Go to トラベルが昨日から東京発着にも適用されるようになったが、テレビの情報番組を見ていたら今年は学校の修学旅行に異変が出ており延期したり場所を学校の近くに変更したりする学校が多いという。この二つの社会現象を見て90歳老人は今一つ矛盾みたいな感じがする。一方で旅行を勧ながら一方では逆である。
大方の人にとって人生最大の想い出の一つは修学旅行ではないだろうか。僕も78年前の昭和17年(1942年)10月、東京の国民学校(小学校)6年生だった時、関西へ出かけた4泊5日(往復車内泊2日)の「参宮旅行」が忘れられない。戦前から東京では小学校6年生時に関西へ修学旅行へ出かけていたが戦争のため中止されていた。それがこの年に限り緒戦の勝利のおかげか復活した。ただし、戦勝を神に祈るという意味で参宮中心の旅であった。
卆寿の年になっても参宮旅行が忘れられない。昔の仲間と往時の話をするが、伊勢神宮や樫原神宮、平安神宮を参拝した話ではない。旅館で同宿した他校の生徒と枕の投げ合いをした話。奈良の鹿せんべいを食べてみた話。帰京の夕方、京都の駅前の旅館でだしてくれたコロッケの美味しかった話など他愛もないことばかりだ。
テレビでオンラインで修学旅行を楽しんでいた学校があった。コロナ禍時代の趣向なのだろう。これも想い出作りにはなるとは思うが卆寿老には寂しい。