私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

やっと昨シーズンのコアジサシ観察記録アップを終了しました。次は、9月の鳥の海のシギチです。ヨロネン、アオバトも登場。

2009年8月18日(火)名取・岩沼の休耕田

2009年08月20日 | 鳥の海
■2009/8/18(火)13:15-14:45【天気】曇り
【場所】名取,岩沼田圃,長谷釜,北釜
【種名】ゴイサギ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,カルガモ,トビ,オオタカ,ハヤブサ,チョウゲンボウ,キジ,バン,コチドリ4,メダイチドリ2,トウネン1,ヒバリシギ2,アメリカウズラシギ1,シベリアオオハシシギ1,アオアシシギ4,クサシギ3,タカブシギ+,オグロシギ2,オオジシギ1,オオセグロカモメ,ウミネコ,キジバト,カワセミ,ヒバリ,ツバメ,イワツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,モズ,セッカ,ホオジロ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(22科41種)
【メモ】名取ICで降りて,クロハラアジサシ田圃を見たが何もいない。近くの田圃の2枚の休耕田があり,たまたまそこを見たら,シベリアオオハシシギの幼羽がいた。区画整理した長い田圃の向こう側にいたので,証拠写真ということでまず4枚ほど撮影したが,アオアシシギ幼羽も2羽い。タカブ,クサ,アオアシの類は警戒心が強く,50mくらいはあったので少しは近づこうと思ってハッチバックを開けて長靴に履き替え,田圃を見たら何もいなかった。どっちに飛んだのかさえわからない。いずれ岩沼の田圃に行くだろうと思い,付近を巡回した後,岩沼に行った。シベリアオオハシシギの体型は双眼鏡で見るまでもなく,嘴の長さと頭の長さの比など特徴的だ。オオハシシギは識別の候補からまっさきに外れる。もう29年前になるが1980年5月に蒲生で見た夏羽が初見だ(写真上)。大学時代,オオソリとオグロシギの嘴以外の識別では,雨覆の模様が違うのを識別のポイントにしていた。斜めに流れるような模様のオオソリハシシギと,四角いタイル風のオグロシギ。飛べば,地味なオオソリに対し,オグロシギは美しい配色パターンが見られる。シベリアオオハシシギはまっすぐな嘴と縦長のやや小さい頭と,雨覆の流れ紋,足が黒いのが特徴。アメリカオオハシシギ(写真下)は以前フロリダでたくさん見たが,こちらはオオハシシギと似ているが嘴はshort- billedというくらいで,あまり長くはない。シベリアオオハシシギの体型に一番似ているのはオオソリハシシギだと思う。オオソリハシシギの嘴を真っ直ぐにしたら,シベリアになる感じ。雨覆いの流れ紋も似ている。誤解を恐れず言えば,シベリアオオハシシギは,オオジシギ,オオハシシギはタシギをもう少し立たせた感じだ。
お昼にしようかと思ったが,もう曇っているし,先にシギチを見に岩沼の3カ所の休耕田に行った。最初に一番近い田圃でオグロシギ,アオアシシギ,アメリカウズラシギを見て,他の休耕田でもいろいろ見たが,小さくしか撮影できなかったものが多かった。
ところでアメリカウズラシギを最初に見たのは学生の頃9月にカウントで行った伊豆沼中の干潟にいた個体だ。確か5,6羽小さく写っている中の1羽がアメウズだったはずだ。ちなみにスライドをプロジェクタで映してみたのは2003年が最後で,学生時代からの膨大なスライドはまだ捨てないであるが,見るのが怖い(菌糸がはっていたりするので)。最後はラーメンを食べて帰宅した。
【写真】
  
■シベリアオオハシシギ幼羽とアオアシシギ幼羽。いくら何でもこの写真で終わりというのは悲しいので,いればもう一度見に行きたいものだ。/アオアシシギ幼羽の飛翔と羽のパターン
  
■タカブシギ幼羽,オグロシギ幼羽,アメリカウズラシギ成鳥夏羽♂/先頭からタカブシギ,オグロシギ,アメリカウズラシギ,オグロシギ
  
■オグロシギ,タカブシギ,アメリカウズラシギ/タカブシギ幼羽
  
■アメリカウズラシギ成鳥夏羽♂


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2009年8月18日(火)石巻雲雀地区

2009年08月20日 | 石巻雲雀地区
■2009/8/18(火)9:40-12:00【天気】曇りのち晴れ
【場所】石巻雲雀地区
【種名】カルガモ,スズガモ♂♀,ミサゴ1,トビ2,キジ♂1,コチドリ成鳥2・幼羽3,メダイチドリ夏羽後期2・幼羽8,ムナグロ幼羽1,トウネン成鳥夏羽後期4・同冬羽移行個体1・同幼羽15,
ソリハシ幼羽4,コオバシギ幼羽2,オバシギ幼羽2,イソシギ幼羽1,オオセグロカモメ,ウミネコ,キジバト,ヒバリ,ハクセキレイ,ハシボソガラス(10科19種)
【メモ】夏季休暇を8月後半から9月初旬に取って平日にシギチを見ることにした。今日は3/5回だが,鳥見は今回が最初だ。さて石巻雲雀地区の埋め立て状況だが,かなり進んできているようだ。いつもは時計回りで行くのだが,ダンプが土埃をあげてどんどん走っているので,右から行くことにした。アカアシシギやコアオアシシギなどが前にいたところは完全に埋め立てられていた。コチドリが数羽いたが防波堤に出るまで何もいなかった。さて,対岸を眺めていると,オバシギとコオバシギが飛んできた。近くに降りたので餌を捕りながらやってくる前方でじっとしているとどんどんやってきた。距離で3mくらいか。埋め立て地の縁が土留めがされており,傾斜に座って待っていると,トウネンやソリハシシギ,メダイ,ムナグロもやってきた。コオバシギのおそらく一方の個体は,以前,ハヤブサか何かに襲われ,かなり怖い目にあったのか(はわからないが),体を低くして水面に半分身を沈める避難体勢を取る。もう一方のコオバシギが,側にいて「いいかげんにしたら?」みたいな感じで相棒を見ている。ここではいつものとおり1カ所に1時間30分ほどしばらく座って目の前の小さいトウネンやその他のシギチを見ていた。ダンプが後ろをばんばん通るが,シギチも自分もお構いなしだ。何と言っても肉眼でシギチを見るのが一番目も疲れないし,写真は適当におもしろいシーンがあると撮影する。12時近くになり,他のシギチは来ない感じだったので,しばらく歩くと,トウネンの夏羽と幼羽の群れがいて,ヨロネンを探したがいなかったので,あとはほとんど埋められそうな池を見て名取り・岩沼に向かった。
【写真】
  
■オバシギとコオバシギ幼羽の飛翔。上面と裏面のパターンが違うのと,コオバシギはオバシギのようにコントラストがなく,頭部・胴体がもあもあした感じに見える。
  
■オバシギ幼羽。コオバシギ2羽,オバシギ2羽の計4羽で行動していた。
  
■オバシギの翼下面。脇羽・三列風切り,下小雨覆・下中雨覆・下大雨覆,下初列中雨覆・下初列大雨覆,初列風切りがよく見える
  
■よほど前に怖い目にあったのか,コオバシギの片方の個体は,ウミネコ幼羽が近くを飛んだだけで,避難態勢を取った。
  
■爆音をあげて飛んでいるF2かT4には反応しなかったが,赤っぽい前の型らしい練習機の高音に反応してまたしても,避難態勢。もう1羽はあきれたように相棒を見ている。まあ,怖いときは待避した方が,本物のハヤブサなんかが来たときはかえって命を守れるかも知れない。臆病なことは必ずしも生きるためにマイナスになるとは限らないのだ。
  
■トウネン幼羽。残念ながら今日はヨロネンには会えなかった。
  
■ソリハシシギ幼羽とメダイチドリの群れ。メダイチドリは成鳥と幼鳥が混じっている。
  
■ソリハシシギは2羽行動していた組が2つあった。/ムナグロ幼羽
  
■メダイチドリ幼羽
  
■トウネンで夏羽がまだかなり残っている個体/夏羽と幼羽/夏羽に冬羽が被さってきている個体。喉あたりもかなり白くなってきている。



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