「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         お茶の風評被害は政府の責任

2011-05-15 07:02:22 | Weblog
八十八夜をすぎ、野にも山にも緑がしげる新茶のシーズンだというのに神奈川県産「足柄茶」から暫定基準値を越える放射性セシウムが検出された。神奈川県では早速セシウムが検出された小田原市など5市町村産のお茶の出荷の自粛を要請したといわれる。

原発事故の東電福島第一原発から、この金時のお伽話で知られる足柄地区までは、多分直線距離でも100㌔以上は離れている。何故、こんな遠いところまで放射能チリが飛んできて、よりによってお茶の葉だけに付着するのだろうか。不思議だ。もちろん、この「足柄茶」を飲んだからといって、今すぐに健康に害があるわけではないと思う。

箱根山を越えれば、わが国有数のお茶どころ静岡がある。また埼玉県には首都圏一の「狭山茶」もある。新聞報道では、これらの地区でもあわてて、セシウムの暫定基準値を越えているかどうか、モニターリングして検査中とのことだ。

お茶は、われわれ日本人にとっては日常生活には欠かせない。「足柄茶」の報道を知って放射能チリの拡散が、事故地からの距離だけではなく、他の要因があることを僕は改めて知ったが、不思議なのは政府の対応である。神奈川県のとった出荷自粛措置に対して、何もコメントしていない。

先日も郡山市が市内の学校が校庭の表土を削っても直後には文科省は、なすがままにしていた。一体、政府と地方自治体との間の放射能被災対策の連携はどうなっているのだろうか。こんなところに風評被害が生まれる余地があるのではないか。すでにネットでは、お茶についての風評が飛び交っている。