木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

タモ拭き漆椅子

2009-07-21 22:09:22 | 木工
この春制作したテーブルの「嫁ぎ先」が決まり、一緒に納める椅子をもう一つ制作しています。


椅子は、昨年から15脚目。
その都度部分的に直しているのですがそれをどこまで、どの図面に反映させたのか・・・、少し時間が経つとわからなくなってしまう。これも年のせいでしょうか。


五稜箸の拭き漆の合間に少しずつ部品加工を進め、座板の刳り。
ルーターで2.5mmずつ、等高線状に粗彫り。一番深いところで15mmです。


四方反りの小鉋で削りました。
今回は鉋の台の反りの曲率を座の一番急な曲率に合わせて調整したので、これ一台で荒削りからはじめ、短時間でほぼ仕上げることができました。
荒削りはルーターで掘った時の段を見当にして、ざくざく削り、だんだん刃の調子を低くしていって仕上げます。
特に定規は使いませんが、手のひらでなでるとかなりわかるようになります。
定規に頼るだけでなく、自分感覚を鍛えていくことも大切です。

そう言うと黒田乾吉先生の「市川君、鉋の台も定規じゃないのかい。」と言う声が聞こえてきそうですが・・・。
ちなみに、黒田先生は、木工塾時代、角切り盆を掘るのにはじめは鉋を一切使わせませんでした。
すべて小道具(それも丸、平、切り出しの3本)で仕上げる事が課題でした。それでお盆の底を平らに仕上げなければならなかったのです。
そして、言いました。「黙ってお盆100枚彫ってみ。そうすればいろんな事がわかってくるから。」と。
座15枚ではまだまだ偉そうなことは言えないですね。


最後に反射光で確認はします。

コメント
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