その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

チェコフィルハーモニー管弦楽団/ インバル/ マーラー交響曲一番 @アテネ

2011-11-25 22:41:42 | コンサート (in 欧州)
 わざわざアテネに来てまでコンサートに行かなくても良いと思うのだが、演奏会があるとついつい足が向いてしまう。今回はたまたまチェコフィルの引っ越し演奏会と重なったので、アテネでチェコのオーケストラを聞くという妙な取り合わせとなった。

 会場はアテネの中心部シンタグマからも近いメガロムシキ(アテネ・コンサートホール)。アテネ市内の建物はどれも古ぼけていて冴えないのだが、このコンサートホールは新しく、眩いばかりのコンサートホールだった。ホール内も、舞台後ろにオルガンが設置され、木の壁に囲まれた雰囲気は、なかなか本格的で高級感も漂うものだった。

 



 この日の演奏はマーラーシリーズ。1曲目はプレガルディエンのテノールによる「さすらう若人の歌」。意外とあっさり終わってしまったが、前菜としては丁度良かったかも。

 休憩後はマーラーの「巨人」。これは素晴らしい演奏だった。インバルさんは名前はもちろん知っていたが実演に接するのは初めて。後頭部の薄さと言い、髪型と言い、後ろから見ているとお茶の水博士そのもので笑ってしまったが、指揮ぶりは強い情熱に溢れるものだった。しかも、チェッコフィルの音の特徴なのだろうか?とっても重心の低く、かつパワフルな演奏だった。この重量感は10月に聴いたライプツィヒ・ゲヴァントハウスすらも超えるものだ。







 第一楽章の前半は少し退屈な出だしだったが、途中でギアチェンジし、そこからは憑かれたような勢いを感じた。「これぞ生演奏の醍醐味」と言う感じでで、どんなオーディオルームもこの迫力、このレンジは再現できまい。

 それにしても、お客が全体の6割ぐらいしか入っていないのはとっても残念だった。1階ですら7割、2階は5割も入っていない感じだった。これも経済危機の影響の一つなのだろうか?

(地下鉄のエスカレーターから。そういえば。カラスってギリシャ人だった)



Friday, 11 November 2011, 20:30
ATHENS CONCERT HALL- CHRISTOS LAMBRAKIS HALL

Mahler Year: Tribute to Gustav Mahler for the centenary of his death (1911-2011)

Gustav Mahler:
- Lieder eines fahrenden Gesellen
- Symphony no 1

Christoph Prégardien tenor

Czech Philharmonic Orchestra
Conductor: Eliahu Inbal



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コメント (4)
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