木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

国産生漆

2009-09-05 23:13:24 | 
先日漉した国産漆、#240での水研ぎした五稜箸と銘々皿に塗りました。


チューブから出して吉野紙で再度漉して細かいゴミを取りました。
この漆、中国産とは違ってとても良い香りです。ほのかに甘さも感じる香りで思わす舐めてみたくなります。


五稜箸と


銘々皿に塗りました。
乾きも速過ぎず、刷毛摺りの後、篦でしごき取った漆もコテつきません。
拭き漆には大変使いやすく、次の漆の作業が楽しみになります。

欅の卓(花台)

部材の鉋仕上げがすべて完了し、仮組みもOK。
仕口に漆が付かないようにマスキングテープも貼ったのですが、時間がなく、捨て刷りは明日の作業になりました。
これからしばらく拭き漆の仕事が続きます。

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欅花台

2009-09-04 22:44:16 | 木工
欅の花台の制作です。
この花台、昨年暮れにテーブルセットをお納めした浜松のMさんからの注文なのですが、作品展に展示もさせていただく事になっています。


天板は欅の一枚板。この欅の板、大学時代の友人のTさんが、「古い物置を壊したら出てきた」、と静岡から送ってくれた板の一枚です。
花台になってまた静岡(浜松ですが)で活躍してもらいます。

拭き漆仕上げにしますので、蟻桟は寄せ蟻にしました。


寄せ蟻の場合、蟻の効かせ方の調整がすべて。
その時活躍するのが、この蟻作理鉋。左久作作です。


拭き漆の工程で天板の裏も数回研ぎますので、少し硬めに調整しました。


この作業にはやや特殊な鉋を使います。
左2つが樋布倉。3番目が蟻作理。一番右が作理鉋。


蟻桟、脚、貫のほぞ穴、ほぞ加工が完了。


この後、貫の仕上げ削りをして、脚に大入れ加工。脚の仕上げ削りして蟻残の大入れ加工の順で大入れ加工。


あとは、仮組して確認し、天板の表と木端木口を鉋で仕上げて拭き漆にかかります。
作品展になんとか間に合いそうです。

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荒味漆

2009-09-03 22:15:26 | 
日本産の荒味漆を譲っていただきました。

荒味漆というのは、漆の木から漆を掻いたそのままの漆。
掻いた時に入る、木の皮やゴミなどがたくさん混じっています。


漆屋さんは、機械で漉してゴミを取り除きますが、それはできないので取りあえず、寒冷紗で大きなゴミを取り除きました。
この後寒冷紗を巻いて両端を持ってひねり、ゴミの中の漆分を絞り取りました。
手が漆まみれになってしまいました。


漉した生漆は、桶では水分が乾燥してしまうので、チューブに分けて保存することにしました。


380匁(約1.4kg)の荒味漆から、200g入りのチューブ6本、100g入りのチューブ1本、約1.3kgの生漆ができました。
チューブに入りきれなかった漆と、容器に付いた漆で、昨日木地ができた銘々皿と五稜箸の捨て摺りをしました。
と言うより、漆を無駄にしないために、捨て刷りにあわせて漉す作業をした、と言う方が正しいのですが。
貴重な日本産の生漆、大切に使いたいと思います。
コメント (6)
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栃銘々皿

2009-09-02 21:30:29 | 木工
栃の銘々皿
昨日の続きで、朝から表を仕上げて、次は裏にかかりました。


裏は、まず高台を残してペティーワークで切り取ります。


表のカーブに合わせて裏も鉋で削ります。


左が削る前、右が削った後
縁の厚みが均一になるよう、表と同じ曲線に仕上げます。


更に、安定が良いように、高台の裏も鉋ですき取ります。


最後に縁にわずかな丸みを持たせて削って仕上げます。


これで木地が完成 久しぶりの刳り物です。


朝から一日中鉋で削り続け、15枚できました。
削る感触に気持ちを集中して一日鉋で削っていると、まさに無の境地になります。さすがに腕が疲れましたが・・・。
この栃の杢、拭き漆での仕上がりが楽しみです。
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「一木一優」作品展せまる

2009-09-01 23:26:31 | 木工
作品集に写真を追加しました。こちらをご覧ください

今日から9月。「一木一優」作品展が迫ってきました。
最後の追い込み、と言いたいところですが、これから、といってもよいような状況。とにかく頑張らねば。

まず、定番の「五稜箸」の仕上げ削り


この五稜箸、もう100膳以上は作っているのですが、毎回新しい課題が見えてきます。
今回は、とにかく太さを揃えること。
治具を使えば簡単なようですが、元から先まで直線ではありませんので元と先だけでなく中間の太さも揃えなければなりません。
拭き漆が完了後、杢の揃った2本を選んでペアにするためには、すべての箸をできるだけ同じ太さに揃えたいのです。


とくに先は、正五角形を保ちながら同じ太さになるよう鉋で仕上げます。
これがなかなか大変です。
漆をできるだけ木目にしみ込ませ、丈夫な先にするために空研ぎはしません。


頭の部分だけは、ベルトサンダーで低い五角錐に削ります。

次は拭き漆の工程に入ります。

もう一つ今回小物で出品を予定しているのは、刳り物の栃の銘々皿

吉岡棟梁からいただいた、栃の縮みの杢板を使い拭き漆で仕上げます。
今回は皿の上面をわずかに凹面に仕上げる事にしました。


ルーターで荒堀できる治具を作ることも考えましたが、時間がないので、小がんなの台を極浅の四方転びに仕立て、これで削ることにしました。


中心部で、約3mmの凹面に削ります。
鉋の台を仕立てて削る作業は実に楽しいですね。

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