conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
[ブックマーク『conparuの白い航跡』もよろしく]

予兆

2014-07-01 14:05:00 | 詩歌



暗雲立ちこめる上空をみつめていると
急転開の予兆が身を掠める

掠めると言うのもなんだが・・・
過去体験がトラウマのように
稲妻のような速さで身をよぎるのだ

そう、まだ十代だった頃
どしゃぶりの雨のつぶてに打たれながら
黄色い閃光の真っただ中にいた

ピカッ!どーん!
耳をつんざく轟音が
光とともに炸裂したのだった

山ん中の坂道を転げるように
駆けだしたものの
手には柄の長い鎌をもったまま

目の前が黄一色の異世界となって
夢中で坂道を下った
足は空を飛んで頭は真っ白

しばしの後で現実界に戻ってきた
雨が脳天を冷やしてくれたから

こうして今にある身を懐かしみ
不思議に思う

先ほどの上空の暗雲は
何処かへ消えて
白雲の間から薄日がさしている






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ベランダの花園 

2014-06-14 16:04:25 | 詩歌

思うに
梅雨の性質がひと昔とは違う?
繊細だが時に激しく降る
抒情的な梅雨は遠い幻影なのか

昨今の
いきなり雷神のお出ましで
巷は土も跳ね返る豪雨となって
豪快と云うか狂気と云うべきか
異常気象と言われて久しい

自然界に属する人間も荒れています
それでも光を浴びた植物は、雨にも負けず
落雷にも会わず
けなげに背筋を伸ばしています。

シャンテローゼ・ミサトがベランダに咲きました
(渡辺美里さんの名を冠した薔薇です)



ついでに
ヘンリー・フォンダを載せます
 


つれづれに過ぎし日が懐かしい
ベランダの夕べ迫る―回想






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五月の富士

2014-05-15 10:34:37 | 詩歌

御殿場からの眺め


雲ひとつない晴れた空
純白の綿帽子を頂いた富士が
私を迎えてくれた

山嶺に雪解けの鳥型地肌が見える頃
田んぼでは田植えが始まる

忍野八海から篭坂峠にぬけると
富士の裾野は駿河湾に向かって
なだらかに伸びていた

潮の香りはとどかないけれど
空の彼方に海を感じている

広い空と裾野を飲み込んだ海が
富士の雄大な姿を引きこんで
旅人の懐に入ってくる























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春の息吹

2014-03-11 20:52:07 | 詩歌

野に光はあれど早春の風は冷たい
されど
春の息吹はそこかしこに
小さな命を育んでいる

冬越えの
陽だまりの土の中から
蕗の薹がいっせいに生えだした

思えば三年前の今日
寒さの中で潰えた命があった

あたかも
命の回帰であるかのように
寒さの中に生まれた蕗の薹

おりしも2時46分
黙とうに手を合わせた




落ち葉の中に芽を出した蕗の薹



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いまのうちに

2014-03-02 23:18:25 | 詩歌

 一瞬の意識をすりぬけて
時が掠れていく

それほど重要な意味もなく
留めておく理由もないのだが

今まで
あまりにも時間を浪費したので
心に残る大切なものの吟味が要よう

時間が気になってきた
残された時間がどれほどか

呼吸は有限だから
いまのうちに・・・今

アルバムから始まり
机の引き出しの整理をした

部屋の配置もシンプルにして
レコードをかけてみる

余分な物が無くなると
よい音が出るものだ

ちょっぴり部屋に光がさした
野に出て春を追いかけようか

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冬の木立

2014-01-21 20:43:02 | 詩歌

大寒に入ったけれど
風もなく暖かったので
狭山丘陵の公園へ行く

冬ざれの木立が
葉を落として黙している

冬を耐えて
春を待ち焦がれる
林の道を
親しみをこめて歩いた













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写真

2014-01-13 22:57:12 | 詩歌

林の静けさを取り戻して
清浄な空気の中にいる

以前から気になっていた
雑保存の写真を
アルバムに纏めることにした

すでに数冊のアルバムは
A4ファイルで代用している
安価で扱いやすく治まりやすい

袋状のビニールから
台紙を取り出し
1枚ごとに両面テープで貼っていく

カテゴリーごとに眼をやると
温泉地での同級会の
回数がが多い

男だけの心を許した仲間がいる
初めのころは髪も黒々だが
だんだん白髪が増えて
最終回では一人の黒髪を残すのみ
おいどんだよ

一枚の写真の中は
タイムカプセルだ
意外なほどに記憶が蘇える

中でも陸中海岸のスナップは
景観が固定化されて
動いてくれない

あの時の姿はもう無いのだ
港のそばの民宿も
岸壁に係留された小舟も
津波にもっていかれた

美しい浄土ヶ浜には
昆布を干して人もまばら
透き通る水底の小石や
海藻が脳裏に揺れる

ここもかなり荒れたであろう
写真を貼る手がとまる

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君へ

2014-01-09 11:08:50 | 詩歌

君もこのブログを見ているだろうから
あえて一文を掲げておく


いろいろな事があった
最後の納品で君のところへ行ったのは
はるか昔日のようだ

あの時
君は数人で私を取り囲んで
威嚇しようとしましたね

でも
私は君の顔に向かって
睨み返した
私のほうに正当性があるからだ

そんな君から年賀状が届いた
犬を抱いた君と奥さんの
満面の笑顔にあふれた写真が
載っていた

もし
真情で近付きたいのなら
その前に礼節を示すべきだ

もし
笑顔を以って侮辱するなら
己の姿に恥じるべきだ

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木漏れ日

2014-01-03 03:00:00 | 詩歌

冬の淡い日差しが
木々の梢を照らしている
逆光の林の中には
木漏れた日の雫がそこかしこに
精霊のように
光の衣をまとっている

      

林を歩いていると
少年のころの残影が
遠い記憶から飛び出して
光の匂いがしてくる
光に包まれていたあの頃
林の真ん中に自分がいた



梢に向かって
思い思いに伸びた手が
空の中に描いたモザイクのよう

繊細な造形の神秘を
冬の日の淡い日差しに包まれて
静かに眺めている

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また会いましょう

2013-12-30 23:22:40 | 詩歌

この一年ありがとうございました
よいお年をお迎えください


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広い心で

2013-12-27 20:48:59 | 詩歌

英雄と云うものは大衆の心をとらえて鼓舞し、先頭に立って難局を切り開くもの。
民心とかけ離れ独善に走るは、おぞましき我執の虜である。

あのナポレオンでさえ最後は、皇帝の椅子に目がくらんで英雄の座から滑り落ちた。
ナポレオンも我執から妄執へと軌道を狭めたのだろうか。

病的な視野を持たない

宇宙時代にふさわしい叡知で

世界に羽ばたいて欲しい。

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墓標

2013-11-21 23:07:07 | 詩歌

雪崩のように一気に押し寄せようとしているのは何だ?
かつて息絶え絶えの悶絶する地下牢の中で
夢はただ一つ、陽の光を浴びることだった

或る日、伍長殿は墓場から出てきて
持ち前の弁舌で民衆の心の中に胃酸を打ちこんだ
みるみるうちに街の中心は墓場で一杯になり
いつの間にか原形もなくドロドロになった躯(むくろ)が
20世紀の墓標となったのだった

悪夢である
寝汗が枕を濡らした
アルフォンス・カポネも民衆を引きつける粘着力があった
そして、ごっそりと民衆を地底の穴に落としこんで行ったのだ

奇しくも時代の色が似てきた

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赤灯

2013-09-17 22:49:34 | 詩歌

何と大きな災害が続くことか
竜巻が家々を砕いて風穴をあけ
濁流が護岸の家を押し流している

山津波も一瞬のうちに山裾の家を呑み込んだ
異常気象の惨害は赤灯の車を走らせ
傷ついた人を運ばせている

チョコレート色の灼熱は
疲れ切った人の皮膚を焦がして
激変する異常世界に注いでいる
北極の氷も溶かして太古の海に帰すのか

災いの時代を引き寄せた
われらの罪は何処にあるのか

己の心を鎮めて
台風一過の畑を見れば
無残な姿が目を覆う

苗床の上に倒れたゴーヤの棚架
マルチシートも吹き飛んで絡んでいる

この程度で済んだと思えば
天然自然の荒みから免れた身を
感謝しなければなるまい

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天の恵み

2013-08-06 15:51:32 | 詩歌

作物にとって干天の慈雨だ
と言ってもキュウリやトマト、
スイカ、トウモロコシは
とっくに胃袋の中に消えている

狭小な畑に実をつけているのは
秋ナスとピーマン、
それに万願寺とうがらし、、、
おかずとしてはパッとしない

作物は手をかけるほどに
嬉しい果実をもたらしてくれる
天の恵みは慈雨あってこその
結実ではあるけれど

干天の続くときは
水道水を持参して畑にまいた
じりじりと陽に焼けて
育たなかったのもあった

愛し児を育てるように
もの作りの手から
形あるものへ

ひと夏のテーブルにのぼる

野菜たちにビールで乾杯!
そうそう、
パンと張った枝豆をつまみに

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墨田の花火

2013-07-27 22:28:16 | 詩歌

隅田川花火は打ち上げよろしく
バンバン立て続けに漆黒の闇に咲いた

序盤の盛り上がったところで強風と雨
上空の尺玉の破片が桟敷に吹き飛んでくる

爆薬も雨には弱い風にも弱い
危険なので泣く泣く中止に

今夜の空模様は急変の荒れ様で
急冷の気圧の谷が走ったらしい

竜巻でも起きなければいいが
どうやら悪天は西から東へ移って行ったようだ

若かったころは花火があると
追っかけていた
隣市や西武遊園地と近いところ

この頃は映像で弾ける花火を観ている
あの空気を振動させるど~んはとどかない



ど~んと行かない、なでしこジャパン
弾けたコリアの快走やよし
今夜は花火がしけてソウルのコートが
涙にぬれた

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