図書館の新着本コーナーにあった本。元インターポール・サイバーセキュリティ総局長という著者の元肩書に魅かれて読んでみた。
正直、とってもがっかりな内容であった。インターポール(国際刑事警察機構)経験者としてグローバルなサイバー犯罪のとっておきの裏話が書かれているのかと思いきや、むしろ組織の話が中心で、全然デジタルセキュリティについては表面的な話しか触れられてない。
タイトルもミスリーディング。「超入門」というのはどういう意味なのだろう?少なくとも本書はデジタルセキュリティの入門書には全くなってない。釣タイトルに乗せられた自分が浅はかだった。
しかも第4章「私とデジタルセキュリティ」に至っては、筆者の大学卒業からのキャリア変遷が「私の履歴書」的に書かれている。本書のタイトルを見て手に取る読書で、筆者の経歴に興味がある人は、申し訳ないがほとんどいないと思う。
日本がデジタルセキュリティ後進国であることは様々なメディア記事でも紹介されているので驚きは無い。むしろ国、会社、個人としてどうして行くべきかの指針が欲しい。
情報的に新しかったのは、国際舞台における中国の「おもてなし」ぶり。ばらまき外交ではあるが、戦略的な意図のもとに着々とシンパを増やしていくやり方はバカにできない。
読む人の興味・関心次第ではあるものの、少なくともデジタルセキュリティについての入門書を探している人にはお勧めできない。