路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

《24色のペン・01.10》:働く=稼ぐ? 「数値化する社会」を問う=清水有香

2025-01-10 06:00:00 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

《24色のペン・01.10》:働く=稼ぐ? 「数値化する社会」を問う=清水有香

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《24色のペン・01.10》:働く=稼ぐ? 「数値化する社会」を問う=清水有香 

 働くのはお金を稼いで生きるため。でも、その「生」が脅かされているとしたら、働く意味はどこにあるのだろう。過労死防止法の施行から10年を経てもなお、過酷な労働による健康被害や自殺は後を絶たない。

 「今の世の中、働くことがすごく矮小(わいしょう)化されていると思うんです」

 奈良県東吉野村で私設図書館を開く思想家の青木真兵(しんぺい)さん(41)は語る。「労働力を提供し、その対価として賃金をもらう。これは働くことの一部でしかない」と。

 ならば、働くことの本来の意味はどう捉えたらいいのか。青木さんは「数値化できないもの」というキーワードを挙げる。

 
<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2025/01/09/20250109k0000m040116000p/9.webp?1" type="image/webp" />自宅を開放して私設図書館を運営する青木真兵さん(左)と妻・海青子さん=奈良県東吉野村で2024年11月17日、清水有香撮影</picture>
自宅を開放して私設図書館を運営する青木真兵さん(左)と妻・海青子さん=奈良県東吉野村で2024年11月17日、清水有香撮影

 ◆自宅を開放した「彼岸」の図書館

 奈良市内から車で約1時間半。山のふもとの小さな橋を渡り、杉木立を抜けた川のほとりに平屋の古民家がある。“彼岸の図書館”をうたうそこは、青木さんと妻・海青子(みあこ)さん(39)が2016年から自宅を開放して運営する「ルチャ・リブロ」だ。

 館の名前は、メキシコのプロレス「ルチャリブレ」と、本を意味するスペイン語「リブロ」にちなむ。どちらも青木さんが愛してやまないもの。板張りの居間や和室の棚には、歴史や哲学書、文学を中心とした約3000冊が並ぶ。本に貼られた数々の付箋が、夫婦の蔵書であることを物語る。

 2人は9年前にこの山村に移り住むまで、兵庫県西宮市で暮らしていた。

 青木さんは当時、古代地中海史の研究者として…

 ■この記事は、有料記事です。残り1738文字(全文2334文字)

 ■有料会員登録して続きを読む


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【トランプ氏再始動】:マス... | トップ | 【えべっさんの総本社・西宮... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】」カテゴリの最新記事