024年10月15日  22:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2024年10月14日 今日は?】:ミスター・ジャイアンツ長嶋茂雄選手が38歳で現役引退「巨人軍は永遠に不滅です」

2024-10-16 00:00:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2024年10月14日 今日は?】:ミスター・ジャイアンツ長嶋茂雄選手が38歳で現役引退「巨人軍は永遠に不滅です」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2024年10月14日 今日は?】:ミスター・ジャイアンツ長嶋茂雄選手が38歳で現役引退「巨人軍は永遠に不滅です」

 ◆10月14日=今日はどんな日

  スポーツの日

 ◆出来事

  ▼日本父母と先生の会全国協議会(後の日本PTA)結成(1952)▼ミスター・ジャイアンツと呼ばれた長嶋茂雄選手が38歳で現役を引退。「巨人軍は永遠に不滅です」の名文句(1974)▼東北大で日本初の体外受精児となる女児が誕生(1983)

<picture>日本シリーズで西武を破って監督として初の日本一となり、ナインに胴上げされて宙に舞う長嶋茂雄監督=東京ドームで1994年10月29日</picture>
日本シリーズで西武を破って監督として初の日本一となり、ナインに胴上げされて宙に舞う長嶋茂雄監督=東京ドームで1994年10月29日

 ◆誕生日

  ▼永作博美(70年=女優)▼堺雅人(73年=俳優)▼海原やすよ(75年=海原やすよ・ともこ)▼岩沢厚治(76年=ゆず)▼鈴木伸之(92年=劇団EXILE)▼清野菜名(94年=女優)▼タ白間美瑠(97年=タレント)▼桜井花子(01年=モデル)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2024年10月14日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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