その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響1月A定期、クリストフ・エッシェンバッハ、マーラー 交響曲 第2番 ハ短調「復活」

2020-01-14 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

 私の今年のコンサート初めは、いきなりマーラーの交響曲第2番「復活」というヘビー級のプログラムとなりました。きっとN響としても初コンサートになると思うのですが、こうしたプログラムは団員さんにとってはどう受け止められるのでしょうか?「新年早々は、もう少し「軽め」がいいなあ」とか思ったりするのでしょうか?個人的に6日の仕事始めからのこの一週間いきなり厳しい仕事が続き、お正月モードからの切り替えが相当大変だったので、そんなしょうもないことを考えながら、3階センターの振替席に着きました。会場はほぼ満員で、熱気むんむんです。

 指揮はエッシェンバッハさん。数年前の定演でブラームスを聴いています。いかつい雰囲気で近寄り難い感じなので、そのイメージ通りの骨太の「復活」を聴かせてくれるのだろうと勝手に予想。しかし、ちょっと違っていました。全般にスローテンポでいろいろ変化の入った「復活」でした。

 全体を通じて特に印象に残ったのは、第4楽章からの藤村さんのメゾ・ソプラノ。舞台前方ではなく、オーケストラと合唱団の間に位置し、厳かかつ静かに歌われるのですが、声はレーザーのように鋭角かつダイレクトに3階席まで響いてきます。聴いていいて自然と背筋が伸び、胸の中が浄化されていくような感じです。

 N響の皆さんも正月明けを感じさせない熱い演奏でした。コンマス伊藤さんのソロ、オーボエ、イングリッシュ・ホルンらの音色も美しい。ただ、ツイッター上でかなり荒れていましたが、N響らしからぬ乱れがあったのもホント。私も、バンダ部隊が乗り遅れたり、音が外れたり、(不愉快なフライングブラボーもありましたが)フィナーレの締まらなさは、結構、ガクッと来ところもありました。ソプラノ代役の出演のマリソル・モンタルヴォは安定感や声量にもう一つ物足りなさが残ります。

とは言うものの、私としては正月明け早々から身が引き締まる名曲を聴けてとっても嬉しい気持ちでした。本年もいろいろ名指揮者、名曲のラインナップが続いています。1年、楽しめそうです。

 

公演日時:2020年01月11日(土) 03:00pm
会 場:NHKホール

【出演】 
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
ソプラノ:マリソル・モンタルヴォ
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)
コンサートマスター:伊藤亮太郎    

【曲目】
マーラー/交響曲 第2番 ハ短調「復活」 

January 11(Sat) 6:00pm

conductor│Christoph Eschenbach
soprano│Marisol Montalvo
mezzo soprano│Mihoko Fujimura
chorus│New National Theatre Chorus (Kyohei Tomihira, chorus master)
concertmaster│Ryotaro Ito

PROGRAM A
Gustav Mahler Symphony No. 2 C Minor “Auferstehung” [ 90´]

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