フルシャさんとN響コンビの演奏会は2019年4月以来4年ぶりです。2025年からは(個人的にとっても思い出深い)ロイヤルオペラの音楽監督に就任予定で、世界で絶賛活躍中フルシャさんが登場するとことに加え、2つの交響的舞曲を据えたプログラムの面白さもあって、この演奏会とっても楽しみでした。予報では大雪警報が出る可能性もあるとの天気は、幸い午後には冷たい雨に変わっていましたが、悪天候のためか、聴衆が少な目に見受けられたのは残念。
スタートはバーンスタインの「シンフォニック・ダンス」。多種多様な楽器と奏者が並ぶさまは、広いNHKホールの舞台が狭く見えるほど。メロディアスな音楽からジャズ風味が効いたものなど、多彩な音楽が目まぐるしく展開されます。フルシャさんのキレキレの指揮に、N響のメンバーが食らいついて実に鋭角的な演奏を聴かせてくれました。マンボでは、楽員さん揃って「マンボー」の叫び。楽員さんもノリノリでした。
続いてはラフマニノフの交響的舞曲。こちらもフルシャさんの大きく、柔らかく、かつ切れのある指揮に、管・打楽器陣の個人技や弦の美しいアンサンブルが噛み合って素晴らしい演奏でした。サックスやフルートのソロ、打楽器陣の活躍はとりわけ印象的。この曲も、様々な楽想が現われますが、N響のバランスよく有機的な演奏がしっかり聴かせてくれました。豪快でありながら端正なんですよね。最後の長い銅鑼で締めくくりを余韻とともに味わいました。
カーテンコールでフルシャは楽員さん各々を讃えます。彼が30歳代前半(2014年4月)だった時に都響を振ったのを初めて聴いて、若いのに実に堂々としているなあと感じたのですが、40歳前半となった今や、風格さえ加わったように見えます。1月に振ったソヒエフ(フルシャより4年年長)と併せて、躍進著しい「若手」指揮者たちを、N響は是非、これからも継続的に招聘してほしいです。来週の木曜日はブラームスを聴きます。こちらも楽しみです。
第1978回 定期公演 Cプログラム
2023年2月10日(金) 開演 7:30pm(休憩なし) [ 開場 6:30pm ]
NHKホール
曲目
バーンスタイン/「ウエスト・サイド・ストーリー」からシンフォニック・ダンス
ラフマニノフ/交響的舞曲 作品45
指揮 ヤクブ・フルシャ
No. 1978 Subscription (Program C)
Friday, February 10, 2023 7:30pm [ 6:30pm ]
NHK Hall
Program
Bernstein / Symphonic Dances from West Side Story
Rakhmaninov / Symphonic Dances Op. 45
Conductor: Jakub Hrůša