「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        菅総理の延命と復興計画の先送り

2011-05-03 07:23:51 | Weblog
第一次補正予算案が昨日国会で可決されて遅ればせながら、震災復興に向かって一歩前進した。菅総理の計画では、復興構想会議に対して、復興の青写真を6月中に提示させ、それに基づいて第二次補正予算の編成に入るということだ。しかし、6月22日の今通常国会の会期までの編成はまず不可能だ。臨時国会へのずれ込みは必至である。うがった見方をすれば、今から内閣の延命を策しているのではないか。

66年前の敗戦時の戦災復興計画を見て見た。敗戦時のわが国は、全国の215都市、64,500haが空襲で焼失、被災面積から見れば、今回の東日本大震災の比ではないが、敗戦という精神的ショックにもかかわらず、敗戦から80日には戦災復興院が発足し、民間から小林一三氏を招き、年内の12月30日には「戦災復興都市計画」が閣議決定している。

復興計画案は当時の内務省の都市計画局長だった大橋武夫氏(後の運輸大臣)ら若手官僚が立案したが、小林一三総裁は復興に当たって地方自治の観点から地方の意見を大幅に取りいれ、それに委ねたようだ。この結果、地元の関係者の復興への意欲と市民の協力が得られた名古屋、広島、神戸、仙台などは見事に復興した。しかし、それが得られなかった東京、横浜は大掛かりな復興が出来なかった。

構想会議のメンバーが連休中、被災地をまわり、地元の関係者から話を聞き、その結果が14日に緊急提案として発表される。その後、実務的な復興計画に当たるチームが検討実施に入る予定のようだ。ここにも菅総理のお好きな”屋上に屋を重ねる”ムダがあるように僕には思えるのだが。構想会議など設けず、つくば学園都市の優秀なスタッフを持つ政府のシンクタンクに丸なげしたほうがよかったのでは。