その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

春まっただ中のケント州を歩く (Leigh to Turnbridge Wells)

2012-05-22 22:03:43 | 旅行 海外
 いまさらという感じが多分にあるのだが、「その土地を楽しむには、その土地の人たちがやっていることをするのが一番」ということに改めて気付いている。イギリスなら、パブでのエールであり、フィッシュ・アンド・チップスが一例だ(なお、フィッシュアンドチップスには外れも多いが、それは日本の駅の立ち食いうどんやそばに当たり外れがあるのと同じ)。そして、もう一つ、イギリス人が大好きなウォーキングの素晴らしさにも、最近やっと気づき始めた。

 先々週の日曜日(5月13日)、「イングランドの庭」とも言われるケント州にウォーキングにでかけた。ケントのLeigh(ライという村からタンブリッジ・ウェルズ(Turnbridge Wells)という町までの17.5キロのコースである。季節、天気に恵まれた、素晴らしい1日だった。

 ロンドンブリッジ駅(またはチャリングクロス駅)から列車に乗って1時間ほど。途中、TON BRIDGEという駅で乗り換え、一つ目のLeighという無人駅で降りる。駅前にはパブすらも無く、人の気配がしないところだ。

(快晴の春の朝。ここで降りたのは私だけ)


(駅前から1分も歩かないうちに、農場の入り口に)


 5分も歩くと、Penshurst Placeというマナーハウスの敷地に入る。野原あり森ありの昔の貴族の広大な裏庭だが、綺麗なイングリッシュ・ブルーベルの一群に遭遇し、感動。今年見た中では一番美しいかも。

 

 前半のランドマークPenshurst Placeに着く。マナーハウスというよりも、殆ど城に近いような豪邸だ。
 

 城の裏側には聖ヨハネ・バプティスト教会があった。


 教会裏に建つ古~い、建物。歴史を感じる。


 1850年の郵便局とのこと。
 

 この教会周辺が今回のコースの中で、最も素晴らしい田園風景だった。菜の花畑とその奥に見える教会の尖塔、昔そのままのヴィレッジだ。思わず、ため息が出るほど。
 

 

 何故か、こんな草原の茂みにトーチカ(Pillbox)をがあった。ガイドブックに目印として書いてあったので気がついたのだが、普通なら通り過ぎてしまうところだ。何時ごろ、何のために作られたのかは解らない。中は人が数人入れる広さだが、どんな戦いを想定していたのだろうか?
 



 更に進む。昼食のお勧め場所としてWalkingガイドに載っていたパブで休憩。ローカル色たっぷりだが、屋内のテーブルは半分以上が予約で埋まっていた。丘の中腹に立つパブの後ろ側からは、今まで歩いてきた平原が見渡せる。ほんとは、食事でもして、ゆっくりしたいところだが、まだ行程の2/5ぐらいしか進んでいないこと、お腹もたいして減ってないことから、ローカル・エールをハーフパイント(250mlちょっと)で水分補給をして出発した。
 

  

 今度は再び平原の中を進む。羊にももう慣れてしまったが、何時見ても、彼らを見ていると時間が止まる様な感覚になる。
 

 無人となっている教会。


 1593年に建てられたというチューダー調の家。


 後半の1/3は林の中を進むのだが、正直、これはあまり面白くなかった。道が抜かるんで足場はゆるいし、林の中というのはどこもそんなに変わることは無い。


 林を抜けると、やっと人の気配がする町に出てくる。クリケット場でクリケットをやっていた。


 ロイヤル・タンブリッジ・ウェルズという町は、初めて訪れるが、なかなかお洒落な町だった。


 たっぷり5時間半、春のケントを満喫した。ただこのコース、前半は本当に素晴らしいのだが、後半はあまり楽しめたものではない。単調な田園や森が続くからだ。特に、殆ど人とも行き会わなかったので、女性の一人歩きは絶対にやめたほうがいいと思う。

 ※このWalkingのコースガイドWeb版はこちら→

 2012年5月12日
コメント (4)
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