「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       初動対応の混乱は菅総理の責任だ

2011-05-24 06:54:28 | Weblog
東電福島第一原発事故直後の政府の初動対応について自民党の谷垣禎一総裁や公明党の斉藤鉄夫議員(元厚労相)が昨日の衆院東日本震災復興特別委員会で菅総理や海江田万里経産相、原子力安全委員会の斑目春樹委員長の責任を追及した。しかし、菅総理は初動時の問題点とされる原子炉への海水注入の中断については、自分の命令ではないと否定した。では、誰の指示で中断されたのであろうか。

僕はこの国会での野党議員と政府関係者とのやり取りをテレビでみたが、改めて事故直後の政府内部の混乱を知り、原因は単なるベント(排気)の遅れとか海水注入の中断といった技術的な問題ではなく、政府の事前の原子力災害対策のお粗末であって、これは天災だけではなく人災であると思った。

素人の僕がみても、おかしなことが随分ある。政府は東電に対して事故後すぐベントを指示したというが、東電は何故これを実施しなかったのか。そんな段階で菅総理が斑目委員長と一緒に防護服も着用せず現地へでかけ、緊急対応で多忙な現地側と一時間も何を話をしていたのだろうか。この時1号機はすでにメルトダウンしていたという。多少なりとも原子力災害に通じていたら、溶解の可能性は知っていたはずである。

事故対応の不味さの象徴的なのは「SPEEDI」(緊急放射能災害影響予測ネットワーク)が”宝のもちくされ”であったことだ。126億円もかけて作ったこの装置の予測は災害対策本部のある官邸に届いたのかどうか。原子力安全委員会では”社会的混乱を起こす”との理由で公表しなかったとう。この結果、飯館村などの計画避難地域の指定が遅れてしまった。

昨日の国会で斉藤議員が、これについて追及すると、斑目委員長はこともなげに「SPEEDI」 の所管は文科省だと答弁していた。この人は原子力安全委員会がどんな委員会なのかご存知なのだろうか。委員の任命権は国会の同意があるにせよ総理である。