嫁から送られてきたフィリピンの画像が、年末までに1カット不足している。ああっ!、おしかった!!。そこで公序良俗がテーマの12月だったからギュスターブ・クールベの「世界の起源」という絵画について、美術やデザインを勉強してきた私の立場からみてみよう。
トップの画像はgeety imagesが公開している画像「世界の起源」の復元図だ。下半身の部分はパリ・オルセー美術館に原画があり、これまで首の部分が不明とされていた。それがあったのだろう。
ドローイングデッサンは私は見ていないのが、これは明らかに第三者による復元である。
デッサンをしてきた立場からすれば、当初クールベは全身像を描いていたと推測できる。というのも骨盤回りだけ描くというのは、人体全体の整合性が希薄になるからだ。写実に徹したクールベならば、当然全身のデッサンしていたと考えられる。
トップ画像にあげたgetty images制作のイメージは、研究者ではなく民間企業の制作なので真意の程は定かでないが、実際の絵画の制作場面では1枚のキャンバスを切り取って2枚の作品に仕立てた。こうした方法は絵を描いていれば画家の世界ではよくある事。getty imagesの解説を以下に引用しよう。
「フランス、パリ - 1 月 31 日: ギュスターヴ・クールベの有名な絵画「世界の起源」は、2013 年 1 月 31 日にフランスのパリでパリ・マッチのために撮影されました。公開画像。クールベが描いた女性の顔を使用して絵画を復元し、アンティーク ショップで美術愛好家が発見しました。2 年間の調査の後、この絵画はギュスターヴ・クールベの有名な絵画「世界の起源」の失われた部分であると確認され、愛人のジョアンナ・ヒファーマンの顔と体が明らかになりました。」
クールベが描いたの下半身の部分「世界の起源」(1866年制作、注)は、Wikによれば、オスマン帝国の前外交官ハリル・ベイがクールベにクールベに絵の制作を依頼し、その後売却され、ハンガリー、ソ連を経て、フランスに戻り現在オルセー美術館が所蔵している、と記載されている。
絵画制作時の1889年にパリ・エッフェル塔が完成しているから、みえないものを探求しようとする科学技術の始動期である。そうした時代背景のなかで画家がみたものを偏見を捨て客観的に描いたと、私は推測している。
私が興味を持ったのは「世界の起源」とする表題である。たしかに人間が生まれることから世界がつくられ歴史を積み重ねたのだから、この表題は事実をいいあてている。クールベは、そうした事実を冷徹に描いた。
そう考えてくると恥ずかしいった公序良俗という概念は、どこから登場してきたのだろうか。1つわかることは、科学技術のカテゴリーではなく、後天的な人間の意識が独自につくりだしてきた。
当時パリ社交界というサロン文化が花開いていた時代。全てを明らかにしてしまうと医学書のようでは冷徹だ。それではロマンスもない。そこで隠しておきたい要素を1つぐらいは残しておこうというフランス人のエスブリか、男の好奇心に応えたか、あるいは絵が売れるからか、さらにはクールベの愛人はプロモデルだから体型はよいか、平民のオカンはふためと見られない体型だから公にしたら国民が永遠にインポになりそうだ、だから隠しておこう?。案外最後あたりが正解なのだろうか?。
要約すると、画家の頭の中で一つであった概念が「画家の制作」と「社会への公表」という、二つの概念に社会が分離させた。そんな差異が現代に至っていると考えた方がよさそうだ。
さて19世紀フランス絵画の巨匠が描いた作品をgooの公序良俗意識が、どう解釈するか?。下半身は相当にリアルに描かれているよ(*^▽^*)。
注1)getty imagesは、アメリカのワシントン州シアトルに本社を置く写真画像代理店。20か国を超える国々に事務所を持ち、3億点の画像・映像・音楽素材をインターネット経由で提供している。
注2)オルセー美術所蔵Wik:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E8%B5%B7%E6%BA%90
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