虹色仮面 通信

神出鬼没なオッサンが毎日感じたことを取り留めなく書き連ねます

競技と興行の狭間にて

2019-01-03 07:24:14 | スポーツ

大晦日、さいたまスーパーアリーナで開催された格闘技イベント「RIZIN14」でボクシングの元5階級王者、フロイド・メイウェザー(41)が3分3ラウンドのエキシビションマッチで“神童”と呼ばれるキックボクサー、那須川天心(20)を139秒TKOで下した試合について、個人的な見解を述べたい。

テレビがない生活環境ゆえ、翌日にネット動画でその模様は確認したが、予想以上にメイウェザーが圧勝したなぁというのが率直な印象だった。ボクシング5階級で世界チャンピオンになった実力は伊達ではなかった。

また敗れたが、若い那須川が仕掛け、わずかにかすめたパンチで、メイウェザーが少しだけ本気になり、戦闘モードで戦う姿が見られただけでもこのエキシビションの価値はあったのではなかろうか。

この試合については、二つの側面がある。

まず興行としての側面。あのメイウェザーがエキシビションとは言え日本で試合をし、日本のファンが間近に勇姿を見られるのは普通ではありえない。その点では彼を呼んだスタッフの努力と試合をした那須川陣営は素直に評価すべきだろう。

ただ競技(試合)としては「?」がつく点が多い。那須川の強みのひとつであるキックはNG(1発5億円の違約金とか?)、また体重差があるとか、純粋な競技としては公平さに欠くのは否めない。あくまでもエキシビションとして見なければならない。

ここが格闘イベントの難しいところ。昔ならこういう曖昧さも容認されたが、最近はそうも言えなくなり、ネット世界を中心に賛否両論が渦巻く傾向にある。また多額なギャラを捻出するためには、メディアを巻き込んだ興行としての要素は不可欠であり、純粋な競技スポーツとしての位置付けなら、メイウェザーが日本の格闘イベントのリングに上がることはなかったに違いない。

興行と競技の微妙なバランスの上で成り立つことを踏まえて、ファンは楽しむ必要があると思う。

個人的には、メイウェザーが少しだけ本気になって戦う姿が見られただけでも価値がある試合(興行)だったと感じている。