「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          東電の海水注入の”田舎芝居”

2011-05-27 07:11:39 | Weblog
谷垣自民党総裁も言っていたが”あいた口がふさがらない”とは、まさにこのことだろう。昨日、突然、東電が被災翌日(3月12日)の1号機への海水注入中止はなかったと、言い出した。先日の国会で、海水注入が誰の命令で一時(55分)停止されたかをめぐって、菅総理の責任まで出て追及されていた重大問題だ。それを今になって、内部で再調査したら、現地所長の独断で注入中止は行われなかったというのだ。

昨日、僕はたまたま家の有線テレビのニュース番組で東電の武藤栄・副社長のこの発表後の記者会見を途中からみたが、正直いってあまりの唐突の常識では考えられない内容なので最初はなんの事だかさっぱり解らなかった。記者たちも”くさい”と思ったのであろう。東電と政府との間に、この発表に至るまでに”口うらあわせ”があったのではないかと追及していた。こうちょくちょく政府と東電との間にズレがあれば、誰だってそう思う。

武藤副社長の記者会見で僕が感じ取ったのだが、当日、東電が海水を”試験注入”してから数時間、官邸では、その是非をめぐって激しい議論があったのは事実で、総理とは名指さなかったが、アモックになっていた人物もいて、その空気を読み取った官邸に詰めていた東電の社員が現地に一時停止を進言した。しかし、現地の吉田昌郎所長は、これを無視して注入を続行したというのが筋書きのようだ。

ここまで”嘘の上に嘘を重ねた”政府と東電の発表になると、国民は素直に信じなくなる。”口うら合わせ”があった上での東電が打った”田舎芝居”ではないかとさえ思いたくなる。折しも主役の菅総理はG8首脳会談出席で日本を留守にしている。そしてIALA(国際原子力機関)から調査団が来日している。この時期を狙った”田舎芝居”では、国民はたまったものではない。