その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

寒かったけど、大阪街走りを満喫!:大阪マラソン2023 完走記

2023-02-28 12:02:47 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)

念願の大阪マラソンに出走してきました。以下、その一部始終になります。長文になりますが、よろしければお読みください。

【当日まで】
2015年以来東京マラソンは抽選外れが続き、「東京がだめなら、大阪へ」ということで昨年秋に申し込んだ。参加費約2万円は高額だったが、東京マラソンやロンドンマラソンの声援が今も耳に残り、あの楽しみを再び。

練習計画をこなし、12月には私用に併せて、2日にわたってテストランもしてコースの7割を下見済。レース1週間前まではほぼ完璧な練習・調整だったが、1週間前に風邪をひき、鼻・喉が不調で体もたるいまま、不安の中での大阪入りとなった(PCR検査は陰性)。

(前日の大会受付等模様は別エントリーで)

【当日:スタートまで】
6時に起床。コンビニおにぎり2個とホテルでの和朝食に加えて、エネルギーゼリーを1つを腹に収め、エネルギー源をたっぷり充填。7時55分に大阪城公園前到着。検温等を済ませランナーズエリアに入り、スタートまで1時間15分あるので余裕の到着のつもり。


<全国旅行割引のおかげでいつもより2ランク上の朝食>

会場ですぐに既に30m以上の列が出きていたトイレ(小用)に並ぶ。これに8時5分から8時30分まで結局25分もかかった。この待ち時間は時計とのにらみ合いでストレスたまった。トイレはここを含めてスタートエリアまで3か所あったが、この規模の大会としては圧倒的に数が少ない。大会関係者はトイレの重要性認識してるのかな???

更に、荷物預けてからスタートラインまでの導線には、途中狭い階段を上るところがあって大渋滞。ゲート締め切りに間に合わないんではないかと、これも相当イライラ。

<集合場所の大阪城公園へ>


<スタートエリアではありません。スタートエリアに向かうまでの導線が大渋滞>

9時前にギリギリ何とかスタートラインに並び、スタート前のアミノ酸ゼリーを食す。ランナーの全体像は見えないが、定員32000名近くが走るこれだけの大規模大会は本当に久しぶりで、ワクワク。

この日の3つの目標を唱える。1つ、とにかく大阪を楽しむ。2つ、体調万全でないので無理はしない。連続記録が続いているサブ4は2の次。3つ、練習の課題であったガス欠とトイレマネジメントを注意。


<スタートエリア。気温4.7℃とかなり寒い>


<いよいよ42.195kの旅の始まり>

【スタート~10k】
9時15分にスタートの号砲がなる。前半はとにかくペースを上げないように。スマートウオッチGarminを装着し、キロ5分30秒、心拍数を120台前半で走ることを肝に銘じる。

Garminの最初の1キロ通知が5分40秒。スタート直後の渋滞もあったにしては早いなあと思ったが、レースの1キロボードはまだ50mぐらい先に見えている。「ん?ってことは、6分越えるペースなのか?昨年10月の水戸黄門マラソンでもGarminとレース距離表示の差分はあったけど、最初の1kでこんなに差が出るか?」と、結構、動揺。

更に、4キロから5キロのGarminの1kラップは何と5分3秒。いくらなんでもそんなハイペースでは走ってないし、Garminの5k通知と5kの距離ボードの誤差は既に100m以上。「今日のGarmin、全く使いものにならぬ」と走りながら「怒」。(帰宅後に大会連携のアプリで照合したところ、5kラップは大会アプリで27分38秒、私のGarminは27分1秒と5キロで30秒以上の差があった)


<日本一長い天神橋筋商店街>

6k地点近辺は堂島・中の島エリアを走り、大阪の歴史的建造物などが沿道の左右にあり見所満載。五代友厚の銅像が証券取引所の前に堂々と立っていて、私的には大喜びで思わず1枚パチリ。「う~ん、大阪だ」。

6k過ぎから御堂筋に入る。大阪を代表する通りで、広く、走っていて気持ちが良い。東京マラソンの銀座通り並みの観衆を想像していたら、それほどではなかったが、大丸デパートやグリコの電光スクリーンがコースから見えて大阪感満載。


<取引所前に立派な五代友厚像>


<御堂筋爆走中。後続ランナーさんポーズありがとうございます。右下は忍者おじさん>


<NHKBSの撮影中のようです。「りさっち」ってタレントさん?>


<大阪と言えばこの「グリコ」>

【10k~ハーフ地点】
御堂筋を難波まで走り、千日前通に出て西に向かって走る。コブクロ小渕さんが走っていて、横を追い抜いた。大正橋を渡るとまた街の雰囲気が変わる。京セラドームなど新しい商業地域と、昔ながらの下町的な雰囲気が共存している。ドーム近くではおおくの応援団から声援を頂いた。

千日前通に戻って、大正橋を再び渡ると今度は右折して、なにわ筋を南下。道こそ広いが、新旧の小規模な住宅が左右に広がる。横に見える道は狭く、庶民的な家々が見える。応援の数は若干減った感じだが、レース前半の大事なところなのでしっかり走りに集中。一定のペースを維持して、まずはハーフまではしっかり走り切るが当面の目標。


<コブクロ小渕さんを抜く!>


<京セラドーム前の応援団。カメラを向けたら大声援送ってくれました。大阪ねえさんノリ良いです>


<大正橋を渡ってくだり。難波方面へ>

一方で、Garminと距離ボードとの誤差はどんどん広がるばかり。10k地点でGarminの誤差が150m以上になっていて(10.15k走ったことになっている)、自分のペースが適切なのかどうか混乱。Garmin10キロ地点の1キロラップがなんと4分47秒。あり得ないでしょう(こちらもレース後の検証では、10キロラップが大会アプリ54分12秒、Garminが53分18秒で1分近く違ってた)。Garminの距離・ラップタイムは信じず、とにかく心拍数を抑えて走ることに徹した。

岸里で折り返し。地元の人から大きな声援を貰う。ハーフ地点を通過し、まずは一安心。疲れはあるものの、状態は悪くない。時折太陽も覗き、もう少し気温が上がってくれればと思う。走っていても体が温まらず、手袋が離せない。後半のガス欠防止にウエストポーチに入れていたエネルギーゼリーを飲む。


<岸里で折り返し>

今回のテーマの1つはトイレマネジメント。トイレを気にしながら走るのは、走っていて楽しくないし、ストレスフルだ。いかにトイレの回数とロスタイムを最小限に抑えるかは、サブ4目指していつも秒の争いをしている私には死活問題でもある。ネットでトイレ対策として、ホカロンを下腹部に充てると良いと情報を得ていたので、今回試してみたが、これがとって効果あった。走っていても寒いような気候だが、下腹部はあったかくて心地よいのだ。

それでも、早めにトイレに行っておこうと考えていたら、22k地点ぐらいのトイレエリアで、女子高生らしきボランティアの女性が、「今、何番のトイレが空きました~」と空き状況をお知らせしてくれているのが耳に入る。急遽、早めにトイレに駆け込み、待ち時間なしでロスタイム2分弱だけで収まった。おねえさん、ありがとう!


<丁度、中間点にてグロスタイム4時間のペースメーカーに追いついた>

【ハーフ~30k】
千日前通りに戻る。ちょっと沿道の応援と距離があるのが残念だが、難波近辺の大声援は嬉しかった。丁度25k地点で、脚に疲労がたまってきたのを忘れさせてくれた。難波のアーケード街や黒門市場の横を通る。

そして下寺町の交差点を右折し、天王寺公園入口で再び折り返し、千日前通に戻る。下寺町近辺は寺院の集積地らしく、お寺が目につく。レースコースにもお香の匂いが漂う。お香の匂いは好きなので、気持ちが落ち着く。


<戎橋筋>


<12月に訪れた黒門市場>

Garmin上では1キロ5分30秒前後でラップを刻んでいるが、既に距離表示とGarmin通知で300mの差が出ているので、このラップはとても信じられない。もうラップタイムもあてにせず、時刻表示だけを見るようにした。スタートラインを超えるまでに4分弱のロスがあったので、ネットで4時間切るには13時19分までにゴールすればよい。このペースが続けば大丈夫そうだが、いつどこで足が止まるか、ガス欠になるかわからない。とにかく、動くうちはひたすら足を前に出すだけ。

このレース、エイドのスポーツドリンクや給水は十分な長さが取られていて取り漏れることはないのは有難かった。ボランティアの皆さんが掛けてくれる声もうれしい。「頂きます~。ありがとうございます~」と言うと、「頑張ってください~」と答えてくれる。そんな、ちょっとしたやり取りだけで元気を貰える。給食はスポーツ羊羹、お菓子、塩分飴などがあったが、給食コーナーは場所が小さく、羊羹と塩分飴以外は取り漏れた。


<天王寺公園へ。きっと学園坂近辺>

再び、千日前通に戻って、本コースの最も斜度のきつい上り坂。12月に下見で走った時は楽勝と思ったが、既に30キロ近く走った脚には応えた。皇居RUNの乾門近辺の上りに比べれば大したことないと言い聞かせ、何とか上りきる。坂を上った谷町九丁目の30k地点のところで家人が私を呼んでいるのが耳に入った。元気をもらう。

【30k~ゴール】
千日通りと別れを告げ、四天王寺方面へ。ここからも細かいアップダウンが続き、足が悲鳴を上げる。左ふくらはぎがぴくぴくし始めて、やばい予感。四天王寺の入口の門はカメラに収める。

35キロ地点過ぎて、今里筋へ。冷たい北風が疲れた体に直撃し痛い。37キロ過ぎで「残り5k」と残り距離のボードが見え始める。いよいよカウントダウン。脚もつらいが内臓が辛い。ウエストポーチに忍ばせた最後のエネルギーゼリーを食べた方が良いかと思いつつも、喉を通る気がしない。お好み屋さんの横を通ると強烈なソースの匂いも辛かった。今里の駅前で、地下鉄で移動してきた家人を再び発見。スマフォを向けてくれたので、力なく手を挙げて応えた。  


<四天王寺前 これ以降ゴール直前まで写真撮る余裕なし>

今里筋を曲がっていよいよ残り2k。長野マラソンなら千曲川の土手を降りて、スタジアムに向かう最後の道だな、と4月に走ったレースが頭をよぎる。あの時は脚がひと時動かず、止まってしまった。あれに比べれば今日は上等と思う。時折、霙のような氷の混じった水滴が風に乗って体にあたる。最後まで寒いレースだ。

最後の2kを走って、大阪城公園入り。大阪城を背景にフィニッシュ・エリア入りは絵になるなあ~と思ったが、カメラを取り出す元気はでなかった。なんせ4時間まであと2,3分しかない。過去のマラソンでもゴール100mまで足が痙攣起こして動けなくなったレースもあるから、最後の最後まで気は抜けない。ペースを落とさず、上げもせず、ヘロヘロになりながらも脚だけは動かす。「グロスでは4時間2分になります~」というアナウンスが耳はいった。そして何とかゴール!


<ようやくFINISHゲートが見えてきた!>

ゴールしたがGarminを途中で見なくなったこともあり、ゴール後もしばらくSTOPボタンを押すのを忘れていた。なので、結果が分からずしまいで、喜んでいいのかどうかも分からない。呆然として、完走メダル等を受け取る。グロスで4時間2分と言っていたから、ネットではサブ4大丈夫だろうとは思ったけど、ストップウオッチ止め忘れるなんて・・・自分自身の阿呆さ加減に呆れた。(レース後の公式記録証でタイムは3時間58分台でした)

スタート前のストレスはあったものの、ボランティアや街の人の声援に背中を押された充実の大会だった。ランドマークになるような観光スポットはさほど多くはないが、大阪のいろんなエリアを巡り、多様さ、ディープさを感じ取れた気がしたのもうれしい。参加できて良かったわ~。


<完走タオル。大阪っぽい>


<完走メダル>

おわり

コメント
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