その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ベルディ オペラ「リゴレット」

2009-02-15 00:13:31 | オペラ、バレエ (in 欧州)
ロイヤルオペラのベルディ「リゴレット」を見に行きました。

 今回は、今までで一番いい席を取りました。バルコニー席のほぼ中央の最前列です。値段も高いだけあって、良く聴こえることにびっくり。歌手の声が直接聴こえるだけでなく、天井からも反響が良く聴こえるため、360度サラウンドステレオという感じです。席によってこんなに聞こえ方が違うのかとびっくりです。


 公演も最高でした。作品そのものの面白さに加え、歌手の歌と演技、オーケストラの演奏、演出などなどすべてが素晴らしく、2時間余りの公演を、緊張感をとぎらせることなく、集中して楽しむ事ができました。

 いきなり肝を抜かされました。第1幕第1場で侯爵邸の大広間で舞踏会の場面があるのですが、舞踏会というよりも殆ど乱交パーティ。ずいぶんエロチィックな場面だなあと思っていたら、なんと、一組の男女が突然、全裸になってからみ始めるではないですか。女性は胸も、男性は下半身も丸出しです。ものすごいナマナマしさなのですが、パーティの位置づけとか雰囲気を見事に表しているとも言えます。まあ、とにかく、驚かされました。

 「美と醜」「善と悪」「愛と憎」という対立構造がうまく織り込まれている「ストーリーの面白さに加え、作品全体に、アリアや重唱の見せ場が散りばめられていて、楽しめます。このオペラを見るのは初めてなのですが、聞き覚えのある曲が沢山入っていて、すんなりと入っていけます。

 最も印象に残ったのは、リゴレット役のLeo Nucciとジルダ役のEkaterina Siurinaです。Leo Nucciは、迫力のある歌声もさることながら、人生の苦しみをすべて背負ったかの如くの、迫真の演技でした。Ekaterina Siurinaのソプラノは会場全体に響き渡り、ジルダの純真な愛が表現されていました。

 とにかくブラボーでした。(★★★★★)


ジルダ役のEkaterina Siurinaの挨拶です。


リゴレット役のLeo Nucciです


指揮のDaniel Orenを交えて。



Rigoletto
Saturday, February 14 7:00 PM

Credits
Composer;Giuseppe Verdi
Director;David McVicar
Set Designs;Michael Vale
Costume Designs;Tanya McCallin
Lighting;Paule Constable
Choreography;Leah Hausman

Performers
Conductor;Daniel Oren
Duke of Mantua;Francesco Meli
Rigoletto;Leo Nucci
Gilda;Ekaterina Siurina
Maddalena;Sara Fulgoni
Sparafucile;Brindley Sherratt
Giovanna;Elizabeth Sikora
Count Monterone;Iain Paterson
Marullo;Changhan Lim§
Matteo Borsa;Daniel Norman
Count Ceprano;Vuyani Mlinde§
Countess Ceprano;Louise Armit

コメント (2)
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