虹色仮面 通信

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ボールを投げる力を向上させるために・・・

2017-08-19 07:35:23 | スポーツ
17日の北海道新聞の記事より。
 
<立正大の小山特任講師が試作を重ねる>
年々、低下している子供たちのボールを投げる力を向上させるため、立正大スポーツ医科学研究室(埼玉県)の小山啓太特任講師が、独自のボールの開発に取り組んでいる。遠投力が弱い子供の多くはボールの握り方に問題があると分析し、自然に握り方のコツがつかめる楕円形にした。試作球を使った子供の約7割には効果が出ており「改良を重ねて数年後には完成させたい」と話す。
 
<8割が親指をボールの横側に添える欠点>
小山さんは旭川実業高、立正大で野球部に所属。米国大学院でスポーツ医科学を学び米大リーグでトレーナーも務めた。2009年から立正大で健康教育学などを教える傍ら、子供に野球やボールを使った運動の教室を全国で開いてきた。
教室を通じて、ボールをしっかり投げられない子供が増えていることが気になり、2年ほど前からボールを投げる3~10歳の約千人の映像解析に取り組んだ。本来、遠くへ投げるにはボールの下側に親指をつけ、人さし指などで縦にしっかりと挟む必要がある。だが解析の結果、約8割の子供が親指をボールの横側に添えていた。
 
試作球は楕円形で、直径が長い横側には親指がつけにくく、おのずと下側に回るよう誘導する構造だ。メーカーの協力で1月に最初の試作球を作り、改良を重ねている。最新の試作球の直径は縦7.4㎝に対し、横は9.2㎝センチ。また、重い方が無意識に体全体を使って投げ、より良いフォームになるため、体力テスト用のソフトボールよりやや重い150g以上とした。

試作球を埼玉県などの子供の計約600人に投げてもらったところ、400人以上の飛距離が伸びた。
「体育教材として普及させられれば」

小山さんは「外遊びの減少やキャッチボール禁止の公園の増加などで、球で遊ぶ機会が減っているためではないか」と指摘。「ボールをうまく扱うことができないと、球技が多い体育自体を好きになれない」とスポーツ離れにつながりかねないことを懸念し、今後も開発を重ねて「将来的に体育教材として普及させられれば」と話している。<了>

ジュニア期の運動指導を生業としている者としては、この記事は無意識に目に入り、じっくりと読ませてもらった。

記事にもある通り、ボールをしっかり投げられる子どもたちが少なくなっているのは痛切に感じます。指導していて多いと感じるのは腕だけで投げる「手投げ」です。身体の使い方が上手にできていないため、バランスの悪い投げ方になっているケースです。やはり屋外で存分に身体を使って遊ぶ(運動する)機会が減っている社会環境に影響されているのは否めません。

かつては、父親とのキャッチボールや近所の年長者の動きを「見よう見まね」で覚えたものですが、最近は基礎からしっかり教えるのが一般化しつつあります。

私も運動指導の事業を始めて、もうすぐ9年になりますが、我々が想定している以上にその傾向が加速しているようで「運動(スポーツ)も習い事の一つ」になってきています。

このような学術的な裏付けに基づいた取り組みは、スポーツ関連の学者・研究者の皆さんには積極的にしてもらいたいものです。そして、運動指導者が適宜取り入れ、子どもたちの運動レベルの向上につながるサイクルができればと思っています。