虹色仮面 通信

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大きな課題

2019-01-01 07:28:23 | スポーツ

2019年になりました。今年はラグビーワールドカップが日本で開催されます。

前回の日本代表の快進撃を再びと願うラグビーファンも多いでしょうが、なかなかそうもいかないようで…。

ここからはスポニチの記事から。

「日本の課題は選手の層が薄いことだ」

日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ、正確には指揮官の言葉を訳した佐藤秀典通訳の発したフレーズなのだが、同様の発言は昨年9月以降、事あるごとに繰り返された。

最初にジョセフ・ヘッドコーチが選手層に関する話をしたのは、9月14日だった。6日後の9月20日、W杯開幕まで1年を迎えるのを前に行われた合同取材の場で語られた。その後も10月1日のスコッド発表会見、11月22日のロシア戦のメンバー発表会見、11月27日のシーズン総括会見でも語られた。残念なのはシーズン総括会見でも「課題は解消された」との発言が聞かれなかった点。その状態のまま、集大成の年を迎えることになる。

ジョセフ・ヘッドコーチが発言を繰り返した狙いは、何だったのだろうか。おそらく一つには「選手層を厚くする=日本全体の選手レベルを上げる」のは、自分の責任ではない、とけん制することにあったと思う。特に秋シーズンはFB松島やフッカー堀江ら負傷中の主力を招集できず。選手起用には苦心の跡が見られた。

同様の発言は過去にも聞いたことがある。15年8月31日、W杯イングランド大会の最終スコッドを発表したエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチも「国際レベルの選手が育つ環境をつくるのは自分の仕事ではない。国際レベルで戦える選手が42人しかいない。そこから選ぶしかない。選手を育てるのは自分の仕事ではない」ときっぱり言い切っている。

では誰が、選手層を厚くするのか。誰が、その責任者なのか。

ジョセフ・ヘッドコーチの一連の発言を耳にして、「悔しい」と感じた関係者が、一体どのくらいいただろうか。「薄い」とされた現役選手たち、選手育成の一役を担っているトップリーグや大学チームの関係者、あるいはさらに若年世代の指導者…。何よりエディーの発言から3年以上経った現在も、同じ課題を時のヘッドコーチから指摘されたことを、「大きな絵」を描く人たちはどう感じているのか。

すでに開幕まで10カ月を切ったW杯に向けて、これからどんな方策を採っても抜本的な解決にはならないだろう。だがラグビーというスポーツが続く限り、5年後、9年後にも開催されるW杯を日本が目指す限り、今から何かを変えようとすることは早くも遅くもないはずだ。<了>

この記事で注目したのは『ジョセフ・ヘッドコーチの一連の発言を耳にして、「悔しい」と感じた関係者が、一体どのくらいいただろうか』という部分。日本ラグビー界への危機感のなさに警鐘を鳴らしたともいえる。前回の快進撃からの変化を感じられないもどかしさ、そしてチャンスを生かせない日本のラグビー界にただならぬ危機を感じたのだろう。

日本ラグビー界に課せられた大きな課題。それを克服しないと、5年後や9年後の見通しが立たないだけでなく、自国開催の意義すら薄れてしまう。さて関係各位は2019年からどう動くのだろうか?注視していきたい。