その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

最後の訪問は網走監獄。想像以上に素晴らしい歴史博物館: 2022夏 北海道旅行(最終回)

2022-08-29 07:30:39 | 旅行 日本

早朝の小清水原生花園見学からホテルに戻り、朝食取ってチェックアウト。北海道最終の訪問地は網走監獄。吉村昭氏の『破獄』を読んで、昭和の脱獄王と言われた白鳥由栄が脱獄した網走監獄に強い興味を引かれたたためです。


<監獄入り口>

正直、ありがちな観光客目当てのエンタメ施設ではないかと怪しんでいたのですが、硬派な歴史施設で2時間余り、楽しみ、学びながら見学しました。北海道という冬場の過酷な環境、犯罪者の収容所でありながら政治思想犯を主たる収容者としたことなど、初めて知りました。重要文化財にも指定されている建物なども移設され、期待を遥かに上回る立派な歴史博物館でした。

特に印象的だったのは、北海道開拓とセットであった網走監獄の歴史を追える監獄歴史館、放射状に五つの舎房が伸びる五翼放射状房(重要文化財)、塀の外に出て作業する際に寝泊まりする「休泊所」(アウシュビッツ収容所を思い起させた)など。白鳥由栄の脱獄記録や当時の新聞記事も展示されていて、超人的な脱獄の模様が『破獄』の記述から立体化されて実感することができました。


<舎房入口>


<入口入ったところにある見張り台。ここから五方向に舎房が伸びている>


<舎房>


<休泊所。動く監獄と言われていたそう>


<教誨堂(重要文化財)>

監獄歴史館では、現代の受刑の仕組みや刑務所の受刑者の生活の紹介もあり、しっかり歴史と今がつながっています。 受刑生活の今と昔のギャップに驚きます。 人権配慮は喜ばしいことですが、出所後、刑務所生活を求めて再犯に走る出所者のニュースも理解でき、ちょっと複雑。

監獄であった場所ではありますが、公園と言っても良い程、広々と長閑でのんびりした空間ですので、ピクニック気分で訪れるのもありだと思います。

十二分に楽しんだ後は、いよいよ東京に向け女満別空港へ。 途中、立派なひまわり畑があり、空港で最後の食事でスープカレーを頂き、帰京便に搭乗。 3年ぶりの6日にも及ぶ夏の旅行。 久しぶりに、遊んだ感満載の夏休みとなりました。 細かい計画は立てずに臨んだ今年の夏旅行。 気ままに、ゆっくりでとっても有難い時間でした。 やっぱり旅行はいいなあ。 また、気軽に海外に行ける日が来て欲しいです。


<女満別空港に隣接する所にヒマワリ園あり>


<「さようなら、北海道!」>


<東京へ>

2022年8月11日

コメント
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