「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”極力自分で歩くという意志は持つべき”だが。

2014-06-19 05:46:11 | Weblog
70年来の「竹馬の友」からメールが入り、先日の「父の日」娘さんの招待で箱根へ出かけたところ、坂道で転倒、手足をしたたか打ってしまった。肝心の温泉には入れず、美酒も飲めず、さんざんな目にあった、と知らせてきた。しかし、頭は打たなかったらしく、本人もいうように、不幸中の幸いであった。親友は数年前、渋谷の歩道橋でも、足を滑らして転んだ”前科”があり、十分注意をしていたのだが、やはり年齢には勝てない。

たまたま産経新聞のコラムに愛読している作家、曾野綾子さんが「極力自分で歩く意志「というエッセーを書いておられた。曾野さんは76歳の時、杖をつきながら海外の地雷撤去現場へ出かけた体験を書かれているが、その時、でこぼこの大変な道であったが、他人へ迷惑をかけてはと歩いた結果、足腰がよくなった、といった趣旨のものだ。80歳を越えた曾野さんの周囲にも”行動に不自由を感じる”高齢者が増えてきたが”極力自分で歩くという意志”を持つべきだ”というご意見だ。

昨年暮、僕も左膝の人工関節置換手術で1か月入院した。数年来の痛みで、このままなら車イスのお世話にもなりかねないというので、思い切って手術を決断した。高齢者には厳しい手術だったが、お蔭で今は自分の足で歩行できるまでに回復した。どうしても高齢になると足腰が弱り、その結果、家に閉じこもりがちになり、社会との接点もなくなり老化も進む。その意味で、曾野さんのいう”極力自分で歩くという意志”は必要である。僕もまったく同感なのだが一方では”転ばぬ先の杖”という諺もある。高齢者の中には”杖”に対して変な抵抗があるが、大事に至ることもある。恥ずかしがらず、無駄な抵抗はせず、杖を持つことをお勧めする。