どちらも捨てがたいが、家庭で食べるならやはりカレーだろう。
それも余計なトッピングや過剰なスパイスなしの、玉ねぎと牛肉だけの、いわゆる素のカレーだ。
ラーメンは専門店に限るが、カレーは星の数ほど専門店はあれど、家のカレーに勝るものはほとんどない。
たぶん10人中7、8人はそう思っているはずだ。
専門店のカレーより家のカレーのほうが旨いのはどうしてだろう。
いろいろ手の込んだ専門店のカレーに比べて、家のカレーはルウは市販のもので、牛肉や玉ねぎもスーパーの特売品だ。
お洒落なスパイスなど入れないし、金や手間のかかるトッピングも不要だ。
そんなカレーが専門店のカレーより旨いのは、母や妻の愛情ではなく、やはり市販のカレールウの完成度の高さだろう。
本場ものを意識した専門店のカレーに対して、市販のルウは日本人の味覚を意識した味だ。
要は、もはや薬膳や漢方薬に近いスパイスと、ほのかに和を感じさせる出汁や深いコクの違いだ。
ハンバーグも外で食べるより家で作るほうが旨い。
こちらのほうは、カレーのルウのような、これといって思い当たる理由はない。
なぜなんだろう。
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