その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

5年日記

2010-12-31 20:31:45 | ロンドン日記 (日常)
 日本ではもうお正月でしょうが、こちらイギリスではあと4時間弱、2010年が残っています。

 今日は大晦日なので(?)、ちょっとパーソナルネタを。

 ついさっき、5年日誌の5年目最終日を書き終えました。この5年日誌は、たまに近しい人にお薦めしていて、私が10年程続けている自己記録です。日記と言っても、一行8センチ×7行あるだけですので、その日にあったことや思ったことを簡単に記録するだけです。しかし、この記録は5年、いや2年も書いていると、とてつもない気づきを自分自身に与えてくれます。

 私にとっての大きな気づきは3つぐらいありました。

① 人の記憶はとっても曖昧、すぐ風化
 一番驚いたのは、人の記憶と言うのが如何に曖昧で、忘れやすく、かつ自分の都合の良いように自分の中で修正されるかということです。滅多に読み返すことはないのですが、たまに「そういえばここ数年の年末はどうやって過ごしていたのかなあ?」と見返すと、数年前の家族旅行、数年前の仕事上の困難、読んだ本など、驚くぐらい忘れていたり、違って記憶していたりするんです。私は比較的、昔の事柄に対する記憶力は良いと思っていたのですが、全然違いました。もちろん、記憶が風化するということは良いこともあるんでしょうが、その時の感動や悩んで考えたことまで、風化してしまうのはもったいないです。(そういう意味で、いわゆる「回想録」とか、捜査上の「自白」というのが如何に当てにならないかというのを、体感しました)

② 5年もたつと、少しは成長
 毎日、会社行って、夜、結構遅くまで仕事して、酒飲んで、週末はふらふらする。毎年、こんなことを繰り返しているのですが、それでも数年も記録がつくと、毎年なんだかんだ言って前に進んでいることが分かります。今の自分は、数年前には全く想像もしていないようなところに居て、考えもしなかったようなことをしているということにも気づきます。これは、今、自分が海外で生活しているからではなくて、この多年日記をつけはじめた10年ほど前からの気づきです。家族のこと、自分のこと、仕事のことで、いつも何からかの悩みや、悔みがあるのですが、時としてそれは能動的に克服するし、廻りの助けを得られる時もある。そして、時には、放っておいただけで時間が解決してくれました。もちろん、そのままのものもあります。でも、こんなことが分かるだけで、自分の周囲の皆さんや新たな人との出会いの大切さに気付きますし、自分自分にはプチ自信を与えてくれるのです。

③ 将来への決意につながる
 そして、自分が前に進んでいることが少しでも実感できると、また将来への決意、希望につながります。もう、私は、マラソンで言えば人生の折り返し地点は廻っているはずですが、過去の積み重ねを可視化できることは、間違いなく未来の希望になります。そんな大げさなことではなくても、「昨年、一昨年、こんなこと考えていたけど、今こんなことを考え、行動している」ということを知ることは、また「じゃあ来年は、今はこう考えているけど、きっとどっか行っているだろうな~」というかんじで、半分は自分の意思の明確化作業と、半分は運命の流れに身を任せようという諦念のような感覚が合わさって、自分の中で不思議なバランスが取れるんです。

 とはいっても、私自身、記入率は80%ぐらい。それも、週末に1週間まとめて書くというのもしょっちゅうです。でも、数行のメモなら1週間分はまとめて書けますし、1週間まとめて書いたことでも、1年経つと全く忘れていることも多々あるのです。

 明日からまた新しい5年日記の1ページが始まります。


 皆さまの2011年が素晴らしい年になりますように。

 2010年12月31日

※今日でお役御免の日誌と明日からの日誌 


※5年後にはどんなことが書き込まれているのだろうか?

コメント (6)
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