■2009/7/19(日)20:00-13:00【天気】曇り時々小雨(夜間)
【場所】養老牛温泉旅館藤や
【種名】シマフクロウ(1科1種)
【メモ】昨夜の状況からシマフクロウ(とキタキツネ)の行動パターンと撮影の方法がわかってきたので,今夜は多少余裕があった。日中は激しい雨風だったので川は増水しており,餌を捕ることができず,生け簀にやってくるはずだと旅館の方も言っていた。また,今年は冷夏で,川魚が例年になく釣れないという。
さて,夕食は6時で,白ワインを飲みながら,一品一品味わいながら,時間までのんびり過ごした。そうしているうちに,シマフクロウの「ウーウー・ボーボー」という♂♀の掛け合いが聞こえてきた。昨晩はよく聞けなかったが,今日はかなりの大音量で聞こえる。かなりの低音で,ノートPCについているスピーカーでは録音したものが聞こえない。8時近くになり,シマフクロウが本館の屋根に止まっているというので,行ってみると確かに黒い影がいる。声は相変わらず大きく聞こえてくる。いよいよ8時になり部屋に戻って窓をレンズが出る分開けた。ビデオの方は外にセットして生け簀の左側から撮影できるようにした。というのも,昨夜の状況からするとシマフクロウが飛んでくるのはダイニングの方で,そこから自分の部屋の前を通って生け簀へ地面すれすれに飛んでくるのが見えたからだ。また川近くの塀に行かない限りは,同じように戻ってくる。つまり,何のことはない。部屋の前を往復しているわけだ。その間にも「ウーウー・ボーボー」がかなりの音量で聞こえる。
胸がわくわくしてきた。最初に,シマフクロウがよく止まる生け簀の向こう側の丸太とその脇にある岩にピントを合わせる練習を開始した。とはいってもほとんど暗いので,適当にフォーカスリングを前後に回してピントの山をさがし,そこで2秒のタイマーでシャッターを切り,画像を確認する繰り返しだ。ISO感度を1600にし,開放で2秒のシャッタースピードだ。つまり,目標をファインダーに捉え,2秒のタイマーの後,2秒露光することになる。露光の2秒間にシマフクロウが動かなければOKだが,動けば4つ目のシマフクロウになる(実際,10ファイル以上4つ目になった)。また,試行していてわかったのだが,三脚をつけてはいるが,1980円の軽くて安いものを購入して持ってきたため,実際にはシャッターを押しただけで微妙に動くこともあった。モニターを見ると周りの草がけっこうきれいな緑色に写っていた。
それから10分以上,シマフクロウなしの練習をしていたが,困ったことが起きた。セルフタイマーの2秒前の点滅が,夜だと意外と目立つのだ。鳥の撮影にストロボは使わないわないので非常に気になったが,タイマーを使わず手で押せばもう動いてぶれてしまうので仕方がない。
ところで,そうこうしているうちに肝心のシマフクロウがちっともやってこない。鳴き声は相変わらずしているから,きっと生け簀に来にくい理由があるはずだと思い窓の外を周囲を見ると,生け簀の右側方向にあたるベランダで,浴衣を着てたばこを吸っている方や,そのベランダに三脚を立て,300mmくらいのレンズでシマフクロウを狙っている方がいた。「いくらシマフクロウが人慣れしているといっても,これでは何時になっても来ないでしょう!」と旅館の方にお話しした。すると9時30頃にはベランダに誰もいなくなったようだった。そして,その直後,シマフクロウのオスらしき個体がダイニング前から飛んできた。「ウーウー」と鳴くとき口を多少開け,喉をふくらませるのを双眼鏡で何度も見たので,最初に鳴くのが本当に♂なら,これが♂だ。
結局,9時30分ころから11時40過ぎまで,♂♀(緑リングで個体識別)が入れ替わり,やってきて魚を捕まえる様子を観察することができた。写真は,とにかくピントを合わせたつもりで,シャッターボタンを押しまくり,約150ファイル撮影した。結局その中でピントが合い,ぶれもほぼなかったのは1枚だけで,あとはまあまあ見られるものがここに掲載した分+αで,他はぶれとピンぼけだった。シマフクロウにしても2+2秒動かないでいるのは,ちょっと難しいのだった。約1時間は夢中になって写真を撮っていたが,だんだん飽きてきて,双眼鏡で行動を見るのが中心になったがその分,シマフクロウをよく観察することができた。
例えば,昨日はイワナを塀の上で時間をかけて食べているのを見たが,今日はすぐに丸呑みにする場面も見ることができた。イワナを捕るのにキタキツネと違って,1回池に入ればすぐ捕れるが,キタキツネは1匹捕るのに結構手こずっていた。さて,11時45分を過ぎ,池の左端,つまり部屋の窓からは真正面で餌を捕っていたシマフクロウが飛び立った。キタキツネが後ろからやってきたのだった。このキツネがなかなかしつこく,途中,ビデオカメラを取りに外へ行ったら逃げ出した。が,部屋に戻るとしっかり生け簀でイワナを捕っていて,結局1時を過ぎても行かなかったので,こちらが根負けして寝てしまった。
こうして「藤や」の連泊は終わったが,翌朝は最高の天気で青空が広がり,こんなに景色がきれいだったのかと改めて思い,帰路に着いた。
【写真】
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■生け簀にきたシマフクロウ。緑の足輪は左にしている。先に鳴いていたのはこの個体なので,これが♂かも知れない。後半は撮影に飽きてきて,双眼鏡でずっと見ていたので,後からやってきた♀?の写真は撮らずじまいだった。さすがに2秒タイマー+2秒露光を何度か繰り返し,そのたびにモニターで画像を確認するのは骨の折れる作業だった。双眼鏡でぼーっと見ていた方がずっと楽しかった。それにしてもキタキツネはしつこかった。しつこいから生きていられるのだろうし,そういう性格の動物なのだから,これは仕方のないことだった。
■シマフクロウの飛翔と鳴き声5.4M 45秒
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【場所】養老牛温泉旅館藤や
【種名】シマフクロウ(1科1種)
【メモ】昨夜の状況からシマフクロウ(とキタキツネ)の行動パターンと撮影の方法がわかってきたので,今夜は多少余裕があった。日中は激しい雨風だったので川は増水しており,餌を捕ることができず,生け簀にやってくるはずだと旅館の方も言っていた。また,今年は冷夏で,川魚が例年になく釣れないという。
さて,夕食は6時で,白ワインを飲みながら,一品一品味わいながら,時間までのんびり過ごした。そうしているうちに,シマフクロウの「ウーウー・ボーボー」という♂♀の掛け合いが聞こえてきた。昨晩はよく聞けなかったが,今日はかなりの大音量で聞こえる。かなりの低音で,ノートPCについているスピーカーでは録音したものが聞こえない。8時近くになり,シマフクロウが本館の屋根に止まっているというので,行ってみると確かに黒い影がいる。声は相変わらず大きく聞こえてくる。いよいよ8時になり部屋に戻って窓をレンズが出る分開けた。ビデオの方は外にセットして生け簀の左側から撮影できるようにした。というのも,昨夜の状況からするとシマフクロウが飛んでくるのはダイニングの方で,そこから自分の部屋の前を通って生け簀へ地面すれすれに飛んでくるのが見えたからだ。また川近くの塀に行かない限りは,同じように戻ってくる。つまり,何のことはない。部屋の前を往復しているわけだ。その間にも「ウーウー・ボーボー」がかなりの音量で聞こえる。
胸がわくわくしてきた。最初に,シマフクロウがよく止まる生け簀の向こう側の丸太とその脇にある岩にピントを合わせる練習を開始した。とはいってもほとんど暗いので,適当にフォーカスリングを前後に回してピントの山をさがし,そこで2秒のタイマーでシャッターを切り,画像を確認する繰り返しだ。ISO感度を1600にし,開放で2秒のシャッタースピードだ。つまり,目標をファインダーに捉え,2秒のタイマーの後,2秒露光することになる。露光の2秒間にシマフクロウが動かなければOKだが,動けば4つ目のシマフクロウになる(実際,10ファイル以上4つ目になった)。また,試行していてわかったのだが,三脚をつけてはいるが,1980円の軽くて安いものを購入して持ってきたため,実際にはシャッターを押しただけで微妙に動くこともあった。モニターを見ると周りの草がけっこうきれいな緑色に写っていた。
それから10分以上,シマフクロウなしの練習をしていたが,困ったことが起きた。セルフタイマーの2秒前の点滅が,夜だと意外と目立つのだ。鳥の撮影にストロボは使わないわないので非常に気になったが,タイマーを使わず手で押せばもう動いてぶれてしまうので仕方がない。
ところで,そうこうしているうちに肝心のシマフクロウがちっともやってこない。鳴き声は相変わらずしているから,きっと生け簀に来にくい理由があるはずだと思い窓の外を周囲を見ると,生け簀の右側方向にあたるベランダで,浴衣を着てたばこを吸っている方や,そのベランダに三脚を立て,300mmくらいのレンズでシマフクロウを狙っている方がいた。「いくらシマフクロウが人慣れしているといっても,これでは何時になっても来ないでしょう!」と旅館の方にお話しした。すると9時30頃にはベランダに誰もいなくなったようだった。そして,その直後,シマフクロウのオスらしき個体がダイニング前から飛んできた。「ウーウー」と鳴くとき口を多少開け,喉をふくらませるのを双眼鏡で何度も見たので,最初に鳴くのが本当に♂なら,これが♂だ。
結局,9時30分ころから11時40過ぎまで,♂♀(緑リングで個体識別)が入れ替わり,やってきて魚を捕まえる様子を観察することができた。写真は,とにかくピントを合わせたつもりで,シャッターボタンを押しまくり,約150ファイル撮影した。結局その中でピントが合い,ぶれもほぼなかったのは1枚だけで,あとはまあまあ見られるものがここに掲載した分+αで,他はぶれとピンぼけだった。シマフクロウにしても2+2秒動かないでいるのは,ちょっと難しいのだった。約1時間は夢中になって写真を撮っていたが,だんだん飽きてきて,双眼鏡で行動を見るのが中心になったがその分,シマフクロウをよく観察することができた。
例えば,昨日はイワナを塀の上で時間をかけて食べているのを見たが,今日はすぐに丸呑みにする場面も見ることができた。イワナを捕るのにキタキツネと違って,1回池に入ればすぐ捕れるが,キタキツネは1匹捕るのに結構手こずっていた。さて,11時45分を過ぎ,池の左端,つまり部屋の窓からは真正面で餌を捕っていたシマフクロウが飛び立った。キタキツネが後ろからやってきたのだった。このキツネがなかなかしつこく,途中,ビデオカメラを取りに外へ行ったら逃げ出した。が,部屋に戻るとしっかり生け簀でイワナを捕っていて,結局1時を過ぎても行かなかったので,こちらが根負けして寝てしまった。
こうして「藤や」の連泊は終わったが,翌朝は最高の天気で青空が広がり,こんなに景色がきれいだったのかと改めて思い,帰路に着いた。
【写真】
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■生け簀にきたシマフクロウ。緑の足輪は左にしている。先に鳴いていたのはこの個体なので,これが♂かも知れない。後半は撮影に飽きてきて,双眼鏡でずっと見ていたので,後からやってきた♀?の写真は撮らずじまいだった。さすがに2秒タイマー+2秒露光を何度か繰り返し,そのたびにモニターで画像を確認するのは骨の折れる作業だった。双眼鏡でぼーっと見ていた方がずっと楽しかった。それにしてもキタキツネはしつこかった。しつこいから生きていられるのだろうし,そういう性格の動物なのだから,これは仕方のないことだった。
■シマフクロウの飛翔と鳴き声5.4M 45秒
Copyright(C)2009 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.