その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

池谷裕二『できない脳ほど自信過剰 パテカトルの万脳薬』(朝日新聞出版、2017)

2022-09-22 13:56:46 | 

昔の職場の先輩のご紹介で図書館で借りてみた。薬学博士で東大の薬学部教授である筆者による、脳についてのエッセイ集。週刊朝日への連載記事をまとめたものなので、手軽に肩ひじ張らず読める。

個人的に興味を引いたのは・・・(→は個人的つぶやき)

・能力が低い人は、能力が低いゆえに、自分がいかに能力が低いかを理解できない。他人のスキルも正しく評価できない、だから自分を過大評価する傾向がある。(ダニング=クルーガー効果)でも、能力の低い人も訓練を積めば、スキルの不足に気づき、自省できる。成長の余地はある。(pp.21-23)
 →職場のあるあるだよね~

・自制心や意志力は有限のリソース。何かを頑張った後は疲弊して、「自我消耗」に陥る。克服にはブドウ糖の補給が良い。(pp.42-44)
 →これも仕事で感じるところ。有限だから無駄使いせず、うまく使っていかないと。

・おとり効果:某雑誌の購読実験:「ウエブのみの購読」$59、「冊子のみ」$125、「冊子&ウエブ」$125で価格設定して、顧客に選んでもらったら、84%が冊子&ウエブを選択。冊子のみの選択肢を無くすと、冊子&ウエブは32%しか選択せず。「冊子のみ」はおとり選択肢)(pp.53-56)
 →よくあるといえばある価格戦術ではあるが、改めて振り返ると結構自分も囮につられてるようなあ~

自分だけでは読まない類の本なので、人のおススメを参考にするのは大事ですね。

 

  • 目次

    1 脳のクセを知る
    2 記憶とは何か
    3 ヒトをヒトたらしめるもの
    4 「気持ちいい」を科学する
    5 見えない世界
    6 未来を考える
コメント
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