フェリーニは知っていたが、その作品は観たことがなかった。
GYAO!の無料版で、昨夜初めて「道」を観た。1954年、私が生まれた年の公開のモノクロ版だ。
正直、感動というか、心に沁みた。
何といっても主役であるジェルソミーナ役の、ジュリエッタ・マシーナの演技が秀逸だ。
若干知恵遅れ気味の女芸人の役だが、決して美人ではなく、年齢不詳のコケティッシュな顔立ちは、一目見た時から心の琴線に触れた。
演技はフェリーニお墨付きで完璧だ。
当時の年齢で33歳のはずだが、15、6歳にしか見えない。
それがフェリーニ独特の世界観の中にピタリとはまり、一気に観てしまった。
フェリーニが生涯の妻としたのも頷ける。
かのゲーテの「君よ知るや南の国」のミニヨンを彷彿とさせる、キャラクターや筋立ては、遠き日の読後感を思い起こさせた。
視点が男(フェリーニ)の視点だから、男の胸を衝く。
筋立ては書かないが、今まで観た映画の中でもベスト3に入る名作だ。
フェリーニ夫妻や恐るべし。
狙いは読後感。読めばわかる、あるいは読んでもわからないかもしれないが、なんとなく心の片隅に残る奇妙な違和感。ありきたりで普通を装った妙な安心感。 そんな小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから買えます。
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