物事には反転作用がつきまとうようである。自然の理としてもジグザグ進行というのがあるように、富士登山やヨット帆走、スキーの操行でも取り入れられている。ヨット帆走に至っては、風の摩擦力を利用して風上に進行する方法など、科学的に知的な応用がなされている。
グローバリズムの破局を言われて久しいが、貧富の格差増大と世界経済の中心移動を伴って、先の見えない時代に入っています。大国の一極集中なんぞ、空中の楼閣と化して退廃期に入っている情勢だ。大国の今までやってきた所行が、別の大国によって白昼夢のように再現されている恐ろしい現実。ロシアのウクライナ攻撃はまさしく対立する大国の過去の所行をなぞっているかの一面がある。ロシアのメドベージェフ前大統領が核の使用を仄めかして、混乱に拍車をかけているのも相手大国に対する責任の擦りつけでもある。。自分の行った過去の行為は、やがて自分自身の上に現れる。仏教用語で言うならば「自因自果」で、種をまいたのは自分なのだから結果の責任は自分が負わなければならない。ブーメランの作用である。自業自得の憂き目を見ると昔から言われている通りだ。行き詰まった世界の閉塞感は、時代の坂を逆戻りしてどの辺で落ち着くのか。情勢の混乱は収束が見えない。相当の破壊と殺戮をくり返して、大国内の反動気運を盛り上がるのを待つのか、大混乱を経て新人類でも勃興しなければ達成できないのか、ジグザグな進行過程の途上で、反転ポイントをまさぐっているような時局に思える。まさに白昼夢である。