「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日系外国人の就労と「外国人技能研修制度」

2014-06-14 05:20:22 | Weblog
少子高齢化による勤労世代の減少がもう始まったのであろうかー。日本の社会の3K職場(きたない、きつい、危険)を中心に人出不足が出ていたようだ。外国人の入国を管理する法務省では有識者に対して、その対応策を検討してもらったところ、現在の「外国人技能研修制度」を大幅に改正し、在留期間を現行の3年から5年に職種も68職種から、さらに「介護」まで広げるべきだと答申してきた。「介護」の分野は、すでにEPA(経済連携協定)に基づくインドネシア、フィリッピンなどとのの別な制度もある。これを一本化しようと、いうのであろうか。

20年来知り合いの日系インドネシア人三世(女性)Sさんから”また働きに来ました”と葉書を貰った、彼女の祖父は戦後インドネシアに残留した元日本軍人だが、1990年、入管法の改正で、日系外国人が日本で長期滞在できるようになり、家族と共に来日した。彼女の父親(二世)は以来、日本に在留、日本の企業で働いている。しかし、Sさんはインドネシア人と結婚、祖国に帰国したため、子育てが終わって再び、日本で就労したくともビザがおりないらしい。今回も正規な就労ビザではないようだ。

アジアの日系人は数が少ないが、ブラジル、ペルーなどの日系人の就労者は全国で20万人を越えるといわれ、今や外国人労働者の一大勢力となっている。群馬県の大洗町などは人口の一割が中南米からの日系人であるという。地元自治体や企業の努力で、受け入れ体制も確立してきているようだが、それでもまだ言葉や習慣の違いからトラブルがたえない。

これに対して「技能研修制度」は評判が悪い。受け入れ企業の中には賃金不払いや、仕事の説明不足などから外国就労者から訴えられたり、逆に研修終了後も不法に滞在しているケースも多い。法務省はこのような状態は熟知しているはずである。これを放置したまま、産業界からの要望で研修制度を一方的に改正したら、極論すれば、日本は無法国家になる。外国人労働者受け入れについて、きちんとしたコンセプトを持つべきで、入管管理は厳しいほどよい。