きょう3月3日は桃の節句(上巳節)ひな祭りである。だが、残念ながらわが家ではここ数年、ひな人形を飾ってお祝いしたことがない。屋根裏の物置に置いたのが失敗のもとで、足腰の弱くなった老夫婦には階段が登れなくなってしまった。
僕のひな祭りは戦前昭和、子供だった頃の”あかりをつけましょう ぼんぼりを”の童謡「うれしいひな祭り」の想い出の中だが、何故か、お内裏さまや三人官女の人形よりは、ひな壇に飾られた菱餅が記憶にある。戦争が激しくなり、花より団子のさもしい時代だったからであろうか。
ひな祭りの起源は3月最初の「巳」の日で、古代中国魏の行事に由来しており遣唐使がもち運んできたものらしい。魏ではこの日に三色の餅を作り祝ったがそのうちの一色緑には水草の「菱」を入れたという。人形を飾るひな祭りは日本だけだが、わが国では「母子草」を使った。時代が移り今は何を使っているのであろうか。それより、コロナ騒ぎ売れ行きはどうだろうか。