その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ブダペスト旅行 (その3) 美術館・博物館

2010-12-15 00:24:40 | 旅行 海外
 ロンドンにも美術館/博物館はたくさんありますが、ブダペストの博物館の多さにも驚かされます。国立美術館、西洋美術館、現代美術館、歴史博物館、民族博物館、地下鉄博物館、交通博物館、農業博物館国立民族博物館、国立博物館、電話博物館、音楽史博物館、軍事歴史博物館、切手博物館、郵便博物館・・・・。今回は時間が限られた中であったので、3つの美術/博物館に足を運びました。

*西洋美術館(ホームページはこちら→)
 英雄広場に向かって左手にあります。王宮にある国立美術館がハンガリー人画家の作品を展示してのに対し、こちらはハンガリー人以外の西洋美術館になってます。つい先日まで、この美術館の特別展がロンドンの王立美術院で開催され、目玉作品はロンドンに来ていました(こちら→)。その美術展がとっても良かったので、本家本元にも素晴らしい絵がたくさんあるに違いないと思い、出かけました。そしたら、期待通り。イタリア、スペイン、ドイツ、ネザーランド、フランス等、ルネッサンス以降の主要な作品が展示されており、手軽に美術史が概観できるようになっています。ただ、確かに目玉作品は遠征中なので、これらを目当てに来た人はちょっとがっかりしたかもしれません。





*恐怖の館(ホームページはこちら→)
 ちょと名前がお化け屋敷見たいですが、とっても良くできた博物館です。この建物は、第2次大戦中は極右政党「矢十字党」の本部として、そして戦後は共産主義の秘密警察が本部として使った建物です。第2次大戦中からそれ以降の、ナチスによる占領、ソビエトによる占領、ハンガリーの共産等独裁、そして解放に至るまでのハンガリーの苦難の現代史が、当時のナマ史料をもとに、とてもよくわかりやすく展示されています。ハンガリー人も第2次大戦後ソビエトにシベリア強制労働に駆り出されていたともはじめて知りました。



 正直、非常に重い気分になりました。政治犯として収容された人、共産政権から生命を奪われた人のことに思いを寄せると、現実の絶望と将来の希望の狭間の中で、この人たちは何を求め、何に生きていたのか?仮に自分が、思想・信念と生活・生命との選択を迫られた時、どういう行動を取るだろうか?自由を失い、命を奪われることが間近であったこの時代の生きたハンガリー人と比べれば、今、先進国と言われるなかで生活できる自分達はなんと幸せなことだろうか。空気のようにしか感じていない「平和」や「自由」は今の生活の大前提であることを、今更のように確認させられます。それを忘れてはいけないし、それを後世に残す努力も怠ってはいけないと思いました。

(戦車の後ろにある縦長のパネルには、ナチ、ソ連、ハンガリー共産党に犠牲になった人たちの顔写真が掲載されています)


*国立博物館 (http://www.mnm.hu/en/fooldal/mainPage.phpホームページはこちら→)
 ここは、石器時代から現代に至るまでのハンガリーの歴史を年代順に遺跡、遺品、史料を通じて、展示するというものです。これも、素晴らしくよくできた展示でした。正直、国としてのハンガリーのことは、これまであまり知らなかったのですが、ハンガリーというのがいかに「侵略される側」の国であったことが良くわかります。ハンガリーの歴史とは、紀元直後の昔から、ローマ、トルコ、ハプスブルグ、ドイツ、ソ連と、隣国の強国からいつも蹂躙されてきた歴史なのです。

 島国日本の歴史とのあまりの違いに驚かざるおえません。このような被侵略の歴史を持つ人々に日本的な平和主義を唱えても、正直全く理解されないでしょう。まさに、国は防衛があって初めてめて成り立ち、戦争がないところに初めて国民の自由も正常な経済活動もあるのだという世界史ではあたりまえのことに改めて気づかされます。




 蛇足ですが、ブダペストの博物館は写真撮影はできるのですが、写真撮影には入場料の3倍近くの写真撮影代金を払わなければいけません。これは、なかなか良く出来た仕組みで、「代金を払えば撮影してもいいですよ」と言われると、かえって撮影もしないものですね。
コメント (2)
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