その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロンドン・フィルハーモニック/ トルトゥリエ指揮/ チィコフスキー交響曲第4番

2012-05-02 22:33:48 | コンサート (in 欧州)
 土曜日の夜、久しぶりにロンドン・フィルハーモニックのコンサートに行きました。

 一曲目は、メシアンの「忘れられた捧げもの」。メシアンは私には理解不能で苦手なのですが、イエス・キリストを描いたこの作品は、メシアンの中でも初期の作品のためか聴き易い曲でした。
 
 二曲目は、ベートーベンのピアノ協奏曲第一番。実演で聴くのははじめてです。ピアノ独奏は中国人の若手ピア二ストHong Xu(何と読むンかしら?)。ボクトツとした、ちょっと老けた新入社員のような感じの人で、同じ中国出身でもジャニーズみたいなランランとは雰囲気が随分違います。弾きぶりはとっても堅実だけど、音はとっても優しい。曲もベートーベンとは思えないような、モーツァルトを思わせるソフトで室内楽のような曲で、ゆったりと楽しめました。Hong Xu君は、アクの強い個性は感じませんでしたが、ショー的な派手なところがなく、しっかりと落ちついた演奏は好感が持てます。

 今回の指揮者ヤン・パスカル・トルトゥリエという人も初めてです。とっても大柄な初老の指揮者で、大きい上に腕を大きく振り上げたり、膝を曲げて屈みこんで弦に指示をしたりで、体を激しく動かすので随分目立ちます。3曲目のチャイコフスキーの交響曲第4番は、その全身を使って精力的にオケを煽り、オケも必死に応えていました。ロンドン・フィルは、洗練された上手さというより、全体としての勢いやパワーを感じます。金管陣が緊張感のある、気持ちがよいほどの音を響き渡らせてくれました。あと、一つ発見。ファゴットのお姉さんがとても綺麗な人でした。あんな人いたっけなあと思って、プログラムを見たらLola Descoursというゲスト・プリンシパルさんだったようです。
 
 今日は中高校生ぐらいの若い感じの人が随分沢山いました。そのせいか、拍手が楽章ごとに入って多少ずっこけるところもありましたが、とても暖かい良い雰囲気の演奏会でした。チィコフスキーのあとは、スタンディングオベーションの凄い拍手でした。

※いつも通りのピンボケ写真ですが・・・

(Hong Xu君)


(指揮のヤン・パスカル・トルトゥリエ)


(すごいスタンディングオベーション)



28 April 2012 7:30pm

Royal Festival Hall 2011/12

London Philharmonic Orchestra
Messiaen, Beethoven and Tchaikovsky


Messiaen Les Offrandes oubliées
Beethoven Piano Concerto No. 1*
Tchaikovsky Symphony No. 4

Yan Pascal Tortelier conductor
Hong Xu piano

コメント
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