山地の高台から周りの山々を眺めると、黄葉錦のオンパレードと言った風情であります。ここ相模湖周辺は今が最も山の賑わいを見せてくれています。
クヌギや楢の落葉樹が多いせいでしょうか、全体的に黄銅色の枯葉が一面を覆っていまして、楓などの紅葉はあまり目に付きません。
それが却って庶民的な色合いを醸して、深い想い入れもなく、気安く見つめていられるのです。
まあ、紅葉には『ときめく想い』という、胸の底にまで滲みわたる色合いと感じるところもありますから、深い紅葉のど真ん中に居ようものなら、天女に抱かれた童子のように、神々しくも晴れやかな心地に満ちるでしょう。《枯葉夢語り》