conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
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現実と既視感の狭間

2024-09-03 22:16:59 | 随想
かつてアラビア航路に乗っていた頃、インド洋の沖ではインド音楽の低音リズムが流れ、アラビア海が近づくにつれて、ひときわ賑やかな低音アラブ音楽が流れてくるといった、地続きの電波伝播の如き印象だけが残っているのだけれども、音楽についてはさっぱり分からない雑音の領域で、ラジオの暇つぶしに流していたように思う。
 あの頃に比べれば、マラッカ海峡周辺国からインド、そして中東のアラブ諸国の距離感というか、心理的な近接感は、科学の発達で宇宙に飛び出したロケットマンの地球観のように、行ったこともない所にも親しく近しげに感じてしまうのは、一つには平和からほど遠い、引っかき回された傷による痛みを感じているからか、人類のアホの一人として歴史の一端を垣間覗いたことで、歴史にも矛盾があると、同情の念に心涙を浮かべたのが距離感を縮める元だったのか。同時にいつか日本もズタズタの擦り傷を負う日が来るかも知れない。世界のバイヤーに国土を買われ、おいしい地下水を汲み取られ、商業施設をファンドの投資で売却され、日本の政治はハックされる。こうならないように祈る。
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