10月17日は戦前昭和の時代「神嘗祭」(かんなめさい)と言って皇室の行事にならって国の祝日であった。同じ週の23日も靖国神社の秋の例大祭で東京の学校は休日であった。ちょうどこの時期、東京では日蓮宗の本山、池上本門寺で開祖の遠忌に当たるお会式が行われ、30万人もの人出で賑わう。江戸時代からの秋の風物詩であったが、今年はコロナ禍のため中止となった。昨年も台風で中止で2年続けて名物の万灯行列がみられていない。
お会式だけでなくわが家の宗派、浄土宗でも今年は10月に行われているお十夜が中止だと通知があった。コロナの三密を避けてのお寺の判断だが、あまり信心深くない僕からみても行き過ぎのような気がするのだが。靖国神社は17日から例年通り3日間大祭が行われる。コロナ.ウィルスなどに負けて中止しては英霊に申し訳ない。
馬齢を重ねて90年生きていて感じるのは戦前からの神事仏事、伝統行事が敗戦を境に消えていったことだ。その一つはこれから歳末年始にかけての江戸の行事である。他国のお祭り、ハロウィンは年々賑やかになっていくが、千歳飴の袋をさげた七五三詣ではどうだろうか。酉の市も昔の賑わいはない。心配なのは一度中止になると、なかなか復活出来ないことだ。僕が生きてきた90年だけでも神事仏事.伝統行事が数多くある。