その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

國光 宏尚 『メタバースとWeb3』(エムディエヌコーポレーション、2022)

2023-02-21 07:56:04 | 

どこで本書を知って興味を引かれたのか忘れてしまいましたが、地元図書館で予約して手元に来るのに数か月を要したので、それなりに読まれているのだと思います。(2023/2/20現在、Amazonのレビューも500以上もついています)

メタバースとWeb3について、この業界の実業家である著者なりの解説・見立てが記されています。レベルとしてはいわゆる入門書の類いなのですが、ゲーム会社等の起業家であるだけあってテックライターや学者さんが書いたものと異なり、実務家らしいオリジナリティのある書きっぷりが面白いです。

例えば、こうしたバズったテクノロジーには「お金が集まるので、ある程度バブルはしょうがない」と言い切っていたり、メタバースはVR、AR、MR、ミラーワールドのリブランディング、Web3は仮想通貨、暗号資産、ブロックチェーン、クリプトのリブランディングとい大胆な定義も苦笑い。

ベースの世界観としては、これからは「ヴァーチャルファースト」の世界になる。そして、メタバースで人類史上はじめて「人生が見た目に左右されなくなる」というのはなるほどと思います。

ただ、ビデオゲームを全くやらない私にはメタバースもどうもピンとこないところがあるのは否定できません。ワクワクするような実感がないのですね。インターネットに初めて触れたとき、ブログを初めて自分で立ててみたとき、SNSで連絡が途切れていた友人とどんどんつながっていった時のような、興奮がメタバースやWeb3にはあるのでしょうか。まさに習うより、慣れろで、まずはゲームではなくとも経験してみるのが大事なのでしょう。

この世界になじみのある人には物足りないと思いますが、平易な語り口なのでとっかかりとしては良いかと思います。

 

〈本書の構成〉
INTRO:メタバースやWeb3がバズった本当の理由
CHAPTER1:これまでの流れを知ると、Webが行き着くゴールが見えてくる
CHAPTER2:メタバースとは何か?
CHAPTER3:次世代インターネットWeb3を徹底解説 
CHAPTER4:メタバースとWeb3が辿り着く未来の姿
LASTCHAPTER:メタバース、Web3の事例から見るビジネスチャンス

コメント
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