木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

黒田乾吉流拭き漆手板

2009-07-20 21:50:54 | 
五稜菓子箸の拭き漆をしながら、黒田乾吉流拭き漆の手板を作ることを思いつき、早速取りかかりました。

1mほどの長さの欅の板に、黒田乾吉流拭き漆の手順を順に残していきます。
工程と仕上がり具合を再確認するとともに作品展などで拭き漆の工程を理解していただく見本にしようと思います。
9月19日からの「一木一優」の作品展に展示しようと思いますので、興味のある方はどうぞご覧ください。

やはりついでに、と言うわけではありませんが前からしなければと思っていた砥石の割れ止めをしました。


青砥の側面に、漆で寒冷紗を巻き付けます。漆は篦摺りしてしごき取った漆に新しい生漆を少し混ぜて使います。


まず、砥石の側面に漆を塗り


寒冷紗を貼り、篦で漆を塗りつけます。


巻き終わりました。漆が砥石の表面につかないように気をつけます。


後は漆風呂で乾かします。
特に縦に割れやすい青砥はこれをしておくと安心です。
仕上げ砥の場合は、普通側面に漆を塗る程度なのですが、側面に横にヒビが入り気になっていた仕上げ砥にも巻きました。

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大事故発生!

2009-07-19 22:02:02 | その他
先日発送したステンドグラス入りドア
今日、野沢パトロールSさんが梱包を解いたところ・・・
なんと、ステンドグラスのガラスが割れていたのです!






送っていただいた写真です。

早速運送会社に連絡をとったところ、Sさん宅に運送会社より、「ステンドグラスを作り直し、その費用を全額負担する。」旨の連絡が入ったそうですが・・・。

想定できる危険性を考えて梱包材をあれこれ探し、厳重な梱包をして、
集荷の担当者にも、「倒さないように」、「ガラスの部分を当てたり、重い物を乗せないように」・・・と、よくよくお願いし、
ガラスの部分にはマジックで「ワレモノ」と書いてもらったのですが・・・。
まさか、まさか・・・、なんと、配達の人は背中に乗せて運んできたそうな・・・。
もうがっくりきました。

やはり直接納品させていただいた方が良かったですね。
Sさんいろいろお手数をおかけし、申し訳ありません。
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緑影展

2009-07-18 22:23:35 | その他
案内状をいただいていたアラン・ウェストさんの「緑影展」が今日から始まりました。





昨年秋、初めての京都での個展で作品を拝見し、とても感動しました。
その時の感想をブログに、「金箔なども使い大胆なタッチと筆使いでありながら、なんとも繊細で美しい。
屏風絵の前にたたずみ、いつまでも浸っていたい、そんな気持ちになりました。
見ず知らずの私たちに対する丁寧な対応にもアランさんの人柄が感じられました。」と書きました。
祇園祭のころ、京都で2回目の個展を開く予定と聞き、とても楽しみにしていました。早く行きたいです。
皆さんも是非どうぞ。


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郵便受け 完成

2009-07-17 22:41:32 | 木工
郵便受け塗装が終わり、丁番を取り付けました。
丁番は、壁に取り付けても開くよう、アングル丁番を使いました。


ガラスの色がわかりにくいのでストロボ撮影してみました。


取り出し口を明けると


さらに、投函口を開けると

当初は灯り取りに、屋根にも窓を開ける予定でしたが、穴だらけになってしまいますのでやめました。

このデザイン、実は、

以前、Mさんの新築中のお宅を下見させていただいた時、この窓を見てイメージが浮かんだものなのです。
この雰囲気を取り入れて見ようと思ったのですが・・・ ちょっと窓が多すぎたような・・・

いずれにしましても、Mさん、大変お待たせしました。

今日はもう一つ、

25mm厚の断熱ポリスチレンフォームで全体を覆って、厳重に梱包したステンドグラス入りドアも発送しました。
野沢パトロールSさんこちらもお待たせしました。ドアの取り付けよろしくお願いします。

大きなドアが終わり、次は

五稜箸の拭き漆です。
この箸は、煎茶の黄檗売茶流の家元からの注文で、菓子箸として使っていただきます。
従って普通の箸に比べ1寸ほど長く、先も太く仕上げてあります。
漆刷毛は、先日京都アンティークフェアで手に入れたもの。毛が硬めで、刷毛摺りにはとても使い良いです。


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郵便受け その4

2009-07-13 21:33:17 | 木工
接着する部分の組立が完了

塗装に備え、窓にはマスキングテープを貼りました。


一枚板の屋根と取り出し口の部材には、反りを止めるための蟻桟を入れました。

完成のイメージは・・・

こうなります。


直射日光にさらされ、時には雨も、という過酷な状況を踏まえて塗装もしなければなりません。
屋外用で、紫外線を防ぐカラーオイルのできるだけ色の薄いものを選び、色を混ぜて塗りました。
乾くのを待ち、3~4回塗り重ねます。


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郵便受け その3

2009-07-11 22:08:59 | 木工
郵便受けの制作も佳境に入ってきました。


丁番はアングル丁番を使いました。


取り付ける穴は、トリマーで掘り、丸鑿で仕上げます。
蓋(屋根)は斜めに取り付けるので、一方を斜めに掘りました。


名前は、ご要望通り英語で。
ウォールナットの材を切り抜き貼りますが、貼るだけではちょっと心配なので、少し彫り込んではめることにしました。

 
ガラスの配色は、実際に並べて、私の好みで決めさせてもらいました。


これでほぼ部材の加工が終わりました。小物でも結構な点数になりますね。


仕上げの鉋をかけ


ガラスをはめました。
明日は、組立て、塗装です。


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郵便受け その2

2009-07-10 21:33:24 | 木工
仕口加工の済んだ郵便受けの部材

糸鋸で長方形の穴をあけました。


鑿と小刀で角と直線をきれいに仕上げ


トリマーで3mmほど穴を広げて段差をつけ


これも、鑿で角と直線を直角に仕上げました。
何をするかというと・・・


ステンドグラス用の色ガラスをガラス切りで切り


開けた窓にはめこみます。

イメージはできているのですが・・・結果がどうなるのか・・・
初めてのことですから・・・。やってみないとわからないのです。
デザインは時間をかけて構成したのですが・・・



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郵便受け

2009-07-09 22:30:25 | 木工
名前がわからなかったα化した米の粉春日工房のさやかさんに「寒梅粉」であると教えてもらい、
どこに売っているのか探さねば・・・と思っていたのですが、ありました!
これです。

 いつもお世話になっている漆店の加藤さんにおいてあり、買ってきました。
これだけあれば当分使えます。

午後から遅れている、ポストの制作にかかりました。


図面を引き

天日干しの板も良く乾き、木取り、荒削り、木作り


写真を撮るのをすっかり忘れてしまいましたが、昨日みえた道具屋の平出さんから購入したスコヤやスケールを早速使い、墨付け

このスコヤ、焼き入れされているちょっと高価なもの。
仕事をしている時は、買っておけば良かったと思うものの、実際に値段を見るとためらってしまう繰り返しだったのですが、今回決断しました。
そして、ステンレスのスケールはどこでもありそうでないもの。そう、0.5mmの目盛りがないのです。
この0.5mmの目盛りは実際に使うこともなく。目がちかちかして見にくくて本当に邪魔だったのです。
これで、目盛りがよく見えます。

おかげで?仕事ははかどり

ほぞ、ほぞ穴の加工まで一気にできました。
Mさん、もうしばらくお待ちください。

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「一木一優」打ち合わせ会・研修会

2009-07-05 22:07:14 | その他
京都木工芸同好会「一木一優」の作品展に向けての打ち合わせ会と研修会が当工房で開かれました。


メンバー10名が全員集まり、有意義な時を過ごしました。
詳しくはこちらをご覧ください。

いつも事務机に使っていたテーブルを研修会に使いました。
それを機会に、事務机をかえました。

幅、85cm 長さ2m 厚さ6cmの欅の一枚板
なんとも贅沢でしょう。もちろんテーブルの注文があるまでの置き場とPRを兼ねての使用ですが・・・。


メンバーのIさんからお土産のズッキーニをいただきました。Iさんの畑で今朝収穫されたものです。
Iさんありがとうございます。

「一木一優」の皆さんお疲れ様でした。作品展までお互い頑張りましょう!



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ドアハンドル

2009-07-04 23:25:56 | 木工
ステンドグラス入りドアのハンドル(取っ手)
どんなデザインにするか、いろいろ考えました・・・が、
我がスキークラブの指導員で、スキー場のパトロール隊員のSさんの家のドアですからこれしかありません。


わかりますか。

2本並べてみました。

そう、スキーの板をデザインしました。
最新モデルの形状を縮小 材は栗です。ヒッコリーでも使えば最高なのですが・・・。


ベンド(板の反り)もちゃんとついています。
もちろん、ドアハンドルとしての握り心地も考えています。


今のカービングスキーの形状、スキーの性能追求の結果生まれたものですが、実に美しい曲線を描いているのです。
現代版、用の美と言うところでしょうか。
カービングの板をお持ちの方は是非一度実物をいろんな方向から眺めてみてください。
 
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