conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
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多摩の山稜

2015-12-07 19:36:16 | 日記

12月も3分の一が過ぎようとしている。
日々の生活は淡々としているが、それなりの変化もホームサイズで起きている。
概して言えば静かな佇まいの中に居るものの、時たま発するカミさんの声がサイレンのように聞こえてくるときは、居間から2階の自室に閉じこもってパソコンに向かったり、本を開いたり閉じたり、、、何やかやと時を過ごしているのである。

奥多摩の山々の稜線がくっきりと見える近頃は、朝夕の気温の低下が肌で感じられ、空気も澄んでいるのが分かる。
多摩地域から見える限りで言えば、ぽこんと突き出た大岳山1266mが最も高い山としてシンボライズされているのだが、我が家では『ぽこん山』とか『おっぱい山』と呼んで親しんでいる。大岳山から右下に稜線が流れて、杉の木立ちが連なるところに御岳山(みたけさん)があり御嶽神社がある。起源は相当に古いらしく、山法師修験道の霊場として現代でも崇敬されている。

少し遅いかも知れないが御嶽神社の前からやや脇道に入った先に、銀杏の落葉を敷きつめた黄金の山道があったのを思い出す。今年も行こうと言いながら流れてしまった。天狗岩はこの先にある。
御嶽神社は標高929mで東京西郊が望見出来る位置にあるが、もともと奥多摩から秩父にかけての山地一帯は、鎌倉時代や戦国時代においては歴史を彩る英雄たちの割拠していた地域でもある。御嶽山の国宝、赤糸縅大鎧は畠山重忠が奉納したものと云う。

作家の浅田次郎が『神坐す山の物語』の中で述べている。幼少期を祖父である御嶽山の御師の家で過ごしたこと、生まれながらに見えないものが見えると言う、霊視を授かっていたことなど、深山幽谷の人里離れた境地から抜け出たような、山の出来ごとが書かれていて興味深かった。かつての山上の修験生活が、人間を超越して神の領域に深く関わって生きていたことは、清々しい。霊界の怖さも十分に織り交ぜて読者を楽しませてくれる。まだ半分ほどしか読んでいない。

室内や外回りの大掃除を始めたところ。天気が良く好天が続けば、テーブルのニス塗りや賀状作成に取り掛かるつもり。

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