夢の名残りを追いかける夜明け前の一瞬の目覚め。
モノクロームの夢の記憶の小休止。
締め忘れていた窓から、かすかに聞こえる早起き鳥のツイート。
現実に戻ることを拒否して、夢の続きに全神経を集中する。
運よく戻った夢の浅瀬に打ち寄せる、昨夜見た夢の残骸。
時間は捻じれ、音は消え、色彩は褪せ、懐かしさと現実がないまぜになった異空間。
巨大な月が青白く砂浜を照らしている。
砂浜には銀色のモノリスが乱立している。
すべての感情はフラットで、喜怒哀楽も驚きも恐怖もない。
巨大な砂時計の割れ目から風に吹き飛ばされる時間の砂。
空を覆う低い雲間からは、雷光が垣間見える。
足元の砂浜はいつの間にか荒海に変化している。
甲冑を纏った兵士の軍団が海を駆ける。
サーカスの一団が荷を畳んで隣町へ移動する。それを追いかける子供たちの列が延々と続く。
低音をカットされたトランジスタラジオから、誰かがリクエストした曲が聴こえてくる。
懐かしい歌だ。曲名はわからないが、よく知っている歌だ。
活動写真のような風景が、終わりを知らせるようにフェイドアウトする。
僕は現実への暗いトンネルへと歩いていく。
モノクロームの夢の記憶の小休止。
締め忘れていた窓から、かすかに聞こえる早起き鳥のツイート。
現実に戻ることを拒否して、夢の続きに全神経を集中する。
運よく戻った夢の浅瀬に打ち寄せる、昨夜見た夢の残骸。
時間は捻じれ、音は消え、色彩は褪せ、懐かしさと現実がないまぜになった異空間。
巨大な月が青白く砂浜を照らしている。
砂浜には銀色のモノリスが乱立している。
すべての感情はフラットで、喜怒哀楽も驚きも恐怖もない。
巨大な砂時計の割れ目から風に吹き飛ばされる時間の砂。
空を覆う低い雲間からは、雷光が垣間見える。
足元の砂浜はいつの間にか荒海に変化している。
甲冑を纏った兵士の軍団が海を駆ける。
サーカスの一団が荷を畳んで隣町へ移動する。それを追いかける子供たちの列が延々と続く。
低音をカットされたトランジスタラジオから、誰かがリクエストした曲が聴こえてくる。
懐かしい歌だ。曲名はわからないが、よく知っている歌だ。
活動写真のような風景が、終わりを知らせるようにフェイドアウトする。
僕は現実への暗いトンネルへと歩いていく。
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