《発言・01.09》:命と生活を守る防災庁に=水鳥真美・前国連事務総長特別代表(防災担当)兼国連防災機関長
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《発言・01.09》:命と生活を守る防災庁に=水鳥真美・前国連事務総長特別代表(防災担当)兼国連防災機関長
10年前、国連加盟国が満場一致で採択した「仙台防災枠組」は、その後の地質災害、気象災害の激甚化、コロナ禍の発生を予測していたかのような先駆的内容である。そして、この日本生まれの国際合意の要諦は「これからの防災対策は、災害発生後の対応依存から、平時の災害リスク軽減に重心を移さなければならない」である。
水鳥真美・前国連事務総長特別代表(防災担当)兼国連防災機関長
能登半島地震発生から1年。今も続く被災者の苦悩に接する時、災害発生時の迅速、的確な対応、事後の復旧、復興の必要性を実感する。仙台防災枠組は災害発生後の対応の必要性を軽んじるものでは毛頭ない。一方、社会に蔓延(まんえん)する災害リスクを平時に軽減して強靱(きょうじん)性を築かなければ、「災害発生、対応、復旧、復興、再び災害発生」という負の連鎖は続き、奪われる命、財産、生活は肥大化する。防災分野で世…
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元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【発言】 2025年01月09日 02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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