「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

河野洋平氏の強制売春についての無知誤解

2014-06-23 05:41:02 | Weblog
「河野談話」のご当人、河野洋平氏が有識者の検証報告書を受けた後山口市内の講演の中で”報告書は引くべきもたすべきもなく、すべて正しいと発言したという。どうも河野氏は、この問題の肝心な点が理解されていないか誤解されているのではないだろうかー。慰安婦の強制連行について”(慰安所の)中に入ってしまえば、軍の命令に逆らえない。その意味で強制性はあった”と新聞報道にあった。

戦前生まれ(昭和12年1月)といっても河野氏は、33年3月、売春禁止法が施行されるまで、残念ながら日本に売春制度があったのをご存知ないのだろうか。知識があっても、まだ子供でその実態をご存知ないに違いない。政治家の河野一家が地盤とする神奈川県平塚市にも、江戸時代から宿場の”飯盛り女”(売春婦)がいて、現在の平塚三丁目に遊郭があった。軍の管轄下でなくとも、慰安婦は契約に縛られて自由がなかった。しかし、今わが国で問題視している”強制”は、日本軍が一般女性を強制的に連行して”性奴隷”にしたという点である。

河野洋平氏は”昔はよその国でも売春があったというのは卑怯なことだ”と意味不明な発言をしているが、籾田NHK会長が言うように、今でもオランダでは”飾り窓”売春が行われ、観光スポットの一つになっている。韓国でも”キーセン”売春は公然の秘密だという人もいる。河野氏は「河野談話」は日韓関係を良好にするために発表したと発言しているが当たり前だ。しかし、政治家としての相手国への認識が甘すぎた。

喜寿を迎えられ、衆院議長までされた河野氏だが、8月15日の戦没者慰霊式典で、場違いの”侵略戦争”謝罪発言をするなど、おかしな歴史認識の持ち主である。同世代のノーベル賞作家、大江健三郎と共通なものがある。戦後すぐの進駐軍教育を受けた後遺症なのだろうか。