昨日のブログのフィジビリティスタディで思わず10階建てと書いてしまった。それで10階建ての3DCGにしてゆく途中で嫌な予感。
そして10階建てのCGにしたら、実におぞましい建築になってしまった。何がおぞましいかっていうと、これじゃ昭和の大型病院とか、○×工務店の施工ですといった、その辺にいくらでもあるマンションに他ならない。かって香港にあった九龍城の混沌と迷宮の世界だ。それじゃ近未来に欲しくない住宅建築だ。
原因は、板状に直立するボリュームが巨大すぎ、地面から根が生えた住宅の感覚からはほど遠く、巨大な都市の壁になっている事。建築ファサードが下から上まですべて同じとする同じデザインが10層も続いくと、やりきれない退屈なデザインの典型だ。こんなマンションは、現代でも数多く建設されているが、それは街の景観破壊を含め居住者の意識すら混沌とさせてくれる。やはり地面に根をはった空間なり暮らし方が住まいには必要な事だということが理解できる。
単調で退屈なデザインにしてコストダウンしないと庶民には手が届かないでしょう、と不動産屋は考えたかもしれない。そう考えた時から、おぞましさは倍加する。せいぜい4階建てぐらいにしておけば、全体の納まりもよく、地面から根が生えて立っている住宅としての安定感が生まれ、ようやく建築らしくなる、ということがわかった。
だからファサードのデザインを不揃いに変えたい建築家の意図もわかる。それはおぞましさの回避である。
そんなことを考えると建築は4階建てまでが高さの限度だろうということがわかる。そうヨーロッパの街並みである。
映画ブレードランナー等に登場してきた混沌と迷宮の高層居住は、私のテイストではない。よって方針変更だ。
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