「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       困る 農水省と厚労省の放射能漏れ見解

2011-05-22 06:50:57 | Weblog
神奈川県の「足柄茶」についで原発事故の地元、福島県を始め隣接の茨城、栃木県さらには千葉県産の生茶葉からも政府の暫定基準値500ベクレルを超える放射能セシウムが検出されたという。それぞれの自治体で、生茶葉の出荷を自粛しており、われわれの茶の間には届かず安心だが、国がこの一連の出来事に”静観”しているのは何故なのだろうかー。

新聞報道によると、生茶葉は乾燥加工して荒茶にすると、放射能セシウムの数値は上昇する傾向にあるとのこと。このため厚労省では、荒茶についても検査する方針を決めた。ところが、生産者擁護の立場をとる農水省は、生茶葉が国の基準値以下なら問題ないという立場をとっている。素人の僕には判らないが、何故荒茶にすると放射能数値が上昇するのかが解らない。また、放射能セシウムの上がった荒茶を飲んでも健康には問題はないのだろうかー。

政府の二つの省の見解が、このように違うのでは地方の自治体も困るし、一番当惑するのは消費者である。どうも、このお茶の問題に限らず、国の原子力災害対策は今一つ統一性にかけており解りにくく、後手後手の感がする。農産物、水産物についての出荷制限、摂取制限について、国会での答弁は、市場に出回っているものは安全である。詳しくは厚労省のHPを見ろ、という。あまりにも”お役所的”な対応である。

郡山市の小中校が校庭表土の放射能汚染を心配して削りとった問題、福島市の学校が屋外プールの使用を禁止した問題など、いずれも国の放射能災害対策の一貫性の欠如からきているものだ。これが風評被害の温床になっているように僕には思える。