「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「白頭山節」歴史認識

2018-09-21 05:23:34 | 2012・1・1
北朝鮮を訪問した韓国の文在寅大統領は、金正恩委員長との間に平壌宣言に調印、親善の最後の締めくくりとして、金委員長の勧めで、民族の聖地、白頭山に登った。白頭山は中国との国境近くの北朝鮮最高の山(2744m)で、北朝鮮初代委員長、金日成が抗日パルチサン活動の根拠地とした地だ。

白頭山の名前を聞いて、僕は瞬間的に「白頭山節」を想い出した。抗日運動の聖地より、僕は「アリラン」「トラジ」と共に「白頭山節」が朝鮮人の民謡であるのを知っていた。僕は特に朝鮮とは関係ないのだが、子供の時、よく耳にし、まだメロディは覚えている。歌詞は忘れていたが、調べてみると、「白頭山地に積りし雪は溶けて流れて鴨緑江へ 可愛い乙女の化粧水}(1番)で、作詞作曲者は不明。白頭山の民謡らしい。

さらに調べてみると白頭山節は戦争末期、特攻隊のこんな替え歌になっていた。「燃料片道テンツルシャン涙で積んで征くは沖縄死出の旅」九州の知覧から沖縄戦線へ飛びたつ特攻隊員の間で歌われたという。

戦後生まれの南北の二人の指導者はおそらくこんなことは知るまい。白頭山の近くには、日本統治時代、日本が建設した当時世界最大級の水豊ダムがある。今でもこのダムから生まれる電力は北朝鮮で役立っている。二人の指導者は、過去の歴史をどこまで知っているのだろうか。北の非核化が完全に終わったあと、南北ががどうなるだろうか。我が国との”正常化”はそのあとだろうが、歴史認識をめぐって解決の道は遠い。